両建てナンピン必勝法の真実|実践者が語るFXでの手法や外し方のテクニック

両建てとは、簡単に説明すると、売りと買いのポジションを同時に持つことを意味します。英語にするとクロスオーダー(Cross Order)です。

「両建は意味ないんじゃない?」「ネットの掲示板などを見ると、FXで上手に取引きしている人は両建てを使っているみたいだけどメリットあるの?」「両建てをやるにしても、どんな手法があるの? 必勝法は?」「両建てをしてみたものの、外し方がわからない」あなたはこんな疑問を持ってこのページを開いたかもしれませんね。

この記事ではFXでの取引きを中心に、初心者にもわかりやすく、両建ての意味や、両建てを使った有効な取引き手法、両建てポジションの外し方などについて解説していきます。

私自身も、株式取引やFXで両建てを頻繁に用いています。おそらく両建てを知らなかったら、現在のようなパフォーマンスは出せなかったと思えるくらい、私にとって両建てはなくてはならない身近なものになっています。

そうした経験を交えて、あなたに両建てについてのとっておきの情報をお送りします。また、間違った考えで両建てを使うと、大変危険なものにもなります。こうしたことについても解説しますので、最後まで読んで正しく両建てを理解してください。

1.両建てとは|意味や基本をわかりやすく解説


この章では両建ての意味や、両建ての基本的な考え方について解説していきます。もしあなたが、両建てについて十分理解できていて、具体的な手法について早く知りたいと思っているなら、この章は飛ばして、3章から読み進めていただいて構いません。でも、少しでも不安があるなら、基本をしっかり確認してみてください。

1-1.両建てとは?意味とやり方を簡単に解説

FXでの両建てとは、同一通貨ペアの売りのポジションと買いのポジションを同時に持つことを指します。つまり「ドル・円」なら「ドル・円」の売りと買いのポジションを持つことですね。

では「ドル・円」で買いポジションを持ち、「ユーロ・ドル」で売りポジションを持つのは両建てになるでしょうか。私はこうした取引を両建てと同じような感覚で使用していますが、通貨ペアが違うポジションを同時に持つことは、一般的にヘッジと呼ばれています。

あなたも、リスクヘッジという言葉を聞いたことがあるかもしれません。そのヘッジのことです。ヘッジはFXだけに限りません「ドル・円」と「株式」や「ドル・円」と「金」など相関性のある、あらゆる金融商品と組み合わせてリスクを最小にしていく手法です。

この記事では、両建てに限って解説していきますが、両建てをしっかりと理解していれば、将来ヘッジについて学びたいと考えたときに、すんなりと受け入れられるようになります。

1-2.両建ての考え方の基本

最初に両建てについて、基本となる考え方を説明しておきましょう。

ドル円を例にすると、あなたが115円でドル円の買いポジション(ロングポジション)を1枚持ったとします。その後、円高になり114円になってしまいました。損失は10000円とします。この時に、買いポジションと同じ枚数の売りポジション(ショートポジション)を持ったとします。これが、両建てするということです。

具体的にいうと、以下のような形です。

【ドル円の価格が114円の場合】
115円買い×1 マイナス10000円
114円売り×1 プラマイ0円
(損失10000円)

このように両建てにすると、その後いくら価格が変動しようと損失は変わりません。
たとえば、ドル円が100円に下がったとしても以下のようになります。

【ドル円の価格が100円の場合】
115円買い×1 マイナス1150000円
114円売り×1 プラス1140000円
(損失10000円)

このような状態を、損失を固定するといいます。また、利益が出ているときに上記と同じような形にすることを、利益を固定するといいます。固定された利益・損失は、ドル円がどれだけ上がったり下がったりしても、売りと買いを同数両建てをしている限り変わりません。この考え方は、両建てをするうえでとても重要になりますので、しっかり頭に入れておいてください。

2.両建てのメリットとデメリット|実は意味ない?


両建ては一見意味のない行為のように見えるかもしれません。確かに論理的に考えれば、そうなのですが、この両建てに一体どんなメリットがあるのでしょう? まずは利点から説明します。

また、一見無害な両建てにもデメリットも存在します。欠点についてもこの章で解説しますので、しっかり押さえたうえで両建てを実際に実行するのかを決めましょう。

2-1.両建てのメリット|両建ては勝てる?儲かる?

両建てをするなら、いったん損切り(決済)をしても同じことです。だから、両建ては意味ないというのも正しい意見に聞こえます。しかし、これは為替や株の値動きを完全に予測できるという前提があってこその意見でしかありません。

実際に、為替や株を取引きしてみると、自分の思惑と外れて動いたり、特に初心者だと損切りルールを決めていても実行に移せなかったりすることもあります。こんな時に、あなたの心理はかき乱されるはずです。仕事をしている時にも為替の動向が気になったり、買いのポジションを持っていて価格が下がった時に、これ以上落ちたらどうしようかと不安になり、自分の分析が信じられなくなったりすることもあります。

そんな時に、両建てという手法があなたの力になるはずです。両建てやそれに付随する手法は、人間の心理的な弱さをカバーするものだと私は考えています。また、両建てに熟達すれば、自分の予想が外れた時にも利益が出せるのもメリットです。

投資で儲けようとした場合、分析力こそが全てと初心者は考え勝ちなのです。しかし、実際には分析力さえ磨けば勝てるというわけではありません。100パーセント値動きを分析することは、不可能だからです。分析力を上げるよりも、分析がうまくいかなかった時にどうするかということの方が、相場で生き残るうえで重要なのです。

実際に、心理的な要因で破産する人は多いです。代表的な例を挙げれば、負けを取り返そうとして自分の身の丈に合わない大きなポジションを持ったり、価格が思惑通りに推移しなかった時に、負けを認めたくないがために、損切りできずに破綻したりするというパターンです。

あなたが、強靭なメンタルを持ち、どんな状況でも自分を客観的に見つめ、きっちりと分析や損切りができるのなら、確かに両建てにはあまりメリットがないかもしれません。

しかし、多くの人は、そこまで強靭なメンタルを持ちえないというのも事実だと思うのです。ランダムな値動きの中で、心をかき乱されて、冷静な状態ならば、とても手を出さないポジションを取ってしまうこともしばしばです。

2-2.両建てのデメリット|スワップ分損をすることについて

両建てにもデメリットがあります。主要なものを挙げると以下の3つになります。

まず、FXであれば、買いポジションと売りポジションの両方にスプレッドが発生します(スプレッドというのは単純化して言えば、取引き手数料のようなものです)。つまり、買いと売りの2つのポジションを持つのですから、2つそれぞれにスプレッドという名の手数料がかかるということです。

2つ目は、買いと売りの2つのポジションそれぞれの証拠金が必要になるこということです。証拠金というのは、買ったり売ったりする時に必要となるお金のこと。例えば、ドル・円のポジションを1枚持つのに5万円の証拠金が必要になるとします。とすれば、売りと買いのポジションを1枚づつ持つには、10万円の資金が必要です。そして、その資金は両建てしている間は、別の金融商品に一切投入できなくなります。

3つ目は、FXの場合、買いと売りのポジションを持てば、両ポジションでスワップが発生することです。スワップとは、ポジションを持つことで発生する金利のようなものを指します。例えば、ドル・円では買いのポジションを持っていたら、1日ごとにプラスのスワップがつきます。反対に売りのポジションを持っていたらマイナスのスワップがつきます。

では、両方のポジションを同数持っていたら、スワップは相殺されてゼロになるかというとそうはなりません。たいていの場合、ドル・円の場合、買いポジションで受け取れるスワップの額よりも、売りポジションで支払う額の方が大きいからです。

このように、売り買い同数のポジションを持っていた場合、ドル円以外の通貨ペアでも多くの場合、スワップポイントを受け取る額より、支払う額の方が大きくなります。ですから、両建てをして、預金代わりにしようとしても、通常はどんどん資産が目減りするだけということになります。

しかし、実際に両建てを使用してみると、こうしたデメリットを払拭するだけの利便性があるのです。次の章で具体的に説明していきましょう。

3.FXで有効な両建て手法|必勝法と負けないテクニック


両建てを使ってFXや株式取引で必勝していくようなやり方は、存在するでしょうか? この章で詳しく見ていきましょう。

3-1.損切りなしのFX戦法|両建てナンピン必勝法

両建ての必勝法とうたわれるものとして、両建てナンピン必勝法というものが存在します。実は私もこれに近い手法を使って、過去にFXで大きな利益を上げたことがあります。

その時の両建て手法をわかりやすく、単純化して説明します。例えばFXであなたがドル円において、120円で買いのポジションを1枚持ったとします。しかし、思惑に反して価格は119円まで下落してしまいました。

通常はそこで損切りするところですが、損切りの代わりに119円で買いと同数の売りポジションを持ちました。そうすれば、損失は固定されるので、その後いくら価格が変動しても変わりません。ここまでは両建てを使う多くの人がよくやるのですが、両建てナンピン必勝法では、119円で売りのポジションを持つと同時にさらに買いのポジション1枚を持つのです。

この時点でのポジションは

120円買い×1
119円買い×1
119円売り×1

となります。

では、さらに価格が下落したらどうでしょうか? 118円まで落ちてきました。そうなった時は、さらに買いと売りのポジションを一枚ずつ持つのです。ポジションは以下のようになります。

120円買い×1
119円買い×1
119円売り×1
118円買い×1
118円売り×1

そしてまたもや思惑が外れ、117円まで下落。でも慌てず同じことをやります。そしてさらに価格が116円まで落ちてきました。今度は損益も交えて表してみましょう。

120円買い×1 マイナス40000円
119円買い×1 マイナス30000円
119円売り×1 プラス30000円
118円買い×1 マイナス20000円

118円売り×1 プラス20000円
117円買い×1 マイナス10000円
117円売り×1 プラス10000円

となると、何か気づきませんか? そうですマイナスのポジションはもちろん大きいけど、プラスのポジションの利益もふくらんでいるということです。そして、ナンピン必勝法のミソとして、相殺決済というものがあります。基本的に相殺するのは、マイナスが一番大きなポジションになります。

そこで、「120円買い×1 マイナス40000円」を「119円売り×1 プラス30000円」と「118円売り×1 プラス20000円」で相殺すれば、10000円の利益を出して相殺しました。残ったポジションは以下です。

119円買い×1 マイナス30000円
118円買い×1 マイナス20000円
117円買い×1 マイナス10000円
117円売り×1 プラス10000円

では今度は価格が一気に上がってきて、118円になりました。その時は、118円のすでに持っている売りポジションと同数の買いポジションを持ちます。

119円買い×1 マイナス10000円
118円買い×1 プラマイ0円
118円売り×1 プラマイ0円
117円買い×1 プラス10000円
117円売り×1 マイナス10000円

こうしておけば、相場がどちらに行こうと利益を出すことができます。例えば、今度は価格が一気に115円まで下落したとしたら、

119円買い×1 マイナス50000円
118円買い×1 マイナス40000円
118円売り×1 プラス40000円
117円買い×1 マイナス20000円
117円売り×1 プラス20000円

となります。
そうなれば、「119円買い×1 マイナス50000円」を「118円売り×1 プラス40000円」と「117円売り×1 プラス20000円」でプラス1万円で相殺できます。
残ったポジションは以下です。

118円買い×1 マイナス40000円
117円買い×1 マイナス20000円

ここでは、決済していないマイナスは実際の損失とは考えません。ですから、上記のマイナスになったポジションを利用して、新たに売りポジションをとっていきます。そしてポジションを複数持って相殺決済や利益確定を狙っていくのです。

このような売買を続けていれば、いつかはポジションがプラスマイナスゼロになる時が来ます。その時、上記のような相殺決済等で得た利益が、まるまる残るというイメージです。これが単純化したナンピン必勝法です。

私が実際にこの手法で運用していた時は、買いと売りのポジションサイズを変えたり、同じ値幅で買いと売りを繰り返すのではなく、チャートの節目や損きりのポイントになる箇所で売買を行っていました。相場が教科書通りのレンジ相場なら、確かに強力な手法になります。

しかし、この手法は失敗することもあります。そして、失敗した時の損失は大きなものになりがちです。これをあなたに伝えておかないと、この記事は不誠実なものになってしまうので、リスクについても次項で解説します。

3-2.FX両建ての危険性(リスク)とは?両建ての外し方や証拠金


FXでの両建てを使った必勝法は相場の動きにマッチすれば有効な手法ですが、万能ではありません。ここでは、前項で紹介した両建て必勝法の実際の運用方法や、ポジションの外し方、また危険性についても言及しておきます。

3-1で紹介したやり方において、ポジションの外し方は基本的にはポジションがプラスになった時のみ外します。もちろん相殺決済で外す時も、プラスマイナスゼロ以上の利益が出る場合のみ、ポジションを外していました。実際の含み損については、気にしていませんでした。

まだ実現していない損失ですから、完全に無視していました。相場は波を打つものだから、いつかは戻ってくると考えていました。そして、その時は、運良く相場の状況が良かったので、ポジションがプラスのみの時だけ外していたら、いつしか確定した利益が含み損を超えていました。

相場を予想はしますが、その予想は当てにはしません。実際にこのやり方を使って、半年で年収以上の金額を手にしたこともありました。これは「相場の動きは決して予想できないという、ランダムウォーク理論にも対応できるすごい手法だ」と当時は考えていました。

しかし、同じ手法を使って口座に入れている資金を、全てすっ飛ばしたこともあります。今となっては良い経験でしたが、もし初心者の頃にこのような経験をしていたら、二度と立ち上がれなかったかもしれません。今から思えば、とても恥ずかしいのですが、あなたのプラスになると思うので、その経験を話しておきましょう。

両建て必勝法にも慣れて、他の投資でもそこそこの利益が出ていた時期でした。私は調子に乗っていました。両建て必勝法で、どんどんポジションサイズを大きくしていきました。もっと儲けられると考えていました。

そして私がポジションサイズを大きくしたのは、理由もあります。上記で紹介したように、同じポジションサイズで、同数持っていれば利益も損失も固定されます。ですから、少々ポジションサイズを大きくしても、問題ないのではないかと。浅はかでした。そして当時の私は手法の安定感、安心感から、恥ずかしながら、レバレッジや証拠金については完全にどんぶり勘定でした。

そして、完全に安心し切っていたその時に事件は起こりました。ある出来事がきっかけで、相場が急変動したのです。両建てとはいえ、大きなポジションを取っていたものですから、追証を払う間もなくポジションが決済されてしまいました。いわゆる強制ロスカットです。

最初、何が起こったのかわかりませんでした。まさか、自分が強制ロスカットを食らうなんて思ってもいなかったからです。でも、今ならわかります。両建てをしていると、必要な証拠金も倍必要になります。証拠金維持率においては、両建てをしない時よりもずっと不利になるのです。

ですから、資金いっぱい近くまでポジションサイズを大きくすれば、自分が考えている以上に早く証拠金維持率がゼロになり、強制決済されてしまうのです。その時の私は、そんなことにも気づけないほど慢心していました。

3-3.FX両建てテクニックのその後|FX両建てで勝てる!?

現在、私はFXに使える資金を3分割して、別々の口座で運用しています。その口座の1つで上記で紹介した、両建てナンピン手法を基本とした戦略で資金を運用し、それなりに利益を得ています。

FXでの両建て手法は、損切り不要なのが利点ですが、急激なトレンドが起これば大きな損失を出してしまいますし、もしレバレッジをかけていれば、強制的にロスカットをされるリスクを負うことになるでしょう。

ですから、いかにトレンドとレンジを読めるかということが重要になってきます。トレンドが現れたと判断したときは、すかさず売りと買いの枚数を同数にするか、損切りしてしまう方が賢明でしょう。しかし、両建ての安心感から、こうした判断が遅れてしまいがちです。その結果、かつての私のように大きな損失を出すことにつながります。

また、レバレッジを一切かけずに、損切りしないで気長に待つのが最も勝率が高くなります。レバレッジをかけなければ、強制ロスカットのリスクはなくなりますし、多くの場合価格は戻ってきます。ただし、それが1年後になるのか10年後になるのかは誰にもわかりません。もしかしたら、あなたが生きているうちに戻ってこないことも可能性としてはありえます。

そのリスクを自分自身で負えるなら、試してみる価値は十分あります。しかし、あくまで取引は自己責任で行ってくださいね。

4.両建てについて最後に伝えたいこと|勝率100%は本当か?


世の中には、一見必勝法のように見える手法はありますが、勝率100%の手法は存在しません。もしそういうものがあったとしても、限られた期間中だけ勝率100%だったということになります。

むしろ勝率が高い手法の方が、万が一負けた時に大きな損失を被る可能性が高いということも覚えておいて欲しいです。相場というものは大数の法則によって取引を多くやればやるほど、勝率が50%に近づいていきます。相場の特異な状況を狙ってその時期だけ、必勝法が存在したということであれば嘘ではないかもしれませんが、高勝率をうたう人がいたら、まず疑ってかかったほうが無難です。騙されないようにしてください。

もしかしたら、この結論は、ここまで読んでくれたあなたをがっかりさせてしまったかもしれません。しかし、ありえない手法を探し求めて時間を無駄にしたり、結果的に大きな損を被ってしまったりするよりは、ずっといいと思いませんか?

より有効な手法を探し求めるよりも、すでにある技術を熟知してそれを磨いてくことを意識してください。例えば、損切りという基本的な技術でさえ、何年もそれをやってきた人間と素人では、その技術の精度に差が出てきます。そうしたことを、初心者のうちはなかなか理解できないのです。「技術を磨くこと」それが、最短で継続的な利益を出すための確実な方法です。そして両建ても、そうした技術の一つに過ぎないのです。

もしあなたが、相場における「技術」について知りたければ、以下の損切りの記事をじっくり読んでみてください。技術の大切さやその意味がなんとなく理解していただけるかもしれません。

損切りとは?本当の意味や株・FXでの目安やタイミング、ルール設定を解説