FXと株どっちが儲かる?FXと株式の違い・難易度・リスクの比較と関係性


これから投資を始めようとした時に、まず目につくのは株式投資や為替を扱うFXでしょう。何千万円と稼いだ人もいれば、それ以上に損をした人もいる。では、株式投資とFXではどちらが稼げるのでしょうか? また、どっちが簡単だと思いますか? 損をした時どちらが損失額が大きいでしょう? 

この記事では、長く株式投資に関わり、近年はFXを中心に投資を行っている著者が、株とFXを比較しながら、上記の疑問に答えます。また、ビットコインなどの仮想通貨のリスクについても触れています。そして、記事の最後の方で、株とFXとどっちがオススメかという著者の見解も紹介しますので、ぜひ目を通してみてください。

1.株とFXの違い|特徴を比較


株式投資とFXどちらも投資と言われているけど、実際のところどんな違いがあるのでしょう。そもそも、それぞれがどんなものかも、わかっていない方もいるかもしれませんね。ですから、この章では株式投資とFXについて簡単に紹介した後、両者の違いを解説します。

1-1.株式投資とは|特徴を解説

株式投資とは、企業を対象とした投資です。日本では4000以上の投資先があります。主に企業の業績や人気で、株の価格(株価)が変動します。例を挙げると、会社がまだ評価されていなければ株価は、安いですよね。そうした安い時にその会社の株を買い、業績が評価されて株価が上がった時に株を売れば、値上がりしたぶん儲けが出ます。

信用取引を使えば、自分が持っている資金の約3倍の資金で売買することも可能です。値動きの傾向は個々の株(銘柄)によって、かなり開きがあります。取引きできる時間は、平日の午前9時から午前11時30分(前場)、12時30分から15時(後場)までです。株主優待や配当があるのも、株式投資の魅力かもしれません。

1-2.FXとは|特徴を解説

FXとは、ざっくり言えば外国の通貨を買ったり売ったりしたりして、利益を得る投資です。例えば、外国のお金の価値は、その国の経済政策や経済状況、地政学的リスクなどによって変動します。

誤解を恐れずに簡単に説明すると、その国の通貨が安い時に買って、高くなった時に売れば儲けが出ますよね。実際にはもう少し複雑なのですが、とっかかりとしてはこんなイメージでいいと思います。投資対象は通貨ですが、実質その通貨を発行している国ということになります。

FXでは望みさえすれば、自分が持っている25倍の資金で売買できます(海外の口座ならもっと大きな額を動かすことも可能です)。株式投資と同じように土日、祝日は取引できませんが、平日なら24時間取引ができます。また、売買する通貨によってはスワップ(金利)が毎日もらえます。

1-3.知らないと損!FXと株価の関係|両方やるのもあり

FXで取引きできる通貨ペア、例えば「ドル・円」の値動きは、日本の株価の値動きに大きな影響を与えています。例えば、円に対してドルが高くなると、輸出企業の売上が増えます。つまり「ドル・円」が上がると、輸出で儲けている企業が多い日本の株価は上がりやすくなります。もちろん、材料等を輸入することで成り立っている企業の株は悪影響を受けることもあります。

ですから、あなたが株式だけを取引きしていたとしても、FX(為替)は関係ないというわけにはいきません。株式投資をやるなら、為替の動向にも注意しておく必要があるのです。また、FXの取引きで得た情報を株に活かすことができるので、両方やってみるのもアリだと思います。

1-4.株式投資とFXの違いを比較

ここでは、上記を踏まえて株式とFXを比較してみましょう。

まず、取引き時間は、
 株が午前9時から午前11時30分、12時30分から15時
 FXが24時間

でした。つまり普通に会社員として働いていると、株式市場が開いている時間は労働していることになります。ですから、会社員をしながら株式投資をするなら、リアルタイムで値動きを追うような短期トレードは、しづらいと言えるでしょう。反対にFXであれば、会社から帰ってきてからもリアルタイムで取引きができますから、会社員でも短期トレードがしやすいと環境だと言えます。

次に投資対象は
 株が企業
 FXは通貨(国家)

でした。企業の業績は自分がよく知っている業界であればイメージしやすいと思います。また、その企業をよく調べることで、今後どうなっていくかという予想が比較的立てやすいと言えるでしょう。一方FXは、その国家の金融政策や情勢の予測を立てるのは個人投資家には困難です。ですから、中・長期的な投資には株式の方が向いていると考えられます。

最後に自分の持っている資金の何倍で取引きできるかですが、
 株が3.3倍
 FXが25倍以上

でした。これをレバレッジと言います。つまり、FXの方が少ない資金でも大きな取引きが可能ということです。レバレッジを大きくかければ、儲けも大きくなります。しかし、いいことばかりではありません。レバレッジをかけると、当然損失も大きくなるからです。

なおレバレッジについて詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。レバレッジの恐ろしさを知らないと、大変なことになります。ですからあなたが、大きなレバレッジをかけたいと考えているなら、ぜひ目を通しておいてほしい記事です。

レバレッジとは|意味やレバレッジ効果の例、計算式などをわかりやすく解説

2.株とFXの難易度とリスク


1章では、株式投資とFXの違いについて解説しました。では、どちらが難易度が高いでしょう? リスクが高いのは株でしょうか、それともFXでしょうか? ここでは、そんな疑問について答えていきます。

2-1.株式投資の難易度とリスク

株式投資で儲ける手法は、大きく分けて2種類あります。一つは企業の業績などを分析し、将来を予測して投資する方法(ファンダメンタル分析)。もう一つは、株価の値動きそのものを分析して将来の株価を予測する方法(テクニカル分析)です。

株のファンダメンタル分析の難易度とリスクは、あなたが取引きしようとしている株(企業)のことや、業界にどれだけ精通しているかによって変わってきます。例えば、あなたが自動車業界をよく知っているなら、どんな自動車作っている企業が、今後業績を伸ばしてくるかがわかるかもしれません。

ファンダメンタル分析が中・長期の予想に適したものとすれば、テクニカル分析は短期的な株価の予想に向いているといえるでしょう。テクニカル分析は株価の動向を探るのに有効なものですが、必ずしも当たるものではありません。また、売るか買うかはあなたの意思で決められます。
難易度はともかく、リスクはあなたがどのくらい損失が出たら決済するかを決めることで限定できます。

そして、ファンダメンタル分析、テクニカル分析のどちらを用いようと、株の一番のリスクは倒産リスクです。倒産すれば、当然資産価値はゼロになります。特に長期で株を保有するなら、倒産リスクの少ない株を選ぶことが大切です。

2-2.FXの難易度とリスク

おそらくFXは、株よりも短期的に多くの損失を出しやすい投資です。なぜなら、先に説明したように、レバレッジをかければ、株よりも8倍以上の大きなお金を動かすことができるからです。FXに熟達しているならともかく、まだ慣れていない時に、より多くのお金を儲けようとしてレバレッジをかけ、取り戻せないほどの資金を失ってしまうケースが多いです。

とはいえ、FXで多く取引きされているメジャー通貨、例えばドル・円やユーロ・ドルは、比較的値動きが素直で、株式投資で紹介したようなテクニカル分析が当てはまるケースも多いです。テクニカル分析のみを用いるなら、株よりもFXの方が向いていると言えます。

なぜテクニカル分析が通用しやすいかといえば、株よりも圧倒的に市場参加者が多いからです。テクニカル分析には、統計学も含まれています。統計であるなら、参加者の数が多いほど、パターン通りに動く可能性が高いということです。

FXの最大のリスクは、実を言えばメリットにも見えるレバレッジです。より多くのお金を儲けたいという欲が、高いレバレッジをかけるような行動を助長し、その結果大きなリスクをとることになってしまっているのです。

2-3.株とFXのリスクは実は同じ

では、株とFXのどちらがリスクが高いのかといえば、どのような取引きをするのかによって変わってきますが、あなたが損失を限定するような取引きすることができるなら、リスクはどちらも同じにできます。つまり、どのくらい損失が出たら、諦めて決済するかということをあらかじめ決めることができるなら、あなた自身でリスクを決めることができるということになります。

これを損切りと言いますが、損切りができない人が特にFXを取引きしている人に多い気がします(FX会社の顧客取引き状況を見る限り)。損切りを覚えるだけで、その他大勢から抜け出すことができるはずです。損切りについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、目を通してみてください。

損切りとは?本当の意味や株・FXでの目安やタイミング、ルール設定を解説

3.株とFX結局どっちがおすすめ?


株とFXのどちらがおすすめかでしょうか。それは、あなたが何を拠り所にして投資したいかで変化します。より多くのお金を短期的に得たいなら、高いレバレッジがかけられるFXの方が向いているといえますが、それは逆により多くのお金を失うリスクもあるということになります。そこで、この記事で紹介したことも含めて、どんな人が株式投資に向いているか、あるいはFXに向いているかを挙げてみましょう。

3-1.株式投資に向いている人の特徴

・他人よりも詳しい業界がある人
・短期的な売買よりも、比較的長い期間の売買がしたい人
・企業の分析が苦にならない人。むしろ楽しめる人

3-2.FXに向いている人の特徴

・テクニカル分析を主体にして取引きしたい人
・比較的短期で取引きしたい人
・状況に応じて、レバレッジを制限できる意思の強さを持つ人

4.FXと株VS仮想通貨|仮想通貨は本当に儲かる?


あなたは、最近、注目されているビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨にも興味を持っているかもしれませんね。ではFXや株と仮想通貨を比べるとどんな違いがあるでしょうか?

仮想通貨には、値下がり・値上がりのリスクだけでなく、取引所の脆弱性のリスクがあります。それがFXや株との一番の違いです。
仮想通貨自体は堅牢でも、取引所自体が脆弱であれば、あなたの利益が一瞬にして消えてしまうリスクがあります。実際に韓国などでは、取引所が頻繁にハッキングされる事件が起こっています。こうしたハッキングに対応できている取引所が、仮想通貨の世界に本当にあるのか、私は疑わしく感じています。

けれど、FXの取引き会社や株を扱う証券会社が、ハッキングされたという話は聞いたことがありません。仮想通貨は値動きが非常に読みづらいということもありますが、こうした取引所の脆弱性のリスクがある限り、仮想通貨を取引きするよりはFXや株を取引きすることをおすすめしたいです。

5.株式投資、FXのどちらにも必要な特性は?


株式投資もFXも同じ投資ですから、当然両者に必要な特性は共通しています。3章で紹介した特徴は下記を前提にしたものです。

では、両者に共通する儲けるために必要な特性とはどんなものでしょうか? 

・感情に引きづられない人
・勉強熱心で常に分析し続けられる人
・失敗を素直に認められる人

どうでしょうか? あなたは投資に向いているでしょうか? もしあなたが「自分には自信がない」と感じるなら、私はFXも株式投資もおすすめしません。なぜなら、大切な時間を使った結果、大金を失ってしまう可能性が高いからです。

しかし、上記を読んで「自分には向いている」あるいは「ぜひその特性を身につけて投資で利益を得たい」と考えるなら、ぜひ初めてみて欲しいです。ただし、最初は少額から。勉強させてもらうつもりで取引きしてみることをおすすめします。

FXや株で本気で稼ぎたいなら、以下の記事を参考にしてみてください。実際に著者が読み、有益だった本を紹介しています。後でもっと早く読んでおけばよかったと思える書籍ばかりです。

FXおすすめ本11選|本気で投資で稼ぎたい初心者が独学で学ぶための書籍