スワップとは|FXのスワップポイントの計算や比較、金利で稼ぐ方法を解説
スワップ(英語:swap)とは、日本語にすると「交換」という意味です。FXでスワップという言葉を使うときは、主に「スワップポイント(金利差調整分)」のことを指します。
スワップポイントとは、FXで通貨を取引きをしたときに、二国間の金利を受け取ったり差し引かれたりする利息のようなもののことです。これにより、FXでポジションを保有しているだけで、1日ごとに金利分の利益を得たり、逆に損失が出たりといったことが起こります。
この記事では、FXに興味を持っているなら、知っておいて損はないスワップポイントについて解説します。金利差の意味や、スワップポイントの計算方法や税金についてなど、知らないで取引きをし続けて、後で後悔しないためにも、この記事でしっかり学習しておきましょう。
■目 次■
1.スワップポイントとは|わかりやすく解説
前述したようにスワップの、FXでの正式名称はスワップポイント(スワップ金利)です。FXでは「ドルと円」「ユーロとドル」といったように通過がペアになっています。そして、それぞれの国では金利が異なっています。
簡単に言えば、金利が高い国の通貨を買うポジションを持っていると金利が毎日もらえ、反対に売るポジションを保持していると毎日金利分のお金を取られてしまうということです。
1-1.スワップポイントの意味を簡単に教えます
日本の「円」の政策金利がいくらか知っていますか? 答えは-0.10%で、マイナス金利です。アメリカのドルは0.25%で、欧州のユーロは0.00%。政策金利が恐ろしく高い国としてトルコのリラはなんと19.00%、メキシコのペソは4.00%です。(2021年3月の数値)
金利差の計算方法は簡単です。式にすると以下のようになります。
A国の政策金利−B国の政策金利=金利差
たとえばアメリカのドルと、日本の円の通貨ペアである「ドル・円」であれば、
0.25(米国の政策金利)−(−0.10(日本の政策金利))=0.35
となりますから、金利差は0.35です。
この数字が、スワップポイントを算出するためのもとになります。
1-2.スワップポイントの計算式と算出方法
スワップポイント の計算方法は、FXの業者により違いがありますが、以下のかたちで算出するのが基本です。
1日のスワップポイント=(為替レート × 保有通貨数 × 金利差×100) ÷ 365日
為替レートというのは、現在の通貨ペアの価格です。保有通貨数とは一般的なFX業者であれば、1枚は1万通貨です。金利差は、上記の1-1で紹介した通りです。
上記はあくまで基本となる計算式なので、あなたが契約しているFX会社では別の方法で計算したスワップポイントを提示していることもあります。ホームページ等で確認しましょう。
そこに書かれている金額がたいていの場合、1万通貨(1枚)を保有した際の1日のスワップポイントです。ただし、FX会社によっては異なる場合もありますので、念のため注意書きなどを確認することをおすすめします。
2.スワップポイントはいつ貰えるのか?税金は?
2-1.スワップポイントで時間と共にお金を得る
たいていのFX業者では毎日、スワップポイントが口座に反映されます。デイトレードなどの短期売買ではあまり影響はありませんが、長期トレードの場合には通貨間でどれだけ金利差があるかということが、資産形成に大きく影響することになるでしょう。
つまりスワップポイントがもらえるポジションを保有していれば、何もしないでも時間共にお金が増えていくということも起こりえます。しかし、スワップポイントが差し引かれるポジションを保有している場合、時間と共にどんどんマイナスになっていくことでしょう。
2-2.スワップポイントに税金はかかるのか?
FXでは、儲けた額の20%の税が課されますが、スワップポイントもその対象になります。ですから、スワップポイントで稼いだ額にもきっちり20%の税金がかかります。
しかし、たいていのFX業者では、決済したポジションのみが、スワップポイントにおいても課税の対象になるというルールにしています。つまり、決済しなければ(ポジションを手仕舞いしなければ)、スワップポイントに税金はかからないとしているFX業者が多いです。しかし、未決済のポジションのスワップポイントも、課税対象としているFX業者もありますので、気になる方はコールセンターに問い合わせてみるのが手っ取り早いです。
3.スワップポイントで金利生活も夢じゃない?
FXで稼ぐ一般的な方法は、売買することです。たとえば、ドル・円のレートが100円の時に買いポジションを持ち、110円になったときに売るなどです。
しかし、売らずに保有していたらスワップポイントがついて、ポジションの大きさによってはスワップポイントだけで、生活できるのではないか、とあなたは考えているかもしれません。こうした、スワップポイントを目的とした取引手法は「スワップトレード」と呼ばれます。
3-1.スワップトレードで稼ぐにはどうすればいいの?
ドル・円の金利差は0.25%、日本の金利は-0.10%です(2020年3月現在)。
ドル・円を買うと1年で0.35%の金利がつくということになりますが、現実にはFX会社によってその数値は異なります。
ドル・円であれば高いFX業者だと、1万通貨のロングポジションを持っていれば、一日約8円のスワップ金利が受け取れます。
10万通貨を持っていれば一日80円。けれど、この金額だと金利生活は難しそうです。
ではレバレッジを高くしたら、儲けられるんじゃないかと思うでしょう。しかし、スワップ狙いで、レバレッジを高くすることはおすすめできません。なぜなら、少しの為替変動で、強制的にロスカットされてしまうからです。スワップ狙いなら、レバレッジ1倍から高くしても2倍までにとどめるべきです。
3-2.政策金利がすごいトルコリラで本当に稼げるの?
では、もっと金利が高い通貨を狙ったらどうでしょう。スワップポイントで稼ぐための通貨として、南アフリカランド・円がよく話題に上がります。
金利が高い通貨は他にもありますが、南アフリカランド・円はどこのFX業者でもたいてい扱っているからです。しかし、値動きも荒いことで話題にも上がっています。2016年1月には、わずか20分ほどで、価格が13%も下落しました。
そして、さらに政策金利がすごいトルコリラは、値動きが読みづらい通貨としても有名です。そして、ドルや円やユーロなどと比べて、流動性が低いので値動きも荒いです。
あくまで私の感覚ですが、スワップポイントを狙って、こうした通貨を持つのは、かなりリスクが高いのではないかというのが今現在の考えです。もっと安定していて情報量も多い主要通貨を売買することで、確実に利益を得たほうが、資金効率がいいのではないかということです。
4.スワップポイントは今は予備知識でOKだが今後は?
私は、FXでは主にキャピタルゲインで利益を上げてきました。スワップポイントは入ればラッキーくらいの感覚で取引きをしてきましたが、それで特に困ったこともありません。
スワップポイントがマイナスになる場合でも、積極的に売ってきました。確かにスワップポイントで幾らかお金が引かれているのですが、それ以上に売買で上げる利益が多いため、気にもとめていませんでした。むしろ、「スワップ金利のことなんて考えていたら、売買のチャンスを逃がしてしまう」、それくらいの感覚でした。
ですから、あなたがスワップを主体にした取引をしたいということでなければ、チャートの知識やテクニカルに熟達したほうが、利益を出せるチャンスが広がります。何を主体に考えるかで、あなたの稼ぐ額は変わってきますし、どこをポイントに学ぶかでどれくらいの効果を見込めるかも変化していくでしょう。
とはいえ、アメリカが利上げを繰り返していた時代には、主要通貨であるドルが絡んだ取引き(たとえばドル・円やユーロ・ドルなどです)をしていると、「やけにスワップポイントがついているな」ということ感じることもしばしばでした。ですので、各国の利上げ情報などには、常に目を光らせておく必要があるでしょう。
あらゆる考え方は、どれが正解ということではなく、時代とともに変わっていきます。そして、それを見抜けるのは自分の頭で考えられる人だけなのです。
なお、スワップで稼ぐにしても取引で稼ぐにしても、税金のことは頭にいれておかなくてはなりません。以下の記事ではFXの税金について、詳しく解説しています。確定申告や節税の仕方など、知っておいて損のない知識が満載です。