FX手数料はなぜ無料なのか?|スプレッドの仕組みや安い業者を徹底比較!


あなたは、これからFXを始めたいと考えてこのページを開いたのかもしれませんね。「FXの手数料は、いくらかかるの?」「FXの手数料は、無料といわれているけれど本当なの? 無料なのには、何か裏があるんじゃないの?」と疑問に思うのは、当然のことです。

この記事では、様々なFX会社で取引口座を開いて実際に取引してきた著者が、FXの手数料の仕組みや、FX業者がどうやって利益を出しているかを解説します。さらに、実際にいくら手数料がかかるのか、どこのFX会社がお得なのかも紹介しましょう。

この記事を読むことで、FXの手数料にまつわるカラクリが理解でき、どうすればあなたが得をするかということまでわかります。ぜひ記事を読んで、自分に有利になるように、取引をしてください。

1.FXの手数料はなぜ無料なのか?その仕組みとは


株式取引では、株を買ったり売ったりするときに、手数料がかかります。また、売買する数量によって手数料は高くなっていきます。しかし、FXではほとんどの業者が手数料無料をうたっています。手数料が無料であれば、業者は儲からないんじゃないの?と思いますよね。けれど彼らはちゃんと稼いでいます。この章では、FXの手数料の仕組みを解説して、どうして無料にできるのかということを説明していきます。

1-1.fxの取引手数料は実際いくら?本当に無料?

最近は、FXの取引手数料は無料にしているFX会社がほとんどです。つまり手数料は0円です。けれど、手数料がかかっていないからと言ってあなたが損をしていないとは限りません。

手数料以外のところで、取引が不利になるような仕組みが作られているからです。そして、FX業者はその仕組みで、儲けています。その仕組みが、スプレッドと呼ばれているものです。スプレッドについて、次項で解説していきましょう。

1-2.FXの仕組みを知るカギ。スプレッドとは

ここでは、FXにおける実質の手数料ともいえる、「スプレッド」について、例をあげて解説していきます。

例えば、現在ドル円が110.50円だとしましょう。あなたが、このドル円を買おうと思ったとします。しかし、現在表示されている110.50円では買うことができません。売る時も同じで、110.50円では売れないのです。

FXでは、通貨ペアを売買する際に、買いレート(ASK)と売りレート(BID)が示されています。
例えば、

現在価格 110.50円
ASK 110.55
BID 110.45

という具合です。つまり、買う時は現在の為替の価格よりも高く買うことになりますし、売る時は現在の為替の価格よりも安く売ることになります。この価格差がスプレッドです。

1-3.FX会社は手数料無料でどうやって儲けるのか

勘が鋭い方は、もうお分かりですよね。FX業者は、このスプレッドが儲けの一つになっています。スプレッドを広く取っている業者ほど、利益を抜きやすいです。つまり、同じ時間にドル円などの通貨ペアを買おうとしても、為替レートは同一でもFX会社によってスプレッドが違いますから、買える価格、売れる価格が違うということが起こります。

また、FX会社の儲けの手段は、スプレッドだけではありません。実際に見比べてみればわかりますが、例えばドル円がレートがいくらかという提示そのものが、FX会社によって違っていることもあります。誤差レベルのものですが、あるFX会社(仮にAとしましょう)では今現在のドル円のレートが、115.00円と提示されているのに、別のFX会社(仮にBとしましょう)では、114.99円と提示されているということが起こっています。

FX会社はドル買いの注文が入ったら、インターバンクからドルを仕入れてきてそれを売っているのです。この時インターバンクから買い取ってくる値段が、114.98円だったとしたら、Aの会社は0.2銭、Bの会社では0.1銭儲けているということになります。

たったこれだけの儲けなら大したことがないと思うかもしれませんが、FXでは1日のうちに膨大な数の取引が行われていますし、巨大なロットで取引する人もいます。となると、チリも積もれば山となるではないですが、一回一回の取引での儲けは少なくても、莫大な利益になっていきます。

ちなみに、FXのレートは、相場の状況によって、FX業者によって自由に設定できることになっています。わかりやすいたとえをあげると、時計のロレックスを買おうとしたら、店頭で示している価格は、お店によって微妙に違いますよね。近所のお店では定価で売られているけれど、遠くのお店では割引されていたり。これと同じことを、FX業者はやってもいいということになっています。

けれど、ここで考えておかなければならないのは、時計ならそのお店で値段を見て買うかどうかをじっくり決めればいいけれど、FXの取引はタイミングが重要になってきます。また即決しなければいけない状況もあります。そんなときに、他の業者のレートはどうなっているかなんて、いちいち確認していられません。割高であっても決済しなければならないときは、決済しなければならなくなるでしょう。

ですから、FX業者を決める際は、基本のスプレッドが低い業者を選ぶのはもちろんですが、提示している価格が妥当かという視点も持っていた方がいいでしょう。しかし、おおっぴらにやればもちろん叩かれますので、提示している価格の違いは、多くの場合誤差レベルと考えても差し支えありません。

なお、上記のようなFX業者によって提示されている価格が違うのは気持ち悪い。もっと公平な取引がしたい!という人のために、別の取引方法が用意されています。それがクリック365クリック365ラージです。

クリック365とは、各FX会社が、株で言えば東京証券取引所のような取引所を使って、取引を成立させる仕組みです。ですから、クリック365では、FX会社が勝手にレートを変えることはできませんし、スプレッドも統一されています。つまりどのFX会社で取引しようと、同じ時間に取引すれば、全く同じ価格で取引ができます。

1-4.FXの実質手数料を計算すると


FXの実質の手数料は、スプレッドだということが理解できたと思います。では、スプレッドという名の手数料は、いくらかかるのでしょう? それは各FX会社が設定している、基本のスプレッドを見てみればいいのです。例えば、GMOクリック証券ならドル円のスプレッドは0.3銭に設定されています。とすると10,000通貨(1ロット)を買う場合は、以下のような計算式になります。

買う通貨量×設定されているスプッド=実質の手数料

これに数値を当てはめると、

10,000通貨× 0.3銭= 3,000銭 = 30円

つまり手数料は30円ということです。では、100,000通貨(10ロット)の場合はどうでしょう。

100,000通貨× 0.3銭= 3,000銭 = 300円

となり手数料は300円となります。つまり、売買するロット数が多くなればなるほど、スプレッドによる影響は大きくなると言えます。

1-5.タイミングによってはFX手数量は割高な事も

上述したように、各FX会社では、実質手数料とも言える基本的なスプレッドを公表しています。例えばAというFX会社では、0.3銭となっていたとします。しかし、深夜や早朝になると、頻繁にスプレッドが0.7銭に広がったり、重要指標前になると10銭以上スプレッドが広がったり、ということが起こります。「低いスプレッドが魅力で、このFX会社にしたのに、頻繁にスプレッドが広がるなら結局割高じゃないか」と誰だって思いますよね。

とはいえ、これは、どのFX会社でもある程度やっていることです。一気に為替相場が動きそうな時に注文が入れば、FX会社はインターバンクから仕入れてきて顧客にポジションを渡さなければなりません。でも為替変動が激しいときは、仕入れた瞬間に、為替価格が大きく動いているということが普通に起こります。ですからスプレッドを広げて、リスクに備えているのです。こうしたリスクに、どれくらいスプレッドを取っているかは、それぞれのFX会社によって異なります。

1-6.FXロスカット手数料に注意

FXは、手数料無料をうたっているところがほとんどですが、どのFX会社を使っていても、必ず手数料を取られるケースがあります。それは強制ロスカットになったときです。

強制ロスカットとは、証拠金を預けてレバレッジを掛けた取引を行っている際に、急激な相場変動などで、予想以上に大きな損失をこうむる場合があります。そのようなとき、一定割合以上の損失が発生したトレーダーのポジションを強制的に決済して、損失を証拠金内におさめるシステムのことです。

私もかつて強制ロスカットを食らった経験がありますが、強制ロスカットの際の手数料は結構高いです。確か1ロットあたり1000円近い手数料でした。しかし、そのような状態になっているということは、損失の方がもっと大きいはずなので、この高い手数料さえ気にならないかもしれません。

どちらにせよ、強制ロスカットを食らうような事態にならないために、レバレッジを制御したり、ポジションを調整したりすることが何より重要です。私は一度強制ロスカットを食らって目が覚めたと言いますか、結果的に良かったこともあるのですが、あなたにはあのような惨めな思いはして欲しくはないですね。

2.FX(為替)取引会社の手数料を比較


この章では1章を踏まえて、ではどのFX会社で取引するのがいいのかを比較・検討していきます。FX会社は、人によって評価が違います。その理由の多くは、その人が取引している時間帯によってスプレッドの広がり等が違うからではないかと考えています。

ですから、本来は、あなた自身が、複数のFX会社で実際に取引してみて、自分に合ったものを見つけるのが手っ取り早いと思います。手間はかかりますが、口座を作るのは無料なので、やってみる価値は十分にあります。しかし、目安になるものも必要ですから、ここではあくまで私が実際に取引してみた感覚での意見を述べます。

2-1.FX手数料|マネックス/GMO/DMMで安いのは?

基本となるスプレッドの広さは、通貨ペアによって違います。一般的に、最もスプレッドが狭いのがドル円です。ドル円の基本スプレッドを狭くしているFX会社は、他の通貨ペアのスプレッドも狭い傾向にありますので、ここでは、ドル円のケースを中心に述べます。

スプレッドが安いとされているFX会社の代表格は、「DMM FX」「GMOクリック証券」「SBI FXトレード」などでしたが、最近では他のFX会社もスプレッドを狭めており、0.3銭以下を提示しているFX会社がほとんどです。さらに、スプレッドの幅はどんどん狭まっており、マネックス証券では、注文数量によっては0.2銭のスプレッドをうたっています。SBI FXトレードでは、1万通貨注文まで0.27銭です。

FX業界全体でみれば、どの会社もスプレッドを狭めてきている状況です。ですから、ドル円に限って言えば、一部の極端にスプレッドが広いFX会社を除き、どのFX会社を使っても大差がないと言えます。









2-2.楽天や外為オンラインは手数料が高い?

楽天FXはドル円に限って言えば、スプレッドが0.3銭と標準的ですが、ユーロ円になるとスプレッド1.1銭と少し割高かもしれません。他の手法FX会社ではユーロ円のスプレッド0.5銭程度です。
外為オンラインは、ドル円ではスプレッドが1銭、ユーロ円が2銭とどちらも割高といえますが、ツールやニュースが充実しているのは特筆すべきことでしょう。

3.おわりに|オススメのFX会社は?


この記事では、手数料やスプレッドのことを紹介しました。もちろんFXは何度も取引するものなので、毎回スプレッドの影響を受けているなら、スプレッドで不利なものなら、長くやればやるほどその影響は大きくなっていくでしょう。

けれど、FX会社を選ぶ際に、手数料やスプレッドと同じくらい大切なことがあります。それは、FX会社から提供されている情報や、ツールをあなたがどれだけ頻繁に使用するかということです。例えば、このFX会社のニュースは取引をする際に役に立つとか、スマートフォンのツールがこのFX会社は使いやすいとか、そういった要素もかなり重要です。

具体名はあげませんが、あるFX会社のツールが非常に使いづらく、過去に間違って注文してしまって大損したこともあります。こうしたことは、感覚的なものもあるので、多くは語りませんが、ツールが使いやすいか、使いづらいかということもFX会社を選ぶ際に、一つの基準になるということも大切です。私なら、スプレッド0.2銭くらいの差なら、ツールがすぐれているFX会社を選びます。

ツールが充実しているのは、GMOクリック証券、外為オンラインあたりです。ニュースが充実しているのは、外為どっとコム、外為オンラインになるでしょう。私が自分の友人にオススメするなら、とりあえずGMOクリック証券と外為オンラインの口座を作ってみることをオススメすると思います。また、メタトレーダー4(MT4)という優れたチャートソフトで直接取引したいなら、JFX「MATRIX TRADER」やオアンダジャパンの口座を作っておいても損はありません。そのFX会社で取引しなくても、ツールだけを使い続けることもできます。またほとんどのFX会社では、口座維持手数料のようなものはなく、無料で口座を維持できるので、とりあえずいろんなFX会社で口座を作ってみて、実際に使ってみることをオススメします。