ロスカット率を知らないと借金?計算方法や設定値、ロスカットルールを解説


ロスカットとは、FXや株などの投資で損失が出た際に、これ以上損失を膨らませないために決済することです。本文で詳しく説明しますが、ロスカットを意図的に自分で行うか、あるいは取引会社に強制的に執行されるかで意味合いは変わってきます。

この記事では、主に取引会社に強制的にロスカットされる、いわゆる強制ロスカットを中心に解説します。自分の意思によって計画的に行う、損切りについては、以下の記事が詳しいので参考にしてみてください。特に、損切りに意義を見いだせていない方にとっては、新しい視点を得る機会になるでしょう。

損切りとは?本当の意味や株・FXでの目安やタイミング、ルール設定を解説

1.FXや株、ビットコインにも重要なロスカットの意味

ここでは、ロスカットやロスカット率の意味、強制ロスカットの事例などについて紹介します。知らないと、意図せずに大きな損失を出してしまうこともあるので、しっかり頭に入れて取引を実施してください。特にレバレッジがきく、FXなどでは常に意識しておくことが大切です。

1-1.ロスカットとは?損切りと違う?意味を解説

はじめに説明しましたが、ロスカットとは、投資や投機で意図に反して相場が動いた際に、損を大きくしないために決済を実施することです。どんな文脈で使用されているかで、その意味合いは変わってきますが、一般的に自分の意思で損失制限のために決済することは損切りと呼ばれています。また、損失制限のために取引会社が強制的に決済することを、強制ロスカットあるいは単にロスカットと呼ぶことが多いです。

つまり、損切りは自分の意思で、計画的に損を確定すること。ロスカットは、取引会社がこれ以上顧客に、損を出させないために決済すること。という意味で使われることが多いです。ですので、この記事は、ロスカットを取引会社がこれ以上顧客に損を出させないために決済することと定義して、説明していきます。

1-2.ロスカット率とは?計算方法とロスカットルール

どれくらいの損失を出せば、ロスカットされるかという設定値は、各取引会社によって異なります。多くの場合、証拠金維持率(証拠金維持率=純資産÷必要証拠金)が50%を割り込んだ際に、強制的にロスカットされるようになっています。このパーセンテージをロスカット率と呼びます。

SBI証券などでは、このロスカットされる割合を自分で少なく設定して、通常より早く強制決済が発動するようにすることもできます。この仕組みを、ロスカットルールと呼びます(この言葉の定義は厳密には各取引会社で違い、単に取引会社側が決済できる証拠金維持率の値を指すこともあります)。

そんなことをして、何の得があるのかと感じるかもしれません。しかし、相場では何が起こるかわかりません。1日で大きく値が動き、想定していないような損失を出してしまうこともあるのです。ですから、ありえないことが起こったなら、少しでも早くロスカットになったほうがいいという考え方から、こうしたサービスを使うのも一つの方法です。

なお、逆指値を効果的に使えば、ロスカットルールを設定するのと、同じ効果が得られます。逆指値の上手な使い方については、以下の記事が詳しいです。

逆指値とは|FXや株での逆指値のやり方や指値との違い、効果的な使い方

1-3.強制ロスカットで大損|借金を追うことも?

ロスカットは、基本的には顧客が元手以上の損失を被ることがないように、取引会社の安全策として導入されている仕組みです。顧客がFXや株の取引で元手以上の損失を出すと、取りっぱぐれてしまうこともあります。そうならないための仕組みが、ロスカットです。

ですから、本質的にはあなたに借金を負わせないために、取引会社がロスカットをしていると考えて問題ありません。ですから、通常であれば、最大限に損をしても元手がゼロになるだけで済むケースがほとんどです。しかし、ロスカット率の基準が甘い取引会社で取引をしていたり、これまでにないような相場の急変動が起こってしまったりした場合、借金を負ってしまう可能性もゼロではありません。

どちらにせよ、強制ロスカットされる可能性があるような、ポジション比率で取引ことはおすすめできません。もちろん、うまくいけば大きく稼げることになりますが、こうした取引を長く続けていると、高い確率で最終的に資金はゼロに近い値になっているでしょう。

2.おわりに|FXレバレッジをかけるとロスカットが早い


ここまで、読んでいただいたあなたは、もうお気づきかもしれませんが、なぜ取引会社からのロスカットが執行されるかというと、レバレッジをかけたり信用取引をしたりしているからです。レバレッジをかけたり信用取引をしたりしなければ、いくら相場が大きく動いても、取引会社は損をすることはないですから、ロスカットされる危険性もありません。

つまり、欲にまかせて、レバレッジをかければかけるほど、強制的にロスカットされる確率は高まるということです。そして、ロスカットされるような事態になれば、当然大きな損失が出ているはずです。相場は、多くの人が意図していないロスカットに巻き込まれたときに、特に大きく動きます。あなたはその大きな波に乗って、資産を増やす側の人間でしょうか。あるいは、ロスカットされて、資金を失ってしまう側の人間でしょうか。過去はどうであれ、未来は、あなたが選択できるものです。この記事を読んだあなたには、ぜひ大波に乗って資金を増やす側の人間になって欲しいと願っています。