FXで破産地獄に陥る理由5つ|破産者になる確率や自己破産の仕組みまとめ


FXで破産と聞くと、何やら恐ろしく感じます。でも、本当にFXで破産することはあるのでしょうか? その確率や、破産を防ぐ方法を知っていますか? そして、もし破産した場合、自己破産して損失をチャラにすることはできるのでしょうか。

この記事では、FXで破産する仕組みや、破産に陥る5つの理由について解説していきます。恐怖は、人の判断を鈍らせるものです。たとえわずかでも、わだかまりや疑問を抱えていては、何事も成功しづらくなります。この記事読んで、自分がどれくらいのリスクを抱えているのか、そして資金を失う可能性もゼロではないということを、きちんと把握した上で投資に向き合うことをおすすめします。

1.FXで破産する仕組みと破産の確率


この章ではまず、「FXで本当に借金を負うことはあるのか?」ということに解説します。そして、破産のケースや確率について見ていきましょう。

1-1.FXで失敗しても借金しないで済む仕組み

結論から言うと、通常日本でFXをしていて、借金を追うほどの損失を出すことは、ほとんどありません。なぜそう言えるのかというと、あなたがレバレッジをかけてどれだけ損失を出そうと、取引会社はあなたがFX口座に入れている資金の全て使っても、回収できないほどの損失が出てしまうのを許さないからです。

どういうことかというと、あなたが口座に預けている資金以上の損失が出れば、その場でポジションは強制的に決済されてしまいます。ですから、最悪の場合でも、口座に入れているお金がゼロになり、借金を負うことはないというのが、ほとんどのケースです。こうした仕組みは、ロスカットとか強制ロスカットと呼ばれています。

考えてみれば、当たり前のことですよね。FXの取引会社も商売でやっているのですから、回収できないほどのお金をあなたに貸すことはありません。取引会社の予想範囲を超えて、結果的にそうなってしまうことはもちろんあります。

例えば、経済政策の大転換になるようなことが発表されたり、大きな災害が発生したりしたら、強制ロスカットが間に合わず、想定以上の損失が出る可能性はゼロではありません。でも、それはどんな投資でも同じです。誰も想定していない大きな出来事が起これば、当然誰にも予想できないような値動きをするでしょう。ポジションを持つということは、このようなリスクを常に抱えているということです。

1-2.FXの破産で毎日が借金地獄になることもある?

上記で紹介したように、FXの取引会社は、自分が損をしないように、強制ロスカットの仕組みを作っています。けれど、不思議ではありませんか? ネットを見ると「FXで破産した」「FXの取引きで借金を負ってしまった」というのは、よく見る話です。確かに地震などの大きな事件が起これば、借金を追ってしまう可能性もゼロではありませんが、そんな大きな出来事は滅多にないことです。

つまり、突然の出来事に巻き込まれて強制ロスカットが間に合わずに不幸にも借金を作ってしまった人以上の人が、FXで借金を追うほどの大きな損を出してしまったと訴えているのです。彼らはどうやって、強制ロスカットの仕組みをかいくぐり、取引会社が回収できないほどの損失を出したのでしょうか? 逆にそれほどまでの損失を出す方が、難しくはないでしょうか。

その答えは、大抵の場合、別のところにあります。彼らは取引会社がお金を借してくれない代わりに、別のところからお金を借りてきて、ポジションを保とうとしたり、新たに大きなポジションを取って一発逆転を狙ったりするのです。借り先は、消費者金融が一般的でしょう。こうした行動に出たのちに、彼らに幸運の女神が微笑むことはほとんどありません。他人に借りたお金で、FXの取引をすれば、どんなに心が強い人でもまともな精神状況を保つことは難しいからです。

その結果、借金をして得た資金も失ってしまい、別のお金の借り先を探し始めます。そうなれば、借金が借金を生む、破産地獄に陥るのも時間の問題となってしまいます。
FXはやり方によっては一発逆転も狙えるゲームですから、次こそは勝てる!と錯覚してしまうのです。

1-3.FXで破産に陥る確率は?

前項では極端な例を紹介しましたが、破産といっても様々なレベルがあります。例えば、取引会社に入れた資産がゼロになることを破産と定義する人もいるでしょう。

では、資金がゼロになる確率はどのくらいあるでしょうか。その一つの目安が、自らのトレードの勝率と損益率です。
勝率は、儲けが出たトレードの数を総トレード数で割ったものです。また損益率は、すべてのトレードの利益の額の平均をすべての損失額で割った数値になります。式で表すと以下になります。

勝率 = 儲けが出たトレード数÷全トレード数
損益率 = 全トレードの利益の額÷全トレードの損失の額

この2つを把握すれば、あなたがどれくらいの確率で破産に至るかが簡単にわかるのです。どうやってわかるかというと、ナウザー・バルサラという数学者がとなえた破産確率から導き出せます。

例えば、一回の損失額が資金の10%以内だとして、あなたの勝率が50%だとしても、損益率が0.2以下なら確実に破産します。勝率40%なら損益率が0.4以下で100%資金がゼロになるでしょう。勝率20%なら損益率が1.4でも確実に破産することになります。

反対に、破産しないラインはどこになるでしょうか。勝率50%で損益率が2.8以上なら、破産することはまずありません。勝率60%なら損益率が1.8以上、勝率70%で損益率が1以上、勝率80%で損益率0.8以上なら、破産確率は限りなくゼロに近くなります。

しかし通常は、このような理想的なトレードはできません。大抵は、これらの間でせめぎ合っています。その中で少しでも破産確率をゼロに近づける努力をしていくのが、相場で継続的に利益を出す方法だといえるでしょう。以下に、この確率表を示しますので、実際のあなたのトレードに当てはめてみてください。

2.FXで破産する理由5つ|体験談を分析した結果


この章では、なぜFXや株で破産するのかを実際に見聞きしたことや、体験談などを分析した結果、導き出した答えを紹介します。自分の取引が以下で紹介することに当てはまらないかを、常にチェックしましょう。どんなときでも、自分の取引を客観的に見て分析・把握すること。これが投資で結果を出す、最初の一歩になります。

2-1.FX破産者は儲けることより損することを意識する

破産してしまう人の考え方の特徴として、「損を出したくない」という意識が強いということが挙げられるでしょう。「そりゃあ誰だって損は出したくない」とあなたは感じるかもしれません。でも、その意識が過剰だと、損切りするべきときに損切りできなくなったり、損を出したときは何とか取り戻そうと大きなポジションをとったりといった行動に走ります。

どんなに分析しても、意図と違う方向に価格が動くことはよくあること。そのときに、損を確定するのは必要経費です。そのことがよく理解できていないと、幼稚な取引に終始し、資産を大きく減らしてしまうことになります。

2-2.FXで感情にまかせると破産に近づく

当然ですが、感情に左右された取引をしていると、どんどん破産に近づいていくでしょう。はっきりいうと、相場に感情は、不必要な要素です。勝ったからうれしいとか、負けたからむかつくとか、そういうものは何のプラスもなりません。また、相場の値動きは、自分が努力したからといって変えられるものでもないのです。

あなたが相場で稼ぎたいと考えているなら、自分が冷静さを失い感情的になっていると気づいたとき、どういう行動をするかをあらかじめ決めておいてほしいです。それは相場で大損をしないために、重要なルールになります。たとえば、損を出して感情が高ぶったときは、ポジションをすべて解消して、その日はチャートを見ないことにするなどです。

2-3.FX破産者は動画やブログを盲信する

FXや株取引の動画やブログの中には、有益なものも存在します。けれど、それを盲信して取引を行えば、たちまち危険なものになるでしょう。知識は知識として持っていていいのですが、それを一度自分の頭で考えてみるという習慣が大切です。

人の頭で考えたものを無条件に実施していると、良い時は問題ないのですが、状況が悪くなったときに、どう対処すればいいのか自分で考えられなくなるのです。他人の考えを取り入れることは結構ですが、FXや株で長期的に儲けられる人は、精神的に自立した人だけです。

2-4.FXで主婦に多い失敗や破産

主婦でお子さんが小さかったりすると、外で長時間働くこともできず、かといって家計も厳しいという状況が生まれがちです。そこで、主婦がお金稼ぎのために、FXなどの投資に手を出すことは、よくあることです。中には、カリスマ主婦トレーダーなども誕生しています。

けれど、こうした情報を鵜呑みにして、大きな損失を出してしまう主婦は結構多いです。日中比較的自由に取引ができるのは有利な要素ではありますが、取引回数が増えるというデメリットもあります。また、家族に内緒にして始めると、損失を出したときに、何としても取り返さなければならないという状況に陥ります。こうした精神状況が、大きなポジションをとることにつながり、破産の第一歩となります。

ですから、ただ稼ぐことだけを考えるなら、私は在宅ワークのようなものをおすすめします。ネット環境の普及により、現在は在宅ワークのハードルはかなり低くなっているからです。また在宅ワークなら、少なくとも資産が減るということはありません。

それでも、FXをやってみたいという場合は、まず家族の了解を得てほしいと思います。損失などを出して、自分ひとりで自分の感情をコントロールすることは、案外難しいものです。そんなとき、相談できる人が一人でもいれば、少なくとも破産するような大損は避けることができるはずです。

2-5.EU離脱やトランプ相場でのFX破産者多数

相場の世界では、多くの人の予想と反対の値動きをすることがあります。例えば、イギリスのEU離脱やアメリカでトランプ大統領が誕生したときなどです。

イギリスでは、EU離脱を巡って、2016年6月に国民投票が行われました。多くの人は、イギリスがEUを離脱するわけがないと考えていました。けれど、結果は、わずかな差でEU離脱の投票が上回りました。それを受けて株価が大暴落し、為替相場も大きく変動しました。

また、2016年11月のアメリカ大統領選挙では、多くの人の予想に反してドナルド・トランプ候補が勝利しました。マスメディアでは、トランプ氏が大統領になれば、株価は暴落し急速に円安が進むと見られていました。けれど、いざ蓋を開けてみると、全く逆の値動きが起こります。この値動きは、経験豊富なトレーダーでも予測できなかったのではないでしょうか。

上記のようなイベントによる急激な値動きがあり、2016年の相場予想はなかなか難しいものがありましたが、恐らく株やFXなどでポジションを持っていた人は、大きな損失を出したのではないでしょうか。破産した人も多かったでしょう。

こうしたことから得られる教訓は、大きなイベントがあるときは、ポジションを解消するということです。あなたがこうしたイベントについて、他のトレーダーよりも多くの情報を知っているなら話は別ですが、一般の人に予測できるようなものでは基本的にありません。

もちろん上手くいけば、大きな利益を出せる可能性があることは否定しませんが、けれどそれで儲けたからといって、いちかばちかのギャンブルで儲けたのとあまり変わりがありません。トレード技術の向上には、なんら寄与しないことがほとんどなのです。

3.FXの破産は免責出来る?自己破産出来ない仕組み


では、FXや株で思わぬ価格変動が起き、不幸にも借金をかかえるような事態になった場合、自己破産はできるのでしょうか? 法律では、ギャンブルや投機行為での自己破産はできない仕組みになっています。

けれど、実際には、破産法252条2項で「裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。」と定められています。つまり、ギャンブルや投機行為での借金であっても、裁判官の裁量によって自己破産できるということです。毎年多くの人が自己破産の申し立てをしていますが、自己破産できないケースはほんのわずかです。もちろん過信は禁物ですが、いざというときの知識として持っていてもいいでしょう。

4.おわりに|FXで破産を防ぐには?


いかがでしたでしょうか。FXで破産という漠然としたイメージで恐ろしさを感じている状態よりは、具体的に知識を得ることで、その恐怖がやわらいだのではないでしょうか。でも恐怖がやわらいだからといって、破産を防げるわけではありません。むしろこれまでの恐怖が、破産からあなたを守っていた可能性もあります。

もし、あなたがFXや株などの取引きを続けたいと考えているなら、最初は儲けることはあまり意識せず、どうやったらうまく取引できるのかにフォーカスすることをおすすめします。そして破産を防ぐには、なんといっても余裕資金で取引を行うことです。余裕資金で行っている限りは、感情的になりづらいからです。そして、うまくいかないときは相場から離れることです。ポジションをとることは、義務でもなんでもないのですから。

なお、FXなどの相場でどうしても勝てないというあなたは、以下の記事を読んでみてください。あなたが勝てない本当の理由がわかるでしょう。

FXで勝てない仕組み|勝てなくなった原因と全く勝てない本当の理由