ローソク足とは|一生使える見方・使い方や予測するためのパターンの読み方


ローソク足とは、株や為替などの値動きを、ローソク状の図形で正確に表したものです。このローソク足の連なりで、時間経過とともに変わっていく相場の動きを表したグラフが、ローソク足チャートです。ローソク足は日本で発明され、価格の変動を表現したグラフでは世界で最も精緻でわかりやすく、多くのトレーダーに使用されています。ローソク足には、様々な決まりやパターンが存在し、世界中の投資家がローソク足のパターンを指標に株やFXの取引きをしています。

この記事では、10年以上相場に関わり、ローソク足を用いてトレードしてきた著者がローソク足の基本から実際の運用方法、読み方やパターンなどについて解説します。あなたが、FXや株式投資などに今後関わっていくならば、一生使える知識になるでしょう。

1.ローソク足チャートとは何か|意味をわかりやすく解説


この章で、ローソク足チャートの意味や使い方を詳しくみていきましょう。もう10年以上前のことになりますが、私が投資を始めてローソク足の本を読み始めたときは、とてもワクワクしたことを憶えています。

自分が専門家に一歩近づいていく感覚や、新しい知識を身につける楽しさが昨日のことのように思い出されます。ですから、ぜひあなたも、昔の私のように胸を高鳴らせて読み進めていただけたら嬉しいです。

1-1.初心者でも簡単!ローソク足の種類やヒゲの見方

ローソク足は、設定された期間の始値・高値・安値・終値をローソクの形で表したものです。

下図のように、始値よりも終値の方が高いものを陽線(ようせん)、始値よりも終値の方が安いものを陰線(いんせん)といいます。安値と高値は上下に突き出した線で表し、この線を ヒゲと呼びます。上のヒゲ(上ヒゲ)の先端が最も高かった価格を、下のヒゲ(下ヒゲ)の先端が最も安かった価格を示しているということです。

基本は、陽線は「白」で、陰線は「黒」で描きますが、チャートソフトによって様々な色で表されています。昔はパソコンなどはなく、誰もが手書きでローソク足チャートを書くしかなかったのです。手書きなら、鉛筆やボールペンなどでローソク足を描くことになりますよね。そのため、多くの色を使わず、陽線を白、陰線を黒で描いたほうが描きやすかったのです。

ローソク足チャートには、分足(ふんあし)、日足(ひあし)、週足(しゅうあし)、月足(つきあし)などの種類があります。つまり、どの期間のローソク足なのかということです。日足は1日のうちの値動きを一本のローソク足で表し、週足は1週間の値動きを一本のローソク足で表しています。

株式相場を例にすると、土日を抜いた5日分の日足を一本で表したものが週足になります。この考え方は、様々な期間のローソク足を見比べてトレードする時の基本になりますので、よく覚えておいてください。

1-2.ローソク足は株とFXでは意味合いが違うの?

株やFXの値動きは、本質的には投資家心理によって動いています。ですから、ローソク足チャートの変化は、こうした投資家心理を表しているともいえるのです。

ローソク足が人間の心理を表しているものだとすれば、株であろうとFXであろうとその本質は変わりません。先物取引や商品取引、あるいはビットコインなど、価格変動するあらゆる金融商品に適応できるものだと言えます。

ただし、ローソク足の基本は一緒なのですが、その相場によって参加者が変わってきますし、独自のパターンも存在します。例えばアメリカの株式相場と日本の株式相場では、参加している人の性格や考え方が違いますし、FXと商品取引でも異なります。

身近なものに例えるなら、人と人の違いと同じです。人の身体は、頭部があり胴体があり手足で構成されています。でも顔が整っていたり、手足が長かったり短かったり、人によってそれぞれ特徴がありますよね。異なる相場間のローソク足の動きも、これと同じです。基本は同じだけど、それぞれに小さな違いがあり、その小さな違い一つ一つが、その相場の特徴を形作っています。

2.ローソク足の読み方と使い方とは|サインを見る


ローソク足は一本だけを見ても売買タイミングをはかる目安にできますが、より精度を上げるために、一本のローソク足の状態だけでなく、ローソク足の連なりのパターンを見てトレードするのが一般的です。ローソク足の連なりのパターンについては、後の章で解説することにして、ここでは基本となる一本のローソク足での読み方や使い方をみてみましょう。

2-1.ローソク足の見方|大陽線・大陰線


大陽線なら買いが、大陰線なら売りが、ものすごく強いことを表わしているローソク足になります。実体(胴体)が長いローソク足です。大陽線でも、上下にヒゲが付くのが普通ですが、ヒゲがついていない長いローソク足はぼうずと呼ばれ、明白な買いあるいは売りの材料が出た際に出やすく、陽線なら 買い、陰線なら売りの勢力が圧倒的に多いことを物語っています。

2-2.ローソク足の見方|小陽線・小陰線


小陽線・小陰線は実体部分が小さいローソク足のことを指します。小陽線・小陰線の判断基準としては、過去のローソク足と比較して、どの程度短いかで判断します。過去のローソク足と比べて、実体部分が小さい場合は相場が迷っているというサインになります。

2-3.ローソク足の見方|下影陽線・下影陰線


下影とはそのローソク足が示す期間内で、かなり価格が下がったということを表しています。下影陽線の場合、相場が始まってから大きく価格が下がったにもかかわらず、その後上げに転じて、結果、始値よりも高い終値をつけたということです。つまり、相場が始まってからの強烈な売りを押し返して、価格が上がったということを意味しますから、買いの勢力がとても強いことを表すサインになります。

反対に下影陰線の場合は、売り勢力に押されて下落し、反発しようとしたものの、始値にもどることなくその期間の相場が終わったということですから、反発の弱さを表すサインと考えられます。

2-4.ローソク足の見方|上影陽線・上影陰線


上にヒゲが伸びている状態のローソク足を、上影陽線または上影陰線と呼びます。陽線の場合は、相場が始まるとともに価格を上げたけれど、売り勢力に押され始値以下となり、その後持ち直して始値を越えてきたというパターン1と、相場が始まって、価格を下げたのちに一気に反発したにもかかわらず、また価格が下落してきたというパターン2に分類されます。
パターン1の場合はやや上昇に傾いてきたというサインになり、パターン2の場合はやや売りに押されているので弱めの下落サインととれます。パターン1かパターン2なのかの判断は、より期間が短いローソク足を見ることでわかります。

上影陰線は上影陽線と同じような意味合いを持ちますが、より下落傾向が強いというサインになります。特に高値圏でこのローソク足が出た場合は、相場の転換点となり、一気に下落に傾くというケースも多いです。

2-5.ローソク足の見方|コマ


始値と終値が大きく違わず、実態がかなり短い状態のローソク足をコマと呼びます。その形を見ると、おもちゃの独楽(こま)のように見えるのでこの名前がつけられました。

コマの形をしたローソク足は、最終的な値動きがほとんどなかったことを意味しており、売りと買いが拮抗しているということを表しています。

コマは高値圏や安値圏で出現したときは重要な意味を持ちます。たとえば、ずっと相場が下げ続いていた時に、コマが現れると、下げ止まる兆候ととることもできます。売りと買いが拮抗しているコマが現れるということは、これまでの流れ(トレンド)の終焉を暗示していることが多いです。

2-6.ローソク足の見方|十字


ローソク足が示す期間において、売りと買いが最終的に同値になったこと表しています。始値と終値が同じ値になったということは、実体は線で表されます。見た目が十字の形をしていることから十字線と呼ばれ、難しい言い方をすると寄付き同時線といいます。

十字線が示す意味合いは、コマと同様のものになりますが、コマよりもさらに強い意味合いを持ちます。つまり、高値圏や安値圏で現れたときは、相場の転換点によりなりやすいということです。

2-7.ローソク足の見方|トンボ


いったん売りに押されたものの、買いが押し返して、最終的には売りと買いが拮抗した状態です。その形が虫のトンボに似ていることから、図のような状態のローソク足をトンボと呼びます。

押し返しているぶん、十字線よりは多少上昇につながる可能性が高いですが、意味合いとしては、十字線とほぼ同じと捉えて問題はありません。

2-8.ローソク足の見方|塔婆(トウバ)

塔婆(とうば)とは、墓の後ろに立てる長細い木製の板のことです。図のようにこのローソク足は塔婆を連想させることから、その名前が与えられました。

塔婆のイメージは一般的に暗いものですが、そのイメージ通り、どちらかといえば、相場が下落傾向にあることを意味します。

しかしながら、このローソク足の意味しているところは、トンボや十字線と同じと考えても差し支えありません。どちらにしても高値圏、安値圏で出た場合は、相場の転換点を表しています。

3.ローソク足のパターンと組み合わせ|分析の方法


2章で紹介したように、ローソク足は1本だけを見ても、一つの指標になりますが、連続したローソク足を分析することによって、将来の価格予想の精度をさらに上げることができます。この章では、連続したローソク足をどうやって分析するのかということについて解説していきます。この章に書いてあることを、きちんと理解すれば、あなたは株式やFXにおいて、一つの視点を手にれることができるでしょう。

3-1.ローソク足はシグナルになる

将来の株やFXの価格の値動きを予測する際に、なぜ連続したローソク足が役に立つのでしょうか。それは価格が急激に上がったり下がったりする前に、どのような兆候があるかということが、過去の値動きを統計的に分析することで分かっているからです。

もちろん将来を100パーセント予測することなど、どんな手法を使ってもできません。ただし、ある兆候が出た場合、今後相場が上りやすいのが、下がりやすいのかという見方を一つ手に入れるだけで、取引は随分と楽になるものです。こうした兆候を、この記事ではシグナルと呼んで解説していきましょう。

3-2.ローソク足の見方|はらみ線


直近の陽線あるいは陰線の長さの範囲内において、陰線あるいは陽線(直近とは反対の線)が出現する2つのローソク足の組み合わせをはらみ線と呼びます。

「陰線→陽線」、あるいは「陽線→陰線」の2パターンがあります。陰線→陽線が底値圏で出た場合、相場の転換点のサインになることが多いです。
反対に陰線→陽線が相場の天井圏で出た場合、これから下落するシグナルと捉えて売買する人が増えてくるということです。

さらに重要なのは、はらみ線が出た次のローソク足が陰線なのか陽線なのかです。陰線→陽線はらみ線が底値圏で出た次のローソク足が、陽線だった場合、これから上昇していく可能性がより高くなります。

類似のものとして、はらみ線の2つ目のローソク足がコマになった場合は、はらみ寄せ線と呼ばれます。はらみ寄せ線も、はらみ線と同様に相場の転換点という意味を持っています。

3-3.ローソク足の見方|切り込み線


かぶせ線は、その名の通り大陽線が出た後のローソク足が、大陽線にかぶさるような陰線になった2つのローソク足の組み合わせのことをいいます。条件としては、2つ目のローソク足の始値が、1つ目の大陽線よりも上の値であることと、終値が大陽線の中央値よりも下であることです。

相場が上昇してきたときに、かぶせ線が出ると、相場の転換点になりうるので注意が必要です。つまり、切り込み線と真逆の意味を持つ線といえるでしょう。

3-4.ローソク足の陰線が多いということは|最も簡単な予測例

ここでは、連続した多数のローソク足の分析で最も単純なものを紹介します。ローソク足が描かれたチャートを見てみて、直近の陽線の数と陰線の数を数えてみましょう。

陽線の方が多ければ、相場は上り傾向、陰線の方が多ければ相場は下がり傾向で、陽線あるいは陰線の面積が多ければ多いほど、その傾向は強くなります。株価などが上昇するということは、多くの買いが入っているということなので、必然的にローソク足も陽線が増えてきます。

このような視点で、相場がどちらに向かおうかとしているかということ(トレンド)を計ることができます。

例えば、陽線が陰線よりも多い相場では、買いから入ったほうが有利だと判断できます。また、陽線と陰線の数が同程度であれば、市場が上昇しようか下降しようか迷っているということがわかります。ですから、陽線が多かったのに、徐々に陰線が増えてきたら、そろそろ売り時かなという判断もできます。

これだけの判断でも、将来を随分見通しやすくなりますが、実際の取引では、ローソク足の傾向に加えて、移動平均線やボリンジャーバンドなどのテクニカル分析を加えて、予測の精度をさらに上げていくのが一般的です。

5.ローソク足の歴史と酒田五法


ローソク足は日本で生まれたと前述しました。具体的には、江戸時代の米相場を予測するために作られたのが、ローソク足です。考案者は相場の神様といわれた本間宗久といわれています。本間宗久は、ローソク足を使用した有名な分析手法である、「酒田五法」を作ったということでも有名です。上記で紹介したローソク足の分析手法も、「酒田五法」がもとになっています。

そう考えると不思議な気持ちになりませんか。江戸時代の日本で生まれたローソク足が、未だ世界中で使用されているのです。

かつて私は、海外にかぶれていたというか、日本のものよりも欧米のものの方が優れているという思い込みを持っていました。ですから、日本のものを半ば馬鹿にしていて、投資においても海外の手法ばかりを学んで、実践していた時期があります。もちろん、それらの手法の中にも優れたものがたくさんありましたし、実践でかなり役立ったものもあります。

しかし、こうした海外の投資手法を学んだのちに、ローソク足の分析をはじめとした、かつての日本人が考案した叡智を改めて見てみると、その精緻さに驚くのです。より優れたものを追い求めて海外に目を向けていたのに、そのエッセンスが自分の国の、しかもはるか昔、江戸時代に既に発明されていたのですから。

そのような叡智に触れていると、江戸時代の知識人は、時間に追われ生気を失っている今の日本人よりもずっと思慮深く、賢かったのではないかと思えてきます。そしてそんな国に生まれた自分自身も、なんだか誇らしく思えてくるのです。

なお、酒田五法を詳しく知りたければ、以下の記事を参考にしていみてください。チャートを使ってより大きな流れを読む方法について解説しています。

酒田五法とはローソク足に必須の知識|チャートパターンや勝率、本を解説

6.ローソク足を極めるためにおすすめの本


前章で、ローソク足の歴史やかつての日本人が考案した相場での叡智のことについて触れましたが、現在書店で買えるという意味で、その頃の知識を我々に伝えてくれる本は、そう多くはありません。しかし、あなたが、ローソク足の分析を極めるとともに、かつての日本人の叡智に触れたいと思うなら、『定本 酒田罫線法』林 輝太郎 (著)をオススメします。

酒田五法の本質は単に、ローソク足で相場の上げ下げを予測することに止まりません。ポジションの取り方や今でいうリスクヘッジのようなものも、既に考案されています。そして、それは現在のFXや株式相場などにも十分応用可能です。なぜなら、欲や絶望という人の心理は、江戸時代であっても、国が違ったとしても似通ったパターンを描き出すからです。

7.おわりに|ローソク足は株やFXの基礎教養になる


ローソク足は、株式投資やFXで取引するうえで、必ずあなたのプラスになる知識です。あなたがチャートソフトなどで、ローソク足を見られる状況なら、ぜひこの記事で書いた知識を用いて、チャートを見てみてください。きっと、これまでとは違ったふうに見えてくるはずです。

そして、チャートを視覚的に注意深く見ることを続けるうちに、どんなときに相場が転換するのかということも感じ取れるようになってきます。あなたが、投資や投機をしているなら、自分の資金が減ったのか増えたのかということばかりに目がいきがちです。それはもちろん大事なことですが、それ以上に大切なことはローソク足や相場を見る自分自身の目を育てていくことです。相場を見る目を育てることが、結果的にあなたの資産を増やしていくからです。