一目均衡表とは|5つの指標の見方や設定方法、雲の色の意味や使い方を解説


一目均衡表とは、日本で誕生したテクニカル指標です。5つの指標を使ってFXや株取引などの売買タイミングをはかるのに使われています。80年代までは秘術とされていましたが、現在では世界中の投資家が使用している相場の分析手法の一つです。

この記事では、株やFXで実際に一目均衡表を用いて取引を有利に進めてきた著者が、一目均衡表の見方や使い方などについて解説します。一見複雑そうに見える一目均衡表ですが、5つの指標の意味を一度覚えてしまえば、一生使える知識になるでしょう。また、より簡単に一目均衡表を活用するために、雲のみを指標にしたトレード手法についても紹介します。

1.一目均衡表とは|雲や転換線、先行・遅行スパンの見方


この章では一目均衡表の詳しい意味や、どのような経緯を経て作られたものなのかなどについて紹介します。その後、一目均衡表を形作る5つの指標について詳しく解説していきます。

1-1.一目均衡表とは|時間論はFXにも株にも適応する

一目均衡表とは、1936年に一目山人(いちもくさんじん)が編み出したテクニカル指標です。海外でも人気の高いテクニカル指標で、英語圏では「Ichimoku」と表記されます。一目山人というと中国人か何かだと勘違いしそうですが、これはペンネームで、本名は細田悟一さん。もともとは株式関係の新聞記者をされていた方です。このペンネームから、一目均衡表の名が付けれられたといわれています。

一目均衡表は細田さんが新聞記者時代に、多くの人手をかけてデータを収集し、7年もの時間を使って生み出されたものです。80年代まではごく限られた人にしか公開されず、売買手法の秘術の一つとされていました。

一目均衡表の特徴として、時間を重要視して、価格はそれに追従するものだと考えられている点です。つまりどのくらいの時間で相場が転換しやすいのかを徹底的に調べ、そのデータを主軸に一目均衡表は作られています。このような時間をもとに相場の変化を予測する考え方を、時間論と呼びます。そして、時間論はFXや株式相場にも不思議と当てはまるのです。

次項から、この時間論を主軸においた一目均衡表をどう見ればいいのかを解説していきます。

1-2.遅行スパン(遅行線)の見方|26という数値の重要性

一目均衡表において、どの線をまず見るかといえば遅行スパンということになるでしょう。遅行スパンとは、日足の場合、遅行スパンはその日の終値が26日前と比較して上がったか下がったかを示したものです。具体的に一目均衡表で見ると、遅行スパンは下図の緑色の線になります。

26という数値は、一目均衡表を語る上でとても重要な数で、膨大な年月をかけて多くの文献をあたり、実際の相場で確かめてようやく見つけ出されたものです。また、開発者の原著には、遅行スパンを絶対にないがしろにすべきではないという意味の言葉が残されています。

それだけに、株式相場はもとよりFXや商品相場などにも適応しやすいのです。遅行スパンはポジションを取る時のタイミングと、損切りの目安にするのが基本的な使い方です。

遅行スパンが価格の上にあれば、上昇傾向。反対に価格の下にあるなら下落傾向という見方をします。また、遅行スパンが傾きが右肩上がりなのか、右肩下がりなのかも相場環境を測るうえで重要な目安となります。

1-3.基準線・転換線の見方

基準線とは、日足では過去26日間の高値と安値の中間値を線で表わしたものです。例えば、ある株において、過去26日で最も高い価格が520円、最も安い価格が490円だったとすれば、

(520円+490円)÷2=505円

となり、505円が基準線に適応されます。基準線は、相場の全体的な流れを掴むのに適しています。

また、基準線と並んで重要なのが、転換線です。転換線は、日足だと過去9日間の高値と安値の中間値を線で表わしています。計算方法は基準線と同様です。9日間という短いスパンでの高値・安値の中間値をもとにしていますから、基準線よりも相場の動きに素早く反応します。

下図でいえば、赤い線が転換線、青い線が基準線になります。

実戦では、この基準線・転換線の両方を見て売買をするわけですが、その見方には2パターンあります。

1つは、基準線・転換線の傾きです。2本のラインが上向きなら上昇基調、下向きなら下落基調と見ます。もう1つは、基準線と転換線のどちらが上の位置にあるかを見ます。転換線が基準線の上にあれば上昇基調、下にあるなら下落基調とします。

テクニカルの知識がある人は、基準線・転換線は移動平均線と似ているけど、何が違うのかと疑問に感じたかもしれません。この疑問に答えは、実際に基準線・転換線と移動平均線を同時に表示させてみればよくわかります。移動平均線よりも基準線・転換線の方がより、相場に機敏に反応していることが見て取れるでしょう。これは、基準線・転換線は、移動平均線よりも、急激な相場の動きに対応しやすいということを表してます。

1-4.先行スパンとは|雲の中いたり下抜けする意味

一目均衡表で海外からも注目を集めているのが雲の存在です。英語ではクラウドチャートなどと呼ばれています。雲が厚ければその価格帯での抵抗が強いと見ます。また、薄ければ抵抗をも弱いと見られています。
以下の一目均衡表でピンク色の縦線で表されているのが雲です。

雲の中に現在価格が収まっているなら、上下からの抵抗が拮抗していて、どちらに行こうか相場が迷っている状態というイメージです。価格が雲の上に行けば上昇傾向。価格が雲を下抜けると下落トレンドのサインと考えます。

基本は価格が雲の上にあれば、ロング(買い)から入り、雲の下にあるならショート(売り)から入ります。ロングポジションから入った場合、価格が雲に入り、さらに雲を下抜けたらトレンド転換のサインとみなして、損切りの目安にします。

雲は、先行スパン1と先行スパン2によって形作られています。上記で紹介した基準線と転換線の中間値を26日先にプロットしたのが先行スパン1です。先行スパン2は過去52日間の中間値を26日先にプロットしています。計算式にすると以下のようになります。

先行スパン1= ( 基準線 + 転換線 ) ÷ 2
先行スパン2= ( 過去52日間の最高値 + 過去52日間の最安値 ) ÷ 2

2.一目均衡表の使い方|稼ぐための実践的な使用解説


この章では、一目均衡表を用いた実践的なトレード方法について解説していきます。一度身につければ、実際の相場での売買判断がやりやすくなり、心強い味方になるでしょう。ここではMT4を用いてFXの値動きを例にしますが、これは株式相場でも同様だと考えてください。

2-1.MT4を使った一目均衡表の設定方法と数値の意味

MT4をはじめさまざまなチャートソフトでは、テクニカル指標の期間などの数値を変えられるようになっています。代表的なところでは移動平均線。移動平均線は、例えば過去5日間の移動平均線を表示する、あるいは過去72日間の移動平均線を描くようにするなど、計算する期間を自由にカスタマイズできます。そして、現在の相場にどの数値が適合するのかを探求するのも上手に取引するための方法の一つと言えます。

しかし、一目均衡表においては、もともと設定されている数値を決して変えてはいけません。何もしないのが一目均衡表の正しい設定方法です。

一目均衡表は、26をはじめ、9や52など特徴的な期間が使われています。そして、この数値は膨大な文献から見つけ出された、一目均衡表を形作る上で基本となっているものなのです。ですから、この数値を変えてしまえば、一目均衡表の価値はまったくなくなってしまうといっても過言ではありません。

2-2.一目均衡表の見方の基本|長い足から短い足へ

一目均衡表はどの足を使うにしても、基本となる見方があります。それは長い足から短い足を見ていくということです。例えば、日足を使って取引をするなら、日足よりも長い月足を見て現在相場はどういう状況なのかを分析します。その後、週足を見て月足と同じトレンドか、違うとしたらどう違うかを調べていきます。

そしてようやく日足を見ます。月足、週足とトレンド方向が同じなら、迷いなくポジションを取れますが、同じでないケースもよくあることです。基本は、より長い足のトレンド方向にポジションを持つことです。そうした方が大きな失敗をする可能性は少なくなるでしょう。

とはいえ、トレンドの転換はより短い足から始まります。そのあたりの見極めはとても難しいのですが、相場を見るときに長い足から短い足見ていくということを癖にして幾度も繰り返していれば、相場の転換のタイミングが肌感覚でわかってくるはずです。

株やFXなどの取引に熟達するのは、計算が上手になるとか、知識が増えるということが重要だと一般的には考えられています。確かにそうしたことも大切なのですが、私の経験上ちょっとイメージが違うような気がします。

どちらかといえば、初めて自転車に乗るときのような感覚です。自転車に初めて乗ろうとすれば、バランスが取れず転びそうになります。けれど上手くバランスを取れるようになると、何ら苦労せず自転車を思うままに操れるようになるでしょう。

相場で上手に取引できている状態というのは、これと同じような感覚をイメージしてもらうとかなり近いのではないかと思います。そして、このような相場でのバランス感覚を養うには、まず長い足から短い足を見ていくという基本ができていないと、育っていかないのではないかと考えています。

2-3.一目均衡表の三役好転とは?

一目均衡表は、最も強い買いシグナルとされるものに「三役好転」があります。三役という言葉が表わしているように、これは一目均衡表が以下の3つの条件を満たしている状態のことです。

1.遅行線が価格を上にある(遅行線の好転)
2.転換線が基準線の上にある(均衡の好転)
3.株価が雲の上にある(三役好転)

このように、3つの条件が揃うと強烈な転換のサインになります。

2-4.時間足で用いた一目均衡表|デイトレードでも機能?

一目均衡表は、誕生の経緯からも基本的には日足で使うことで最大の効力を発揮します。けれど1時間足や4時間足でも一目均衡表が機能する場面は多いです。時間足で一目均衡表を使う場合も基本は同じです。つまり、長い足から短い足を見ていくということです。1時間足で取引する場合は日足や4時間足でのトレンドはどうなっているのかを分析し、1時間足がより長い足のトレンドと同じ方向に転換する時にエントリーするのが基本です。

2-5. 1分足の一目均衡表はFXスキャルピングに使えるか?

どんな相場で取引しているかにもよりますが、一目均衡表は基本的には日足以上の長い足で機能することが多いというのが正直なところです。私自身、FXのスキャルピングの売買タイミングに一目均衡表を使用してみたこともありますが、あまりいい結果は出なかったと記憶しています。

チャート分析はフラクタクルなものではありますが、あまりにも短い足だとその信頼性は揺らいでしまうのではないかと考えています。例えば、統計をとることを考えるとわかりやすいでしょう。10人にアンケートをした結果と1000人にアンケートした結果なら、1000人にアンケートを実施したものの方がより正確な世相を表わすでしょう。一目均衡表もこれと同じで、より多くの人が取引した結果が描かれた長い足の方が、より正確な相場の状況を表します。

3.雲のみを使った一目均衡表トレード|より簡単な手法


FXや株で結果を出せない人のありがちなのは、幾つものインジケーターを表示して自分でも何を見ているかわからない状態になっていることです。相場がどんな状況でも、一目で瞬時に大きな流れを判断できる指標を持っていれば、これほど心強いことはないでしょう。ここでは、そんな指標の候補の一つとなりうる、一目均衡表の雲のみを使ったトレードについて解説しましょう。

3-1.初心者の一目均衡表トレード|雲と相性のいい指標

一目均衡表は、遅行スパンや転換線、基準線、先行線などいくつもの線が交わり何だか難しいなとあなたは感じているかもしれません。こうしたいくつもの線に慣れる前に、より単純な一目均衡表の使い方をお教えしましょう。まず単純な方法に慣れて、それで物足りなくなったら、本格的に一目均衡表を使っていけばいいでしょう。

単純ではありますが、より相場の大きな流れを捉えやすい方法があります。それは、一目均衡表の雲のみと、移動平均線を使う方法です。つまり遅行スパンや転換線、基準線、先行線を移動平均線一本でまかなうのです。

移動平均線は200本線、あるいは75本線のどちらかでより相場に適合する方を選ぶといいでしょう。これ以外でも、あなたがより相場に適合する本数の移動平均線を探していただいても構いません。この辺りに自由度があるのがこの方法の利点とも言えます。

3-2.一目均衡表と移動平均線を使ったトレード

実際に一目均衡表の雲と移動平均線を使ったトレードの例を紹介しましょう。
以下に、75日移動平均線(赤線)と一目均衡表の雲(ピンクの縦線)のみを表示したチャートを示しました。

価格が移動平均線の下にくる、かつ雲を下抜けすると強烈な下落サインになります。図で右上に青丸で示した個所です。
これが反対の場合は、強烈な上昇サインにもなります。つまり、価格が移動平均線の上にきて、かつ雲を上抜けしたときです。
また移動平均線の傾きでトレンドの継続をはかるといいでしょう。移動平均線が右肩下がりなら下落トレンドが継続していると捉え、横ばいになり傾きが右肩上がりになってくるとトレンドが終焉したと判断できます。

3-3.初心者向け一目均衡表トレード|雲の厚さや色の意味

一目均衡表において、雲の厚さは抵抗の厚さを表してします。薄い雲は破られやすく、厚い雲は破られにくいと言えます。けれど、厚い雲を下抜けた時は、多くの人がそこを損切りの目安にすることから、相場が一気に動きやすくなります。

チャートソフトによっては一目均衡表の雲に色がついてるものがあります。これは雲にネジレ発生した際に色が変化するようになっています。ネジレとは、先行スパン1と先行スパン2が交差し上下が入れ替わる箇所です。これが発生すると、トレンドが転換すると言われており、そのトレンド転換のサインを見やすくするために色をつけているというわけです。

4.なぜ一目均衡表が使えないという人がいるの?


一目均衡表は優れたテクニカルではありますが、万能というわけではありません。相場の状況によっては機能しないこともあります。また、開発者の元々の意図としては、日足しかなかった時代に生まれたテクニカルですので、基本的には日足で機能するものと考えた方が良いというのが私の意見です。もちろんこの記事でも紹介したように、時間足やもっと短い足でも機能することもありますが、それは本来の使い方ではないということです。

もちろん人によって合う合わないはありますが、FXでも株でも日足で使うなら最強のテクニカルの候補になるテクニカルが一目均衡表とも言えます。ぜひ、積極的に一目均衡表を使ってみて、自分に合うのか合わないのかを確かめてみてください。