投資信託とは?仕組みやメリット・デメリットやリスクをわかりやすく解説


あなたは、これから投資信託を始めたくて、この記事を開いてくれたのかもしれません。そのために、投資信託のメリット・デメリットを探っているというケースもあるでしょう。

この記事では、投資信託がどんな仕組みで運営されているのかや、始める上での注意点などについて解説します。投資信託について、私が知っている事実のみを客観的な視点で紹介しますので、ぜひこの記事で投資信託のことを知り、始めるのかやめるのかの判断材料にしていただけるとうれしいです。

1.投資信託 とは何か?仕組みをわかりやすく解説


最初に投資信託とは実際どんなものなのかや、仕組みなどについて紹介していきましょう。また、参考までに、投資信託の歴史についても触れてみましょう。

1-1.投資信託とは?簡単に意味を理解

投資信託とは、多くの人から集めたお金を専門家が株式投資などで運用し、得られた利益を出資者に分配する金融商品の総称です。投資信託はファンドと呼ぶこともあります。

1-2.投資信託の仕組み

投資信託は、投資信託会社によって作られます。投資信託会社は投信と略されることも多いです。具体的な会社名を挙げると、三井住友DSアセットマネジメントや野村アセットマネジメント、ゴールドマン・サックス・アセットマネジメントなどが投資信託会社です。投資信託という金融商品の販売そのものは、主に銀行や郵便局、証券会社などで行われます。

販売して集めた資金は、信託銀行に保管されます。信託銀行とは、お金や株式などの財産を法的に移転でき、目的に応じて管理・分配してくれる信託行為ができる銀行のことで、例えば三菱UFJ信託銀行や三井住友信託銀行などです。なぜ信託銀行に集めた資金を移転するかというと、自らの資産と分けて投資信託で保管・管理することで、万が一、資産を運用する投資信託会社や販売会社などが経営破綻しても、投資家の資産を守るようにするためです。

1-3.投資信託の歴史

世界初の投資信託は、1868年に誕生したイギリスのフォーリン・アンド・コロニアル・ガバメント・トラスト(The Foreign and Colonial Government Trust)という会社です。ちなみに、トラスト(Trust)とは、信託という意味です。

実は、フォーリン・アンド・コロニアル・ガバメント・トラストの誕生以前にも、お金を集めて株などに投資する組織は存在しました。しかし、集めたお金を様々な投資先に分散して投資したのは、フォーリン・アンド・コロニアル・ガバメント・トラストが初で、現在の投資信託と同じ発想で顧客の資産を増やしたことが初の投資信託と言われる所以です。この投資信託は名前を変えて、現在もフォーリン・アンド・コロニアル・インベストメント・トラスト(The Foreign and Colonial Investment Trust)として存在しています。

日本では、1951 年に証券投資信託法が施行し、第 1 回ユニット型投資信託の募集が行われたことが投資信託の始まりです。世界最初の投資信託から、約80年遅れての誕生でした。

ところで現在、投資信託が盛んな国はどこだかわかりますか? 2019年6月の投資信託残高で見てみると、アメリカがダントツの1位です。2位がルクセンブルク、3位がアイルランドと続きます。
4位がドイツ、5位がフランスで、オーストラリアが6位です。
日本はその次に位置して、世界第7位。投資信託発祥の地である英国が9位なので、日本は意外と投資信託が盛んな国と言えます。

2.投資信託のメリットとデメリット


1章で投資信託とは、大体どんなものなのかということは理解できたのではないでしょうか。でもいくら投資信託の意味や仕組みを知ったところで、それで本当に儲かるのかということには疑問符が付きますよね。そこで、この章では投資信託のメリットとデメリットを解説しましょう。

2-1.投資信託のメリット プロに任せて利益を得る

投資信託のメリットと聞くと、専門家が資産を運用してくれるということが、まず最大のメリットだと考える人が多いでしょう。確かに、それも大きなメリットなのですが、それ以上に大きな利点があります。それは、投資信託ではプロが運用しているだけに、きちんと分散して投資してくれるということです。

個人で株を買う場合、惚れ込んだ銘柄に集中的に投資する人が多いです。企業を応援するという意味では、それでもいいのですが、利益を得るという意味では正しい行動とは言えません。なぜなら、集中して投資した銘柄が倒産でもしようものなら、一気に資産を失ってしまうからです。

ですから、多くの専門家は様々な銘柄に分散して投資しています。そうすることで、仮に一つの銘柄で大きな損失が出たとしても、その他の利益が出ている銘柄でカバーできるのです。

しかし、個人でこのような分散投資をしようと思ったら、かなりの資金が必要になります。また、調子のいい銘柄をもっと買えばもっと儲かるという誘惑にも、打ち勝たなければなりません。このようなもっと儲けたいという気持ちから、一つの銘柄に集中投資する誘惑から逃れるには、相当訓練された人でないと案外難しいものです。

2-2.投資信託のデメリット 元本保証はない

投資信託について何も知らない人は、資金さえ渡せば、あとは勝手に専門家が運用してくれると考えているかもしれません。けれど、投資信託では専門家に運用してもらっているのだから、その行為に対して対価を支払う必要があります。そして運用してくれることに対価を支払っていたとしても、運用実績が上がらないこともあります。その場合は、購入額よりも売却額が下回る可能性もあるのです。つまり元本保証はないということ。

どこの誰だかもわからない専門家に大切な資金を預けた上、運用してもらうにもコストがかかり、仮にその専門家が投資に失敗したら損失を被るのはあなただということです。こう聞くと少し微妙な感じがしませんか。

その感覚は正しいです。実は、金融業界にいる人のほとんどは、投資信託で資産を運用していないと言われています。その理由の一つに、投資信託は絶対的な利益を目標としているわけでないということが挙げられます。彼らは、相対的な利益を目指しています。相対的な利益とは、日経平均などのトピックスが値上がりに対して、自らの運用実績が上回っていれば成功と捉えるということです。

つまり、運用実績がたとえマイナスでも日経平均などのトピックスが下落していた場合、「それを上回っているんだから成功だよね」という論理が通用する世界なのです。
 

3.投資で本当に儲けたいならうまい話はないと思え


あなたが投資で本当に儲けたいなら、うまい話はないと思った方がいいです。仮にあなたに有力なコネクションがあり、その人が本当に信頼できる人なら融資すれば儲けになるかもしれません。

でも、投資信託にせよ、巷に溢れている儲け話は、あなただけに向けられたものではありません。あなたは単なるお客さんの一人です。多くの人に向けられた儲け話は、リスクとリワードのバランスが取れていないことも多いのです。他人の失敗までもあなたが取らなければならないといった、不利な契約をしなければならないものもあります。でもそういった事実は、表に出てきづらいのです。

あなたが本気で投資で稼ぎたいなら、皆がやっているとか、あの人が言っているからということで判断するのではなく、自らで考え良し悪しを判断できる目を持たなければなりません。