FXで勝率を高くする方法|手法は関係ない!期待値の導入で利益を上げる


このページを開いてくれたあなたは、FXをやっていて、恐らく良い結果が出ていないのではないでしょうか。だから、勝率の高い手法を探し求めているのかもしれません。しかし、いい手法を探し当てたとしても、それだけで一生稼ぎ続けるのは難しいです。なぜなら、今現在は有効な手法でも、相場の流れによって有効ではない手法に変わっていくことは、よくあることだからです。

けれど、あなたがどんな手法を使っていようと、利益をあげる考え方があるとしたらどうでしょう? その方法を知ってみたくないでしょうか。そこで、この記事ではFXで稼ぐための基本的な考え方を解説します。

1.FXの勝率を上げるための手法以前に知るべきこと


FXの勝率を上げるための方法を解説する前に、あなたに知っておいてもらいたいことがあります。それをこの章で、簡単に触れておきます。

1-1.FXで勝率を上げるメリット

FXで勝率が上がれば、メリットしかないと普通は思うでしょう。でも、なぜ勝率が上がればメリットになるのでしょうか? 確かに、勝ちトレードが増えれば利益も増えそうです。でも、勝率が高くても最終的には負ける人もいます。少し論理的に考えてみましょう。

1-2.トレーダーに勝率は関係ない?勝率50%でOK?

よくトレードに勝率は、関係ないという人がいます。勝率が5割でも十分利益は出せるとか、勝率2割でも大金を稼ぐ人はいます。たとえば、負けトレードが8回で勝ちトレードが2回の場合、8回のトレードで1トレードあたり10万円の損失を出しても、2回のトレードで1回トレードあたり50万円の利益を出せるなら、100万円-80万円で20万円の利益が残ることになります。しかし、FXでこのようなトレードは可能でしょうか?

確かに、長期のトレードなら論理的には可能です。しかし、短・中期トレードの場合、かなり難しいと言わざるを得ません。なぜなら、100万円まで利益を伸ばそうとしても、ほとんどの場合、元値付近まで戻ってくることが多いからです。これは、FXの値動きの8割が行ったり来たりのレンジ相場になっていることに起因します。もちろんトレンドが出ることもありますが、1日から数日のトレードでは利益を損失の5倍まで伸ばせるような機会は非常に限られています。

では、どうするべきでしょうか。答えは、ある程度勝率を上げて現実的な利益を狙うことです。あなたが、トレードする通貨は、1日あたりどれくらいの値幅があるでしょうか。そこから逆算すれば、どれくらいの利益を狙うのが現実的なのかがわかってきます。

ここで言いたいことは、あなたに必要な勝率はどれくらいの利益を狙え、どれくらいの損失で抑えられるかの比率で決まるということです。こうしたことは、期待値という概念で説明できますが、期待値については後述しましょう。ここで覚えておいてほしいのは、勝率を上げることができれば、無茶な利益を狙わなくても最終的に利益を残せるようになるということです。これが勝率を上げることの最大のメリットになります。

1-3.FXの勝率が高い手法はたまたまも多い

では、勝率を上げるにはどうすればいいでしょう。一般的な人が、真っ先に思い浮かべるのはトレード手法です。つまり、勝率の高い手法を手に入れることができれば、勝ち続けることができるのではないかというものです。確かに、論理的には間違っていないように見えますが、本当にそんな手法が存在するのでしょうか。

まず、トレンド相場とレンジ相場の両方に対応できる手法は見たことがありません。そして、相場の様相は刻一刻と変化しています。ある場面では、高い勝率を誇っていた手法でも、次の瞬間通用しなくなることは、経験上よくあることなのです。

勝率の高い手法を知る人が多くなればなるほど、その手法は通用しなくなってきます。FXはゼロサムゲームなので、全員が勝つことはできません。あなたのポジションに利益が出たときに、負け組になる誰かに売りつけないと勝つことができないゲームなのです。ですので、多くの人が勝率の高い手法を使ったとして、誰が利益の乗ったあなたのポジションを買ってくれるのでしょうか? 勝率が高いとされる手法を使う人が多くなれば多くなるほど、市場はあなたの利益を引き受け切れなくなり、あなたの想定していた結果と逆に動くはずです。

2.FXで低い勝率の上げ方|期待値を導入する

2-1.あなたのFXの勝率が低い理由

そもそも、なぜあなたの勝率が上がらないのか、その本当の理由がわかりますか?
答えは、FXで何が勝ちなのかという定義自体が間違っているからです。恐らくあなたは、1回のトレードで利益が出たら、それが勝ちトレードだと定義しているでしょう。そう定義しているうちは、利益を上げることは難しいでしょう。

ですので、あなたのトレードに期待値を導入して定義を変えてみませんか? 実はFXは勝率で考えるのではなく、どれだけ期待値が高いトレードができているかで勝敗が決まるからです。では、期待値とは一体何でしょうか。次項で解説していきます。

2-2. FXの秘訣は期待値で利益が増える確率を上げること

FXにおける期待値とは、ごく簡単いえば、1回のトレードがどれだけお得かを計算する方法だと言えます。つまり、あなたがこれからやろうとしているトレードのお得度を数値として表現できるということです。お得度が高いトレードばかりを続けることができれば、勝率など全く関係なくなってくると思いませんか?

期待値の計算そのものは簡単で、以下のようになります。

期待値=(勝つ確率×平均利益)-(負ける確率×平均損失)

たとえば、あなたがある手法を使って4回に1回は30pips取れるとします。そしてその手法を使うときは、損切りを毎回10pipsに設定しているとしましょう。

そうすると、4回に1回勝てるということですから、勝つ確率は25%、平均利益は30pipsです。逆に負ける確率は4回に3回負けているということですから、75%、平均損失は10pipsですね。これを、式に当てはめてみると、期待値が計算できます。

(25%×30pips)-(75%×10pips)=期待値0 pips

計算すると、期待値がゼロpipsということになります。ゼロということは、何ら優位性はないということですから、この手法を今のままやり続けても、全くお得ではないということになります。期待値はどれだけ低くても1以上は欲しいところです。もちろん、高ければ高いほどいいです。

FXは、手法と利益確定ポイントと損切ポイントをセットで考えて、期待値が最大になるポイントを探すゲームと再定義してみたらいかがでしょう。そうすれば、これまでとは全く違ったイメージでトレードできるようになると感じませんか?

たとえばですが、上記と同じ手法を使って、損切りの設定を15pipsにしたら損切りにひっかかることが少なくなり、平均3回に1回は勝てるようになったとします。そうなると、

(33%×30pips)-(66%×10pips)=期待値3.3 pips

となり、期待値が改善しましたね。このように、手法だけではなく最適な利益確定ポイントと損切りポイントを探っていくのが現実的なやり方なのです。

3.勝ち続けるのは難しいが期待値を上げることはできる


FXですべてのトレードで勝つのは不可能ですし、どれだけ勝率が高い手法でも廃れるときがきます。もし、あなたが勝率の高い手法を手にしているとしても、期待値の概念を知っていれば、通用しなくなってきていることが、数値として現れるはずです。

あなたがどんな手法を使っていようと、利益確定ポイントと損切りポイントをどこに置くかで期待値を上げることが可能です。私は試したことはありませんが、たとえランダムエントリーであっても、絶妙な利益確定ポイントと損切りポイントの数値設定次第では利益が出るかもしれません。ぜひ手法ばかりに気を取られず、利益確定ポイントと損切りポイントの設定で期待値が、どれだけ変化するかを意識してみてください。同じ手法でも劇的に変化することがあります。そして、その絶妙な数値設定は、手法と同様にあなたの財産になるでしょう。