FXのスプレッドとは|為替と金融では意味が違う?計算も解説


スプレッドとは、通貨を買う際の価格と、売る際の価格の差のことを指します。FXをやっていると日常的に出会う専門用語です。

この記事では、スプレッドの意味や、仕組み、なぜスプレッドが存在するか、FXを取引する際に、スプレッドがあなたにどんな影響を与えるのかなどについて解説。また、金融用語との違いなどにも言及します。スプレッドについて一度詳しく知っておくことは、あなたの将来にきっとプラスになるでしょう。

1.スプレッドとは|FXでの意味をわかりやすく教えます


スプレッド (Spread) の元々の意味は、英語で「広げる」または「延ばす」ということです。転じて、FXでは買うときの値段(BID)と、通貨を売るときの値段(ASK)の差のことをスプレッドと言っています。

この章ではスプレッドについて、具体例をあげて初心者にもわかりやすく解説するとともに、スプレッドの計算方法や、金融取引での意味ついて説明します。

1-1.スプレッドの意味を具体例を挙げて解説

テレビなどで為替レートの報道があるとき、「1ドル110円27銭から33銭で取引されています」という言葉が聞かれます。ではこの「27銭から33銭」というのは一体なんでしょう? 27銭なのか37銭なのかはっきりしてもらいたいですよね。

でもこれは為替レートの仕組み上、仕方ないことです。なぜなら、FX会社などを通して取引する際に、買うときに提示される価格と、売るときに提示される価格が違うからです。

例えば、上記の例だと、現在チャートなどが示している価格は110円30銭ですが、0.3円のスプレッドがあり、買うときは「110円33銭」、売るときは「110円27銭」ということを示しているのです。

1-2.初心者でも簡単!FXのスプレッドの計算方法

スプレッドはFXで取引するときに、支払っている隠れた手数料のような役割を持っています。ではこのスプレッドによって、あなたがFXで取引するときに、どれくらいコストがかかっているのでしょうか。スプレッドはFX会社によって設定している値が違いますし、時間帯や相場の急変動などによっても変化します。

スプレッドの計算式は以下のようになります。簡単ですよね。

スプレッド×取引通貨量=コスト(手数料)

具体的に計算してみると、スプレッドが0.5銭の場合ならこんな感じです。

1万通貨を取引する場合は「0.5銭×10,000通貨 = 5,000銭 = 50円」
5万通貨を取引する場合は「0.5銭×50,000通貨 = 25,000銭 = 250円」

なお、あなたの契約によりますが、FXは通常10,000通貨を最低単位として取引していることが多いです。

1-3.金融取引におけるスプレッドは金利差や価格差のこと

株式取引や商品取引などの金融取引においては、FXとは微妙に異なった意味でスプレッドという言葉が使われるので、混同しないようにここでしっかり押さえておきましょう。

金融取引でのスプレッドの意味は、株式と商品取引など2つの金融商品の金利差や価格差を利用して行う裁定取引のことです。通常スプレッド取引と呼ばれています。

スプレッド取引の具体例を挙げてみましょう。

例えば、株式投資で、東京証券取引所と大阪証券取引所で同一銘柄の株価が異なるケースがあります。その際に、割高な方を売り、割安な方を買うことにより、その価格差分の利益を確保することができます。

2.FXのスプレッドがあなたの取引に与える意味


FX取引でのスプレットは、多くの場合、小さな額に見えるかもしれません。また、株式相場のように手数料という形で徴取されるわけではないので、スプレッドの意味について深く考えたことがない人もいるかもしれませんね。

例えば、FXでランダムに取引すれば、取引回数が増えれば増えるほど、勝率は五分五分に近づいていきます。五分五分ということは、プラスマイナスゼロということになりますが、実際にはプラスマイナスゼロにはなりません。取引した回数だけのスプレッドがマイナスとなります。

例えば、10,000通貨を取引していてスプレッドが0.3円と業界の中では安いものであっても、1000回取引していたとしたら、3万円ものマイナスとなるのです。つまり、普通に五分五分で取引していたら、スプレッド分どんどん資金が減っていくということになリます。

ですから、FXを取引するなら五分五分ではいけません。スプレッド分以上の利益がのぞめる、優位性のある手法を使わなければ勝てないということです。

こうした意味でも、スプレッドが安いFX業者を選ぶに越したことはありません。

3.短期トレードほどスプレッドが重要


一般的に取引期間が短くなるほど、取引回数が増える傾向にあります。例えばスイングトレードよりは、デイトレードの方が取引回数が増えますし、デイトレードよりもさらに短期のスキャルピングの方が取引回数が増えていきます。

つまり、短期売買であればあるほど、スプレッドの存在が重要になってきます。ですから、スプレッド(手数料)の影響をあまり受けない(取引回数の少なくなる)長期トレードの方が本質的には有利ということになります。

しかし、FXのような長期予想が難しい市場で、長期トレードをするのは現実的ではありません。そうした意味で、FXは特に素人には難しい投資の一つと言えるかもしれません。