レバレッジとは|意味やレバレッジ効果の例、計算式などをわかりやすく解説


レバレッジ(Leverage)とは、少ない資金で大きなお金を動かすことができる仕組みのことで、その効果をレバレッジ効果といいます。FXや株式などの金融商品でよく用いられ、レバレッジをうまく使うことで大きなリターンが期待できます。

なお、金融庁はFXのレバレッジを規制する方向で検討していましたが、2018年5月に現行の25倍に据え置く方針を固めました。これは健全な投資家にとっては良かった反面、未熟な投資家が今後も大きな損失を出し続けるということも意味しています。

この記事では、レバレッジの意味やレバレッジ効果の例、適当な比率や計算式を紹介。また、その危険性や注意点についてもわかりやすく解説します。投資をやるに当たって、知っておいて損はないレバレッジについて、しっかりと学んでいきましょう。

1.レバレッジの意味をわかりやすく解説


レバレッジをかけると、思惑どおり相場が動いたときに、利益が大きくなるのは当然です。しかし、忘れてはならないのは予想が外れたときは、損失も大きくなるということです。ここではレバレッジのメリットだけでなく、デメリットや危険性についても解説していきます。

1-1.レバレッジとは何?FX以外にも株や不動産でも

レバレッジの本来の意味は、梃(テコ)のこと。大きなものを小さな力で動かすための、あの棒状の道具が語源です。たとえば、FXではレバレッジ〇〇倍という言い方をしますから、FXの取引きしている人には、なじみ深い言葉かもしれません。たとえば、レバレッジ3倍なら、口座に入れている3倍の資金で取引きでき、レバレッジ25倍なら25倍の資金で取引ができるということです。

株式投資では、信用取引をすれば自己資金の3倍までの取引が可能になります。これもレバレッジです。また、不動産投資では、借入金がレバレッジにあたります。

1-2.レバレッジ効果とは?例をつかってわかりやすく解説

ここでは、不動産投資を例に挙げてレバレッジ効果を解説しましょう。仮にあなたが2000万円の余剰資金を持っていたとして、その資金すべてを使って、年間200万円の家賃収入が見込まれる物件を買ったとします。そうすると、利回りは10%になります。

その取引きをやめて、2000万円を頭金として、年間400万円の家賃収取が見込める4000万円の物件(2000万円を借入れ)を買ったとしたらどうでしょう。利回りは先ほどと同じ10%ですが、家賃収益は2倍の400万円になります。

これがレバレッジ効果です。レバレッジを使ってより多くのお金を動かすことで、利回りが大きくなり、資金をより有効に使えることにつながるのです。

少し考えてみてください。これって何かに似ていると思いませんか?
たとえば、会社経営。多くの大企業はレバレッジを使っているといえます。

銀行から融資を受けて、大きなお金を使って設備などを整えることで、大きな収益を生み出しています。
注意しなければならないのは、このような会社経営と個人投資家が違うのは、会社の経営において銀行からお金を借りようとしたら、銀行の審査があります。
事業に見込みがなければ、当然お金は貸してくれません。

しかし、個人投資家は誰も審査してくれません。自分が思い描いていることが客観的に見て、見込みがあることなのか誰も審査してくれないままレバレッジをかけることができてしまいます。
これは自由であると同時に、危険なことでもあるということは、あなたにも想像できるでしょう。
それを管理し、レバレッジをかけるかどうかを判断するのはあなたしかいないのです。

1-3.投資におけるレバレッジをかけるリスクやデメリット

レバレッジをかけると、リスクも増大します。自己資金以上の損失が出てしまうこともあります。つまり、借金になってしまうということです。自分の資金の範囲内、つまりレバレッジが1倍であれば、通常自己資金以上の損失がでることはありません。

とはいえ、FXでは多くの場合、自己資金がマイナスになる前に強制的にロスカットされます。他の投資でも考え方は同じです。業者からしてみれば、損失を出している者にお金を貸し続けるのは、リスクでしかありません。

ですから、FXなどでレバレッジを使った取引をする場合、どこで強制的にロスカットされるのかをよく見極めてから取引きしなくてはなりません。レバレッジを高くすればするほど、強制ロスカットも早く訪れます。私は初心者の頃、それを甘く見ていて、大損したことがあります。

なお強制ロスカットについては、以下の記事を参考にしてみてください。大きな損失を出してしまうと復活は難しくなります。そうなる前に必要な知識を揃えておきましょう。

ロスカット率を知らないと借金?計算方法や設定値、ロスカットルールを解説

2. レバレッジの適当な比率、計算式を紹介

2-1.レバレッジ比率とは?どれくらいが適当か?

レバレッジ比率とは、自分が持っている資本に対して、何倍の借入かを示すしたものです。FXでいえば、証拠金に対するポジションの比率のことを指します。

FX の場合、証拠金維持率が目安となります。証拠金維持率は、FXの取引ソフトや、取引画面で簡単に調べることができます。この証拠金維持率が300%以上であれば安全圏、200%以下になると危険水域に達していると私なら考えます。

2-2.レバレッジ比率の 計算式

レバレッジ比率の以下の式で表されます。

レバレッジ比率(%)=総負債(FXや株であれば運用資金) ÷ 自己資本 × 100

総負債とは、自分以外の他人の資本のことです。株の信用取引やFXであれば、総負債が運用資金の総額ということになります。

3.さいごに|レバレッジ1倍なら


レバレッジ1倍なら自分の持っている資本の範囲で取引きすることになるので、もっとも安全な方法といえるでしょう。けれど、レバレッジをかけることで、自己資金だけではとても手が出せない不動産などの投資対象を購入できたり、FXや株でより多くのリターンを生み出す契機になることもあるでしょう。

とはいえ、レバレッジを効かせるのは諸刃の剣ともいえます。計画的に使わないと、自らでは制御できないほどの損失を、こうむることにもにつながります。特に大きなレバレッジをかけるときは、思惑が外れたときにどこで損切りをするのかを明確にして取引に挑むことを強くお勧めします。

なお、多くの方は損切りの本当の意味をよくわかってません。あなたがどんなジャンルであれ、これから投資活動を続けていきたいなら、まず損切りについて熟知し実際に行動できるようにならなければなりません。これは柔道を始めようとしたら、まず受け身を覚えることと同じです。そうしないと大怪我をしてしまうからです。以下の記事では、このことについて詳しく解説しています。

損切りとは?本当の意味や株・FXでの目安やタイミング、ルール設定を解説