仮想通貨とは何か|定義と仕組みが図解で簡単に!リスクもわかりやすく説明


仮想通貨とは、インターネット上で使えるお金のこと。紙幣や硬貨のように、物理的な形が存在しておらず、多くの場合、円やドルのような通貨のように、国家がその価値を保証しているわけではありません。英語圏では、Cryptocurrency(クリプトカレンシー)、つまり「暗号通貨」と呼ばれています。ビットコインやリップルなどの仮想通貨は、優れた暗号技術が注目されていますから、英語圏での呼び名の方が、仮想通貨の実態を表す言葉として適当かもしれません。

この記事では、仮想通貨の詳しい定義やメリットなどを解説します。また、意外と言われていない、取引きで損失を出すこと以外の、仮想通貨の本当のリスクについても紹介します。この記事で、仮想通貨について詳しく知るとともに、「仮想通貨を取引すべきなのか?」「仮想通貨で本当に美味しい思いができるのか?」などの、判断材料にしていただけるとうれしいです。

1.仮想通貨とは|定義や仕組みが小学生でも3分でわかる


この章では、まず仮想通貨の仕組みや、日本の法律では、仮想通貨の位置づけは、どうなっているのかを解説します。また仮想通貨の主要技術である、ブロックチェーンについても図解でわかりやすく説明しましょう。

1-1.仮想通貨とは何なのか|初心者でも簡単に定義を理解

はじめにも説明しましたが、仮想通貨とはインターネット上で、電子データのみでやりとりする通貨のことです。基本的には不正を防止するために、高度な暗号化技術が使用されています。そのため、英語圏では、Cryptocurrency(クリプトカレンシー)、つまり「暗号通貨」と呼ばれるのが一般的です。

なお、仮想通貨の定義は日本の法律でも決められています。簡単に言えば、お金と同様の価値を有し、電子情報処理組織を用いて互いに交換できるものってことですね。この電子情報処理組織については、次項で詳しく説明します。

仮想通貨に関する法律の条文
資金決済に関する法律 第二条 5
この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。
一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

1-2.図解で見る仮想通貨の仕組みとブロックチェーン

ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨は、ドルや円といった法定通貨とは違い、その価値を国家で保障しているわけでありませんし、発行・流通に日銀のような中央銀行が関わっているわけではありません。では、誰が仮想通貨を管理しているのでしょうか?

実は仮想通貨は、インターネットを利用して個人、企業問わず世界中あちらこちらで管理されているのです。仮想通貨の取引履歴の全ては、一つの電子ノートに記録し管理されているとイメージしてみてください。しかし、この大切な電子ノートがハッカーなどに改ざんされたり、あるいは物理的に破壊されてしまったりするとどうなるでしょう? そうなると、誰がどれくらいの仮想通貨を所有していたかも把握できなくなってしまいます。それでは、とてもお金としての役割を果たせません。

そこで考え出されたのが、分散型台帳です。つまり、仮想通貨の取引履歴の全てを記録した全く同じノートを、世界のあちらこちらで同時に管理すれば、一つのノートが被害を受けても他のノートで補うことができます。このような仕組み作れば、世界中に散らばった全てのノートを同じタイミングで改ざん・攻撃しない限り、不正を行うことはできなくなります。

この分散型台帳を実現するための技術が、ブロックチェーンです。
ブロックチェーンとは、上記のノートの例で言えば、一定数の取引履歴を記録したページを世界中で生成し、合理的に統合するための仕組みのことです。専門用語でいえば、取引履歴のことを「トランザクション」(Transaction)、取引履歴を複数ページにまとめたものを「ブロック」(Block)と呼びます。ブロックは新たに追加されるたびに、「承認」(Confirmation)と呼ばれる一定の秩序により、鎖のように追加されていきます。この一定の秩序により、理論的には一度記録すればブロックのデータを遡って変更できなくなります。

とはいえ、ビットコインなどの仮想通貨は、どうやってブロックを作っているのでしょう。それは、コンピュータによる計算により行います。この計算する作業は「マイニング」(Mining)と呼ばれます。マイニングを個人で行っている場合は、「マイナー」(Miner)、企業などの集団で行っている場合は、「マイニングプール」(Mining Pool)と呼ばれています。このマイナーやマイニングプールの総体が、法律で定義している電子情報処理組織です。

けれど、何らかのメリットがないと、誰もマイニングをしたがらないですよね。マイニング作業は、コンピュータが行ってくれるとはいえ、膨大な電力を消費します。ですから、マイナーやマイニングプールは、少なくともマイニングを行えるだけの高性能な専用のコンピュータの代金と、毎月の電気代を支払わなければなりません。ですから、代表的な仮想通貨であるビットコインを例に挙げると、マイニング作業を行ったマイナーやマイニングプールに、一定数のビットコインを支払うことで、この仕組みが成立しているのです。

なお補足として、ブロックチェーンを使わない、DAG(Directed acyclic graph)型の仮想通過も存在します。これは、ブロック単位で管理するのではなく、取引一つ一つを記録・承認する仕組みで、ブロックチェーンに変わる技術として注目されています。

1-3.2017年に仮想通貨で儲かる人が続出|2018年は?

2017年のビットコインを中心とした仮想通過は、これまでにないほどの大きな値動きをしました。イベントやニュースが発表されるたびに相場は大きく揺れ動きましたが、基本的には大きな上昇トレンドに乗って、ビットコインは年初の約17万円から、10倍以上の約240万円まで上昇しました。

この上昇トレンドに乗って、多くの個人が儲けを出し、「億り人(おくりびと)」などの言葉も流行しました。私の周囲でも、この上昇トレンドに乗って儲けた人が多数いました。普段は日雇いの仕事をしているのに、その年は年収10000000円という人もいました。

その要因として、2017年の仮想通貨市場は、非常に読みやすい相場だったということが挙げられます。チャートを見ても、明らかなトレンド相場です。そして参加者のほとんどが、相場の初心者だったことも、値動きを素直なものにしたのだと思います。

けれど、2018年は年明けから一気に値崩れを起こし、ビットコインは現在約45万円前後で推移しています。仮想通貨の再上昇には、どれだけ多くの人が取引に参加するかということにかかっています。けれど、仮想通貨の市場が美味しいものであればあるほど、機関投資家やヘッジファンドなどのプロも参加してくることになるでしょう。そうなれば、初心者ばかりが参入していた、2017年のような素直な値動きはもう見られないかもしれません。

2.仮想通貨のメリットとデメリット、そして危険性


この章では、仮想通貨を取引きする際のメリットとデメリットを解説します。仮想通貨にはどういった利点があるのかや、どんな危険性があるのかについて、きちんと把握したうえで取引をしてほしいです。後で知らなかったと言って、後悔しないためにもチェックしておきましょう。

2-1.仮想通貨を取引するメリット|本当に稼ぎが出るか?

仮想通貨に投資するメリットは、大きな儲けにつながる可能性があるということです。たとえば、仮想通貨の代表格、ビットコインの価格は2012年から2018年まで約1000倍も値上がりしました。ここまで値上がりする可能性のある投資先は、恐らく仮想通貨以外にないでしょう。また、1,000円程度からでも始められるため、取引の敷居が低いことも魅力です。

また、仮想通貨のシステム的なメリットは、銀行などの機関を通さず、個人でもインターネット上で送金ができるため、何の縛りもなく迅速にお金のやり取りができます。これは革命的なことです。これまでは、お金は国家というものが存在するから成立していたからです。

仮想通貨の誕生は、ブロックチェーンのような改ざんされない仕組みができたおかげで、国家に依存することなく、お金という価値を担保することができるようになったということを意味します。つまり、世界共通の新しい価値の形が生まれたということです。ビットコインなどの仮想通貨には、この新しい価値を支持するために投資している投資家もいます。

2-2.仮想通貨を取引するデメリットとリスク

仮想通貨に投資するデメリットは、その値動きによって大きく損をする可能性もあるということです。一般的に見て、仮想通貨はハイリスク、ハイリターンな投資といえるでしょう。

また、FXなどで利益を得た際の税金は、「先物取引に関わる雑所得」となり住民税、所得税を合わせて一律20%です。しかし、仮想通貨では「雑所得」として扱われ、一律10%の住民税と累進課税の所得税として15%〜55%の税が課されてしまうので、税金面ではかなり不利になります。

そして、特に日本では、まだ現金主義なところがあり、電子マネーはまだ普及しているとは言えない状況です。これが仮想通貨の普及を遅らせる、一因になっているといえます。世界的な流れは、現金から電子マネーですから、日本でも遅かれ早かれそうなっていくと考えられますが、いつになるのかはわかりません。

最後に、強調しておきたいのは、仮想通貨をハッキングされるリスクです。仮想通貨は1章で説明したとおり、強固なセキュリティを誇っています。けれど、それは仮想通貨を取り扱っている取引所のセキュリティも強固だということにはなりません。

確かに仮想通貨そのものは、ブロックチェーンなどで改ざんや不正などをすることが非常に困難ですが、仮想通貨を取引きするには一般的に取引所を通してのやりとりになります。この取引所でのセキュリティが甘ければ、仮想通貨を盗まれたりするリスクが増大します。そして仮想通貨の世界では、この盗まれるということが頻繁に起こっているのです。

2018年1月に、日本の仮想通貨取引所「coincheck(コインチェック)」で、約580億円相当の仮想通貨が、ハッキングにより盗まれたことは記憶に新しいでしょう。こうしたことは、世界中で起こっていて、特に韓国などでは頻繁に盗まれています。FXや株では、こうしたことは起こりません。ですから、仮想通貨を取引きするということは、値上がりや値下がりのリスクのみならず、取引所がハッキングされるというリスクも、取引するあなた自身が背負っているのだということを忘れてはなりません。そうなると、かなりのリスクがある投資先だということがイメージできると思います。

3.おわりに|アマゾンや居酒屋でも仮想通貨は使える


この記事ではメリットやデメリットを含めて紹介しましたが、仮想通貨は確実に普及し始めているということは確かです。この流れは、当面変えられないように感じます。たとえば、AVACUS(アバカス)では、2017年12月に、仮想通貨を使ってAmazonの商品をよりお得に買えるというサービスを開始しています。

家電のビックカメラやソフマップでも、仮想通貨での支払いに応じていますし、メガネスーパーでも取り扱っています。また、バーや居酒屋などでも、仮想通貨が使える店が増えています。

紙の本はなくならないと言われながらも、いつの間にか普及した電子書籍のように、仮想通貨も近い将来、私たちの生活になくてはならないものになっているかもしれません。