空売りとは|株での仕組み・やり方と、4つのリスクをわかりやすく解説


空売りとは、取引会社から株を借りてきて市場で売り、株価が下がったところで買い戻すことで利益を得ることを目指す取引を指します。簡単に言えば、株価が下がることで儲けを出す方法です。

空売りを上手に使えば、景気減退や不況化の中でも利益を出していくことができます。しかし、空売りには単に株を買うことにはない大きなリスクもあります。

この記事では、空売りの仕組みやリスク、実践的な空売りの使い方などについて解説します。空売りは便利な方法ですが、使いどころを間違えると、非常に大きな損失を招く可能性を秘めています。ぜひ、この記事で空売りの知識を身につけて、空売りを上手に活用していただけるとうれしいです。

1.空売りとは?仕組みや方法をわかりやすく解説


この章では空売りの詳しい意味や仕組みなどについて解説。株では空売りができる銘柄とできない銘柄があります。どんな銘柄が空売りが可能なのかについてもお教えしましょう。また、FXや仮想通貨でも空売りと同様のショートができますが、これは空売りと同様のものなのでしょうか? こうしたことについても解説していきます。

1-1.空売りとは何か|株を例に仕組みをやさしく解説

株は自分の手持ちの資金で購入することが基本となっています。けれど、信用取引という制度を使えば、自分の持っている資金以上の額の株を購入することも可能です。さらに信用取引では、株を借りることもできます。

「株を借りてきて一体どうするの?」 とあなたは思うかもしれません。
でも、この概念を理解することで、あなたが将来的に資産を増やす可能性を高めることができるかもしれません。

では話を戻しましょう。この借りてきた株を、株式市場で売ってしまうのです。
例えば15万円で売れたとしましょう。
そうすると、株はあなたの手元からはなくなりましたが、15万円の現金が手に入りました。

「ちょっと待ってください。借りていた株を売ってしまったら返せなくなってしまいます。」という声が聞こえてきそうですね。

でも、別に心配する必要はありません。再び株式市場で同じ株を買い戻せばいいのです。それも、できるだけ安く。

例えば世の中が不景気で、株の価値もどんどん落ちている状況ならどうでしょう。上記で15万円で売った株の値段が、1ヶ月後には10万円まで下落したとしたら。

借りてきた株を返すために、株式市場で10万円で株を購入します。そして、その買い戻した株を証券会社に返済すれば貸し借りはなしです。そして、15万円で売った株を、10万円で買い戻したのですから、あなたの手元には5万円の現金が残るわけです。

このように、持っていない株を売る取引を、空売り(からうり)と呼んでいるのです。持っていない「空(から)」のものを売るので空売りというわけです。

1-2.信用取引で可能な空売りはネットなら買い戻しも一瞬

上記では、正確に伝えるために、空売りの仕組みを詳細にお伝えしましたが、実際には株を借りるのも、市場で売ることも、買い戻すこともあなたが望むなら一瞬で完了することができます。

例えば、株を借りてくると聞くと、複雑な手続きが必要な感じがするかもしれませんが、実際は市場で株を売るだけなので、クリック一つで完了します。つまり実際には、株を借りることと、市場で売ることがワンセットになっています。

買い戻すことも簡単です。通常取引のように、株を買えばいいだけです。これもクリック一つでできてしまいます。そして、株を売った直後に買い戻すということも可能です。

このように空売りは、実際の取引では簡略化されているので、本当はどういう手続がなされていかが、見えづらいということはいえるでしょう。

また、上記でも触れましたが、空売りは信用取引で行います。信用取引をするには、信用口座を開いていなければなりません。

1-3.株で空売りができる銘柄|仮想通貨やFXでは?

株式市場では、どんな株式でも空売りができるわけではありません。ではどの銘柄が空売りできるのでしょうか?  具体的な銘柄を挙げる前に、どんな基準で空売りができる銘柄が選ばれているのかを解説しましょう。

あなたも考えてみてください。空売りを可能にしてはまずい銘柄があるとしたらどんな銘柄でしょうか?

まず、売ったり買ったりする取引が活発でない株を、空売り可能にしたらどうなるでしょうか? 誰も取引をしていなければ、株を借りてきて仮に売ることができたとしても、買い戻すことができなくなってしまうかもしれません。そうなると、証券会社に株を返すこともできなくなってしまいますよね。ですから、取引が活発でない株は空売りができないようにしています。

今度は、明らかに倒産しそうな会社の株ならどうでしょうか? このような株なら確実に価格が下がりますから、誰もが空売りをしたいところです。しかし、株を貸したいと考える人は皆無でしょう。なぜなら、株を貸すよりその場で売り払った方が損失は少ないからです。ですから、倒産しそうな会社の株や、上場廃止になりそうな株などは基本的に空売りが規制されています。

ですから、空売りができる株は一般的には、優良な企業の株ということになります。現在空売りをしている人が多い銘柄は以下のようになります。

3652 ディジタルメディアプロフェッショナル
3791 IGポート
6839 船井電機
6773 パイオニア
3914 JIG−SAW
6172 メタップ
7779 CYBERDYNE
8256 プロルート丸光

どこかで聞いたことがあるような銘柄が多いのではないでしょうか?

なお、FXやビットコインのような仮想通貨でも空売りと同じことができます。FXは、売ったものを買い戻すという意味で結果は同じなのですが、過程が違います。

株は現物での取引が基本ですが、FXは現物(為替通貨)の受渡しをすることなく、お金やりとりのみで取引(差金決済)していますので、現物を借りてくる必要はないのです。ですから、FXでは株のように貸株料などが発生しません(貸株料については下記で説明します)。

一方、仮想通貨は現物取引なので、仕組みは株式と同様のものになります。

2.空売りのリスク|実は空売りが株式価格上昇の起爆剤


空売りは上手に使えば、市場の下落局面でも利益を上げていくことができる、うまみのある取引ですが、もちろんリスクもあります。

また空売りは一見、その株の上昇を邪魔しているかのような行為のように見えるかもしれませんが、実は空売りこそが株価を大きく押し上げるきっかけになっているのが真実です。その仕組みについても解説していきましょう。

2-1.空売りのリスク|保有期限と買い戻し

まず空売りのリスクについて説明しましょう。株においての空売りは、株を借りてきているのですから、必ず返さなければいけません。そして株の返済期間は6か月と決められています(制度信用の場合)。つまり通常はいつまでも下落を持っているわけにはいかず、返済期限があり、それまでに市場で買い戻さなくてはなりません。6ヶ月以内に株価が下がらなければ、当然高値で株を買い戻すことになり、大きな損失を被ることもあるのです。

2-2.空売りのリスク|論理的には青天井

株を買った場合、最悪の事態とはどういう状態でしょうか? 例えば1株100万円の株を1株買ったとしましょう。あなたの意図に反してこの株が下落し続け、株価が0円になれば100万円の損失になります。とはいえ、株価が0円以下になることはありませんから、100万円以上の損失は論理的には発生しません。

これが空売りであれば、どうなるでしょうか? 例えば100万円の株を借りてきて、売ったとします。けれど、株価がぐんぐん上がって200万円になってしましました。ここで100万円の損失ですが、空売りではこれだけでは済みません。株価はどこまでも上昇する可能性を秘めています。1株1000万になることだってありえます。そうなると900万円の損失になるでしょう。そしてさらに株価が上昇していく可能性もあるのです。

つまり、単に株を買うだけなら、買った金額以上の損失は出ませんが、空売りの場合は損失の可能性が無限大ということになるのです。こうした状況を表した相場の格言に「買いは家まで、売りは命まで」というものがあります。株を買って失敗した時は最悪を家をとられるくらいで済むけれど、売りで失敗すれば家どころでは済まず命を失うくらいの損失が出るという意味です。

2-3.空売りのリスク|貸株料

空売りは、株を借りてきて取引しているのですから、貸株料がかかります。簡単にいえば株のレンタル料ですね。また、市場で貸し出される株が不足すると、逆日歩という品貸料が発生することもあります。

2-4.空売りのリスク|踏み上げ

株価はどんな時に大きく上昇すると思いますか? 優良な株に買いが殺到して大きく上昇することももちろんあります。けれど本当に大きく動く時は空売りしている人の多くが踏み上げられた時です。

踏み上げとは、空売りをしている人たちが、損切りをして買い戻しをすることによって、株価が押し上げられることです。 買い戻しのことを「踏み」というので、踏み上げと呼ばれています。

このような状況になれば、空売りしている人たちは必死です。空売りしている株はいずれ返さなければならないのですから。株は買い方のみでなく、このような踏み上げも利用して大きく上昇していくのです。

ですから、空売りしている人が多くなってくれば、踏み上げられるリスクを検討しなければなりません。空売りしている人がどれだけいるのかは、空売り残高を見ればわかります。空売り残高が多い銘柄には、手を出さない方が無難でしょう。

3.空売りの実践的な使い方と注意点


空売りはリスクもありますが、上手に使えば、買いしかしない場合よりも、利益を上げるチャンスを増やすことができます。ここでは空売りの注意点と、より実践的な使い方について説明しましょう。

3-1.空売りで注意すべきこと

あなたはこの記事を読んで、空売りを積極的に使っていこうと感じたかもしれませんし、やっぱり怖いから買いだけにしておこうと思ったかもしれません。2章では、様々な空売りのリスクを説明しましたが、多少の手数料などの違いはありますが、取引の基本ができていれば株を買うことも、空売りすることもリスクはほとんど変わりません。

どういうことかというと、自分の意図と反して価格が動いた時はきちんと損切りができるということや、自分が持て余すほどの大きな金額で取引をしないという基本をきちんと抑えていれば、空売りのリスクはそれほど気にしなくていいということです。

こうした基本については、以下の記事をはじめ、このブログ内で解説しています。

損切りとは?本当の意味や株・FXでの目安やタイミング、ルール設定を解説

3-2.空売りのオススメの使い方

空売りはさまざまな使い方ができます。単純に下落局面であるから、空売りを実施するということはもちろんですが、買いのポジションを持ちつつ、空売りをしてリスクヘッジに使うこともできます。

その中で、私自身もよく使っている空売りの実践的な使い方をお教えしましょう。
例えば、株を長期保有目的で持っていたとします。どんな優良株でも悪材料などが出て、下落が必至という場面があるものです。

けれど、あなたはこの株は長期的には上げてくると考えているので、売り払うのも得策ではないでしょう。そんな時、買いで保有している株はそのままにして、同じ株を空売りを実施するのです。そして下落が落ちついたら、空売りしているポジションのみを外すのです。

一度ポジションを解消して、再び買い戻すのと何が違うのかとあなたは感じたかもしれません。けれどそうした取引をしているのなら、一度買いを持ちながら空売りするということを試してみてください。私もそうでしたが、ヒヤヒヤしながら買い戻すのとでは、精神的なゆとりが違います。

もちろん、上記の方法は、下落せず上昇する可能性もあり、空売りした分損をすることもありますので注意してください。

4.おわりに|空売りは計画的に


いかがでしたでしょうか。この記事では、空売りの仕組みやリスクなどを中心に、注意点などについても記述しました。記事中でも説明しましたが、空売りはリスクが高いと思われがちですが、取引の基本ができていれば、自分でリスクを限定できるため、それほど恐れる必要もありません。

しかし、あなたがまだ取引の基本ができていないなら、空売りに手を出すのはオススメしません。まずは、買いのみで取引して、損切りなど自分で設定したルールを厳密に守れるようになってから、空売りにチャレンジしてほしいです。