FXや株のシンプルな鉄板手法はピラミッティング|増し玉や資金管理を解説


FXや株の取引において最も短期間で、億万長者になるにはどんな手法を使えばいいでしょうか。私なら、この問いに、まず一番にピラミッティングを挙げるでしょう。ピラミッティングは英語圏では、「pyramiding」と表記され、商品相場などでは「のせあきない」とも呼ばれた世界的にメジャーな手法です。

ピラミッティングは、非常に強力な手法ではあるものの、本当に使いこなしている人にはあまりお目にかかりません。多くの人は、もっと細かなポイントに目を奪われて長期的な利益を逃しているようにさえ見えます。実際、成功した投資家の多くはピラミッティングや、それに近い手法を駆使して利益を積み上げてきました。

そこで、この記事ではピラミッティングの本当の意味や、その種類、実際の運用方法などについて解説します。この記事が、あなたの利益につながることを願ってやみません。

1.FX成功者のシンプルな鉄板手法がピラミッティング


まず、ピラミッティングがどういうものなのかという本質的な意味や、なぜそれが有効なのかについて解説しましょう。最初に意味を取り違えていたり、誤解して覚えていたら、その後の理解が浅くなってしまします。ぜひ、気合いを入れて読み進めてみてください。それが後の、大きな利益につながっていきます。

1-1.ピラミッティングとは|FXや株で最速で億を稼ぐ最強手法

ピラミッティングとは、相場の動きに合わせて、ポジションを増やしていく手法です。たとえば、上昇相場の場合、レートが上がって利益が出たら、元のポジションはそのままに、さらに買い増しを行います。そして、さらにレートが上がれば、同じように利益を確定せずに、買いポジションを増やしていきます。

ピラミッティングの基本形は、株であれば最初に6000株を買ったとしたら、次に買い増しするときには3000株、さらに買い増すときには1500株と、買い増す量を減らしていくのが一般的です。その買い増す形がエジプトのピラミッドにたとえられ、ピラミッティングと呼ばれるようになったのが言葉の由来です。

1-2.ピラミッティングの逆が下手なナンピン

ピラミッティングと意味が似た言葉に、ナンピン(難平)があります。でも、その行動や効果は全く逆になります。ピラミッティングがレートが上昇して含み益が出たときに、買い増すのに対して、ナンピンではレートが下降して含み損が出たときに買い増します。

そもそもナンピンには、難を平らにという意味があり、取得平均値を下げる働きがあります。ですから、うまく相場が反転すれば、比較的早期に、ポジションがプラスに圏内に戻ることが多いです。しかし、トレンドが生まれ、レートが戻らない事態も十分に起こり得ることです。そんなとき、ナンピンを続けるとマイナスポジションを積み増すことになり、大きな損失が出てしまいます。

ですから、ナンピンをすれば勝率自体は上がりやすいのですが、その分負けたときに大きな損失を出しやすくなります。イメージとしては、ナンピンは、10回のトレードのうち、9回は小さな勝ちを拾い、1回の大きな負けで利益を吹き飛ばしてしまうという感じになりやすいのです。

1-3.ピラミッティングは超攻撃的なトレンドフォロー

上記のように、ナンピンは勝率自体は上がりやすいですが、負けたときに一気に利益を吹き飛ばしてしまいやすいです。その反対が、ピラミッティングです。つまり、ピラミッティングを狙うと勝率は下がり、損切りも増えるでしょう。でも、大きな波に乗れたときに、一気にプラスに持っていける、超攻撃的なトレンドフォロー型の手法と言えます。

多くの人は、勝率を上げたら儲かると考えます。けれど、勝率を上げるために大きな損失を負うリスクを常に抱えていたのでは、結局、最後には大損してしまうでしょう。本当の目的は勝率を上げることではなく、最終的に大きな利益を残すことです。ピラミッティングを身につければ、小さな負けがかさんでも、1回の取引でトータルの収益をプラスにすることが可能になります。

2.単純だが奥の深いピラミッティング手法の種類


一口にピラミッティングといっても、いくつかの種類があります。ここでは、様々なピラミッティングと、その特徴や難易度について見ていきましょう。基本的には、買い(ロング)のケースで書いています。売り(ショート)の場合でも、考え方は同じです。

2-1.基本のピラミッティング

ピラミッティングの基本形は、スケール・ダウンという手法です。これは、最初のポジションから株数や通貨量を減らしながら、ポジションを増やしていきます。基本的には、株数やロット数を半分ずつ減らしながら買い進めていく方法が主流です。変則的なものに、最初は5000株を、次に3000株、最後に1000株というふうに、5、3、1の比率で買い進めていく方法もよく見かけますが、これもスケール・ダウンです。

ピラミッティングを身につけたければ、まずスケールダウンから練習するといいでしょう。なぜならピラミッティングの中では、成功率が高いからです。3章で、スケールダウンの具体的なやり方を解説します。

2-2.長方形型ピラミッティング

スケールダウンが、株数や通貨量を減らしながらポジションを増やすのに対して、長方形型ピラミッティングでは、同じ株数や通貨量でポジションを増やしていきます。具体的には、最初に2000株のポジションを取ったら、次にポジションを増やすときも2000株、そして利益が出てさらにポジションを買い増すときも2000株というふうに、同じ株数でポジョンを取っていきます。2000株という数字には特に意味がなく、あなたの資産状況に応じて、1000株でも5000株でも構いません。とにかく同じ株数や通貨量で、ポジションを増やしていく手法です。

2-3.逆ピラミッティング

逆ピラミッティングは、基本のピラミッティングと逆の発想で買い進めていきます。すなわち、最初のポジションから株数や通貨量を増やしながら、ポジションを増していきます。例えば、最初は2000株を買った後、次は4000株、次は6000株というふうに買い増していくのです。

1、3、5の比率で買い進めていく手法もよく見られます。この場合、株であれば最初にポジションを取るのは1000株だけですから、思惑が外れたときに損切りする際に、最小の損失で済むというメリットがあります。ただし、買い進めていく中で、相場が反対方向に動いた時に、一気にマイナスになるリスクも常にあります。ですから、難易度としてはかなり高めです。

2-4.リフレクティングピラミッティング

リフレクティングピラミッティングは、利益が出たらその都度ポジションを決済しながら買い上がる手法です。ピラミッティングの中では最も安全を重視した手法です。
 
リフレクティングは、買い上がりつつも利益確定をするので、他のピラミッティングと比較するとリスクは小さいと言えます。ただし、さらに相場が伸びた場合、得られる利益は小さくなります。 

3.ピラミッティングの増し玉やエントリー方法


この章では、基本のピラミッティングであるスケール・ダウンを例に、エントリーの仕方や建て玉の増やし方などについて解説していきます。ピラミッティングは、成功するまで苦労することが多いですが、決まればすごく気持ちいいというか達成感が得られますよ。

3-1.ピラミッティングのエントリーの考え方

スケールダウンのピラミッティングで、最初に6000株、2回目に3000株、3回目に2000株を買うというシナリオで考えてみましょう。ピラミッティングが成功すれば、全部で10000株を保有することになります。まずチャートを分析して、十分な値上がりが期待できる位置で6000株を買います。この十分な値上がりが期待できるという考え方が重要で、短期ですぐに利益を確定するイメージで最初のポジションを取らないということです。つまり、トレンドの初動と考えられる位置で最初のポジションを取るのです。

当然、トレンドの初動を捉えるのは難しいです。ですから、最初のポジションを取って思惑通りに動かなければ、損切りするのも一つの選択肢です。でも最初に取るポジションは、6000株ですから、いきなり10000株を保有するよりも、損切りの際の損失額は低くなります。これがピラミッティングをはじめとした、分割売買の利点です。そして、分割して買い上がっていくことに慣れてくると、相場の動きを感じ取りやすくなるというメリットもあります。

3-2.ピラミッティングの増し玉

上記のように6000株を買って思惑通り相場が動き、ポジションに利益が乗ってきたら増し玉です。増し玉のポイントは、最初に6000株を買った位置に損切りを置いたとして、その倍以上の利益が見込めるかどうかを基準にしてください。

ここで、損切り目安の2倍以上の利益が見込めなさそうだと考えるなら、無理して増し玉を入れずに最初に買った6000株を利益確定するのも一つの選択肢です。ピラミッティングをはじめとした分割売買の利点は、このように相場の動きに合わせて常に選択肢を持てるということです。

例えば、いきなり10000株を買ったとしたら、どこで利益確定するかという選択肢しかありません。つまり、いきなり10000株買うというケースでは、一度ポジションを取ってしまうと、あとは相場の動きに身をまかせる他なくなってしまします。

しかし、ピラミッティングの場合、「利益確定するか」「増し玉するか」という、少なくとも2つの選択肢を持つことができます。相場は、いつ何が起きてもおかしくない場所です。ですから、常に選択肢を持てるようにしておくことが、長く生き残るうえでとても重要なのです。

増し玉の成功イメージとしては、状況に応じてアクセルを踏み込んでいくようなイメージです。1900年代初頭に活躍した大相場師ジェシー・リバモアは、「最も抵抗の少ないところでポジョンを取れ」と言いましたが、まさにこの感覚です。建玉に利益が乗ってきて、さらに上に抵抗がないなら増し玉していく。この感覚は、いくつも取引をしていく中で身についていきます。

3-3.ピラミッティングの資金管理

ピラミッティングは、成功すれば大きな利益になりますが、反面失う時は一気に利益を失います。こうした危険性も伴う手法ですから、資金管理は万全にしておきたいところ。

ピラミッティングの資金管理には色々な考え方がありますが、ここでは安全性を重視した方法を紹介します。ピラミッティングは、一歩間違えば大きな損失につながることもあります。ですから、なおのこと安全性を重視すべきだというのが私の考えです。

まず最初のポジションを取って思惑と外れたら、通常の取引と同じように損切りを入れるのは言うまでもありませんね。問題はうまく利益が乗って、増し玉したときにどこで損切りを入れるかです。私の場合、1回目にポジションを取った位置を割ったら、完全に自分の考え違いだと認めて損切りを入れるようにしています。こうすれば、損失は最悪、増し玉分の損失だけで済みます。スケールダウンのピラミッティングの場合、増し玉のポジション量は少なくなっているはずですから、初動で損切りするよりも少額の損切りになるでしょう。

もっと安全性を重視したいなら、増し玉も合わせた全てのポジションの損益が、プラスマイナスゼロになったら損切りするという方法もあります。そうすれば、損切りの心理的な抵抗がかなり少なくなります。だだし、このように安全を重視すれば損切りに引っかかる確率も高くなります。その点は、自分がどのくらいリスクや損失を許容できるか、どの程度損切りに慣れているかで、調整してみてください。

3-4.考え方によってはFXハイレバピラミッティングもOK

上記のように、きちんと損切り位置を決めて取引でき、リスク管理を万全な状態にすることができるようなら、FXなどでハイレバレッジのピラミッテイングをしてみるのも一案です。うまくトレンドに乗れば、短期間で大きな利益を得られます。ただし、大きなトレンドに乗れるのは平均して10回に1回程度です。そのため、ハイレバレッジで取引してしまったばかりに、大波に乗る前に資金が尽きてしまうということも、頻繁に起こっていると知ったうえで取引してください。

ハイレバピラミッティングに向いているのは、最初のポジションを取った時にプラスになる確率が高い人です。小さな波を読むのに長けているということですから、小さな波に乗り、損切りや利益確定を繰り返しているうちに、そのうち大きな波に乗れるというイメージです。でも、これは考えている以上に根気がいる作業ですし、心理的にもきついです。しかし、大きく稼ぐ人は、こうした作業を繰り返しているのです。

4.ピラミッティングはデイトレにも使えるか


ピラミッティングを、デイトレやスキャルピングにも応用したいと思っている方は多いと思います。とはいえ、ピラミッティングは本当に、デイトレやスキャルピングにも有効でしょうか? ここでは、私自身の体験談をもとに解説していきます。

4-1.ピラミッティングはスキャルピングには不向き

まず、ピラミッティングは、スキャルピングのような超短期トレードには向いていません。なぜならスキャルピングは大きなトレンドを掴むというよりは、かなりタイトな損切りを設定しつつ、小さな利益を狙うのがコツだからです。このような取引で、ピラミッティングをしようとすれば、多くの場合損切りばかりが、かさんでしまう可能性が高いです。

同様の理由で、私自身はデイトレードにもピラミッティングは不向きだと考えています。もちろん、スキャルピングでピラミッティングを狙うよりは、成功確率は高くなりますが、デイトレで狙う利益はFXならせいぜい20〜50PIPS程度です。その時の相場の状況にもよりますが、このような中で増し玉を入れるのはかなり難易度が高いと考えます。

4-3.ピラミッティングはスイングから中長期で威力を発揮

ピラミッティグが有効性を発揮するのは、やはりスイングから中長期トレードにおいてです。株でもFXでも主に日足チャートを使い、増し玉を入れていくのが成功率が高いでしょう。

5.リバモアからcisまで短期間で巨万の富を生み出す手法


いかがでしたでしょうか。ピラミッティングの有効性が、何となく理解できたのではないでしょうか。後はつもり売買でもいいので、実際のチャートを見て、自分ならどこで増し玉するかを研究してみてください。

文中に挙げた、伝説の相場師ジェシー・リバモアは貧しい農家に生まれ、ろくな学歴もないまま家を飛び出して、たまたま就くことができた証券会社の黒板書きの仕事から、相場に対する理解を深めていきました。そのリバモアがギャンブラーから本当の相場師になれたのは、ピラミッティングのような分割して売買することを覚えたからだと言われています。また、学生時代から投資をはじめ、230億円もの資産を築いた現在の日本の投資家cis(シス)も、長方形ピラミッティングで利益を稼ぎ出したと言われています。