アメリカ株の特徴と買い方|米国株式市場の種類や時間、配当や優待を解説


アメリカ株は、世界で最も注目されている株式市場といえるでしょう。なぜなら、世界一の経済大国である、アメリカ合衆国で取引されている市場だからです。

アメリカ株の株式取引所であるニューヨーク証券取引所(ちなみにトップの写真がニューヨーク証券取引所です)の売買代金は、15兆ドルを越えますが、日本の東京証券取引所の売買代金は5兆ドル程度です。かといって東京証券取引所決して小さい市場というわけではなく、たとえば欧州の経済の一角を担うドイツ銀行の売買代金は2兆ドルにも達していません。これだけ見ても、アメリカの株式市場がいかに大きいかがわかるでしょう。

この記事では、アメリカ株にはどんな種類があるのかやNYダウとの関係、日本からアメリカ株をどうやって買うのかについて解説します。また、アメリカ株の配当や優待、おすすめの銘柄などについても紹介します。

1.アメリカの株式市場は2種類


日本では、東京証券取引所やジャスダックなどで株式の取引が行われていますが、これと同じようにアメリカでも、ニューヨーク証券取引所やナスダックなどで株式取引が行われています。では、日本の株式取引所とアメリカの株式取引所には、どんな違いがあるのでしょうか? それを伝えるために、まずアメリカ株の種類や概要などを解説します。

1-1. アメリカ株とは?アメリカ株の種類

あなたが、アメリカ市場で株式取引をしたいと考えているなら、ニューヨーク証券取引所とナスダックの2つを覚えておけば問題ありません。ニューヨーク証券取引所は、言わずと知れた世界最大の証券取引所で、世界で2番目に古い証券取引所(最古はロンドン証券取引所)でもあります。英語で表記すると、New York Stock Exchangeで、この頭文字をとって「NYSE」とよく略称されるので覚えておきましょう。

ナスダックは、世界で初めてコンピューターネットワークを使った株式取引を行った株式市場です。ニューヨーク証券取引所と比べると、ベンチャー企業やIT企業といった銘柄が中心になります。

1-2. アメリカの株式市場の時間と休場日

アメリカ株の取引時間は、基本的には日本時間の23時30分〜翌朝6時までです。基本的にと書いたのは、アメリカにはサマータイムがあるからです。

日本ではサマータイムと呼ばれていますが、本国アメリカではデイライトセービングと呼ばれることが一般的です。直訳すると、「日光節約時間」。つまり、太陽光を有効に活用していくために、時間を1時間繰り上げようという制度のことです。サマータイム期間は、日本時間の22:30~翌朝5:00が取引時間となります。

1-3.NYダウとアメリカ株の関係とナスダック総合指数

ニュースや新聞では、アメリカ株の好調さなどを示すときに「ダウ」とか「ニューヨークダウ(NYダウ)」の指標が使われることが多いです。でも、このダウとは何のことだかわかりますか? アメリカの株式の文脈で「ダウ」を使うときは通常、NYダウのことを指しており、正式名称はダウ・ジョーンズ工業株価平均と言います。ダウ・ジョーンズ工業株価平均は、アメリカを代表する30銘柄を時価総額、名声、投資家からの関心、持続的な成長などの観点から厳選してその平均を出したものです。

ここで言いたいのは、NYダウは、ニューヨーク証券取引所の銘柄全体の平均ではないし、ニューヨーク証券取引所の銘柄全体の傾向を表したものではないということです。なぜなら、NYダウの30銘柄には、アップルのようなナスダック市場の銘柄も含まれているからです。ですから、NYダウは、ニューヨーク証券取引所の値動きというよりは、アメリカの株式市場全体で、特に好調な銘柄の値動きと捉えたほうがしっくりきます。

なお、ナスダック市場の値動きを表したものに、ナスダック総合指数があります。これは、ナスダックに上場しているすべての銘柄を対象にしているので、純粋にナスダック市場全体の値動を示したものと言えます。

ちなみに、NYダウの30銘柄は以下で構成されています。あなたも、どこかで聞いたことがある超有名銘柄ばかりだと感じるのではないでしょうか。

アイ・ビー・エム(International Business Machines Corp.)
アップル(Apple Inc.)
アメリカン・エキスプレス(American Express Co.)
インテル(Intel Corp.)
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(Walgreens Boots Alliance, Inc.)
ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Co.)
ウォルマート・ストアーズ(Wal-Mart Stores Inc.)
エクソンモービル(Exxon Mobil Corp.)
キャタピラー(Caterpillar Inc.)
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)
ザ コカ・コーラ カンパニー(The Coca-Cola Co.)
JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase and Co.)
シェブロン(Chevron Corp.)
シスコシステムズ(Cisco Systems, Inc.)
ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson Inc.)
スリーエム(3M Company)
ダウ(Dow, Inc.)
トラベラーズ(The Travelers Companies,Inc.)
ナイキ(Nike, Inc.)
ビザ(Visa)
ファイザー(Pfizer Inc.)
プロクター・アンド・ギャンブル (Procter & Gamble Co.)
ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications Inc.)
ボーイング(Boeing Co.)
ホームデポ(The Home Depot Inc.)
マイクロソフト(Microsoft Corp.)
マクドナルド(McDonald’s Corp.)
メルク(Merck & Co.)
ユナイテッド・ヘルス(UnitedHealth Group Inc.)
レイセオン・テクノロジーズ(Raytheon Technologies Corp.)

2.アメリカ株の特徴|アメリカ株は高配当


アメリカ株は日本株に比べて、高配当ということを聞いたことがあるかもしれません。すべての銘柄で高配当というわけではありませんが、確かに日本の銘柄に比べて配当が多い銘柄が多数あります。ここでは、なぜアメリカ株な高配当なのかなど、アメリカ株の配当の特徴を見てみましょう。

2-1.米国株 は年に4回配当が出る銘柄も

日本の株式銘柄で、配当が出る場合でも年に1、2回です。これに対してアメリカの株式市場では、年に4回配当が出る銘柄が多いです。これは、日本の企業よりもアメリカの企業の方が、株主を重視するという意識が高いからだと考えられます。

2-2. 米国株は株主優待を配当に

日本の株式銘柄を買うと、株主優待がもらえるケースがありますよね。たとえば、家電量販店の株式ならお買い物優待券がもらえたり、外食産業の株式を持っていると食事券が送られてきたりします。

では、「米国株を買ったら株主優待はどうやって送られてくるのだろう?」という疑問を持つ人もいるかもしれません。実は、米国株には株主優待制度がありません。その分を、配当金に回しているという考え方もできます。

3.アメリカ株はどこで買える?米国株の買い方


ここまで読んで、アメリカ株に興味をあなたは、「じゃあ、アメリカの株はどうやったら買えるの? 売買の仕組みは日本の株と同じなの?」と疑問を持ったかもしれません。アメリカ株は日本国内にいても購入することができますが、どこでも取り扱っているわけではありません。また、日本の株とは多少仕組みが違うところもあります。この章で、詳述していきましょう。

3-1.アメリカ株と日本株の違い

日本の株式市場には、単元株制度というものがあります。たとえば、1株2000円の株があったとしても、日本では基本的に100株単位でしか株を購入することができません。ですので、1株が2000円の株なら、最低でも20万の資金がないと、その株を保有できないということです。

しかし、アメリカの株には単元株制度がないので、1株から購入できます。このことから、実はアメリカの株は資金が少なくても投資しやすいのです。

また、日本の株式市場には、ストップ高、ストップ安といった値幅制限がありますが、アメリカの株にはこのような値幅制限は基本的にありません。ですから、高騰すれば大儲けできる可能性がありますし、反対に暴落すれば大きな損失を被ってしまう可能性もあるということです。

3-2.アメリカ株を購入するには

アメリカ株を購入するには、いろんな方法がありますが、最も簡単なのは、アメリカ株を取り扱っている日本の証券会社に口座を開いて取引することです。日本の証券会社で、アメリカ株を扱っているのは、以下の証券会社になります。

SBIネオモバイル証券
DMM株
マネックス証券
楽天証券

上記の証券会社では、当然日本の株式も扱っています。ですので、まず日本株が買える一般的な証券口座を作った後に管理画面から、アメリカ株を買うための外国株式取引口座を開設するのがスムーズでしょう。

4.アメリカ株 おすすめ銘柄 2020|今後暴落しないの?


コロナショックやリーマンショックなどもありましたが、長期的に見ればこれまでのところ、アメリカの株式市場は安定して成長し続けています。もちろん銘柄にもよりますが、日本の株式市場と比較すると、長期的な値上がり幅はアメリカ株の圧勝です。日本の株とアメリカ株の関係を詳しく知りたい方は、以下の記事を見てみてください。

ダウ平均株価とは?FXや日経平均との関係や時間や予想をわかりやすく解説

オススメのアメリカ株については、投資は自己責任なので個人の判断に委ねたいところですが、最も手っ取り早いのは、上記で紹介した、NYダウの30銘柄の中からいくつかピックアップして分散して投資するのは、今後もアメリカ経済が好調だという前提の上でなら悪くない方法です。

ただし、これまで長期的に好調だったアメリカ株でも、今後絶対に値上がるということは誰であっても断言することはできないでしょう。特にそろそろ10年周期の下落時期に当たります。こうした見通しが必ず当たるとは言えませんが、暴落の兆候が見えたときにはいつでも資金を引き上げられるようにしておくことをオススメします