FXのベアとブルとは?意味や由来、手法や両方持つ両建て手法までを解説


FXでベア(Bear)というときは、主に売り勢力のことを指しています。買い勢力のことは、ブル(Bull)と言います。
この記事では、ベアとブルの詳しい解説や、言葉の由来を紹介。また売り勢力と買い勢力の考え方を使った、FXでの戦略についても詳述します。

1.FXのブルとベアの意味と由来とは


ここでは、FXにおけるブルとベアの意味や、由来を紹介します。由来まで知っていると、その言葉の本来の意味をよく理解できますよ。

1-1.ベアとは何か?その由来はクマ

FXだけでなく株や商品などの市場では、現在が強気相場なのか、弱気相場なのかは永遠の関心ごとです。下げ圧力の強い時は、ベア(Bear)と表現します。その由来は、相場の下落を、クマが敵を攻撃する際に、腕(前足)を振り下ろす様子にたとえたものです。

クマといってもヌイグルミのような可愛いクマさんではなく、ヒグマのような凶暴なクマをイメージしてください(笑)。熊が鋭い爪を持った腕を振り下ろす様子は、いかにも相場が勢いよく下落しているようなイメージを喚起させますよね。

1-2.ブルとは何か?ウシをイメージ

売り圧力のことはベアと表現すると上記で述べましたが、反対に買い圧力のことはブル(Bull)と言います。これは、相場の上昇をウシがツノを突き上げる様にたとえたものです。

ウシというと、日本では牧場にいる白と黒の穏やかなウシをイメージするかもしれません。でもここでのイメージは、アメリカ大陸に生息する鋭い角を持つバイソンです。

1-3.FXでのブル・ベアの言葉の使用法

ブルとベアは売りと買いの圧力のことを指すと同時に、現在が弱気相場なのか、強気相場なのかを言い表す場合にも使用されます。弱気相場とは、下落傾向にある相場のことで、強気相場とは上昇傾向にある相場のことです。

「今のドル・円はベアだ」といえば、現在は下落トレンドが出ているということです。反対に「今のユーロ・ドルはブルですね」と言われたら、上昇トレンド傾向だという意味です。

また、「ブルが勝利した」などと表現されることも多いです。これは売りと買いが拮抗した相場で、その均衡が崩れて、一気に上昇に転じた時に使用されます。反対に、均衡が崩れて一気に下落した場合は、「ベアの勝利」と表現できます。

2.FXのブルとベアに注目した手法


1章で紹介したように、ブルとベアはそれぞれ、売り圧力と買い圧力を表しています。この売り圧力と買い圧力を計測することができれば、トレードにおいて非常に有利になると思いませんか? この章では、このような売りと買いの、それぞれの圧力を測る手法について解説してきましょう。

2-1.FXのブル・ベアの測り方と仕組み

ブルとベアの勢力を測る一般的な手法の一つとして、移動平均線が挙げられます。移動平均線はどの期間を使うかなど、使用者によってバラツキがあるという欠点はありますが、ブルとベアの傾向を視覚的に掴みやすい優れたテクニカルといえます。

では、移動平均線を使って、どうやってブルとベアを見分けるのでしょうか?
最も単純で簡単なのは、移動平均線の傾きを見ることです。移動平均線の傾きが上向ならブル傾向、反対に下に向いていたらベア傾向と見ることができます。また、方向感が出ておらず、移動平均線が横ばいなら、ブルとベアが拮抗していると見ることができるでしょう。

もう一つの見方として、現在価格を表すローソク足が、移動平均線の上にあるのか下にあるのかで、ブル傾向なのかベア傾向なのかを測る方法もあります。ローソク足が移動平均線の上にあるなら、平均値より価格が上にあるということですから、ブルの勢力が強いといえます。また、ローソク足が移動平均線の下に位置しているなら、平均値より価格が下にきているわけですから、ベアの勢力がブルを圧倒していると見ることができます。

2-2.FXのベアのやり方

上記の移動平均線を使って、ベアのやり方について解説しましょう。
まず、どの期間の移動平均線を使うのかという問題がありますが、FXの日足であれば経験上、75日移動平均線が結果が良かったです。ただし、これは時期や相場環境にもよります。直近で75日移動平均線が機能しているのか、機能していないならどの期間なら機能するのかを見極める必要があります。75日移動平均線以外の候補としては、21日移動平均線、100日移動平均線、200日移動平均線あたりになるでしょう。ただし、あまりにも使っている人が少ない期間の移動平均線だと全く意味がありません。移動平均線は他にも大勢の人が同じ期間の移動平均線を見ているという前提があるから、機能するのだということを覚えておきましょう。

次に、日足でトレードするなら、それよりも上位足の移動平均線を見ます。日足であれば、週足ですね。あるいは1時間足でトレードするなら、4時間足を上位足として見るのが適当です。上位足では現在の移動平均線の傾きを主に見ます。上記で説明したように、上に傾きが出ていれば、ブル傾向。下に傾いていればベア傾向です。ここではベアのやり方を解説するので、この上位足が下向きになっている時だけショートのエントリーの準備をします。

上位足の移動平均線の傾きが下向きなら、次はトレードする期間のチャートを開きます。トレードする期間のチャートでも移動平均線が下向きなら、ベア傾向が強いといえます。ここでエントリータイミングをはかります。

エントリー時は、主に移動平均線とローソク足の位置関係に着目しましょう。つまり、移動平均線より下ならベア傾向と見ることができますから、エントリーは必ず移動平均線よりローソク足が下に位置しているときにします。とはいえ、あまりにもローソク足が移動平均線から離れている場合は、一時的に反発することも多いです。ですから、なるべくローソク足が移動平均線に近い位置かつ、移動平均線の下にいるという2つの条件が整った際にエントリーするのが一般的なベアのやり方です。

3.ブルとベアの両方に賭ける両建て手法


ブルとベアのそれぞれは、確実にそこにあるものですが、その圧力を完全に予測することは困難です。あくまでブルの傾向があるとか、ベアの傾向があるという程度のものです。ですから、移動平均線などを用いて、売りか買いかのポジションに全資産を突っ込むというトレードは、お勧めできません。それは、ギャンブル以外の何物でもないトレードだからです。

それがどんなに優位性あるトレードであっても、常に目論見が外れた時のことも想定してトレードをすることが、長期間トレードする上で非常に重要になってきます。そのために、あらかじめ損切り値を設定し、トレードすることが推奨されています。

けれど、こうした損切りを利用しようとする様々な勢力があることも事実です。顧客の損切り値を刈り取るためにあえて相場を動かすことさえやっている大口トレーダーがいる可能性もあるでしょう。しかし、これは可能性の話で、事実はどうなっているかは誰にもわかりません。でも、可能性がある以上、それに備えることは重要です。

例えば、両建てという売りと買いを同時に保有する手法があります。こうした方法では、市場の気まぐれに、一喜一憂することなくトレードすることも可能です。両建ての手法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

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