テクニカル指標の使い方や一覧、おすすめの本を初心者にもわかりやすく解説
この記事を開いてくれたあなたは、恐らくFXや株をやっていて、テクニカル指標を使って利益を出したいと考えているのではないでしょうか。あるいは、既に何らかのテクニカル指標を使っていて、思うような利益が出せないから、ここを覗いてくれたのかもしれませんね。どちらにせよ、有効なテクニカル指標さえ知っていれば、利益が出せると思っているのではないですか?
しかし、テクニカル指標を使って単にサイン通りに取引をするだけでは、継続的な利益はおぼつかないはずです。そもそも、テクニカル指標とはどんなものなのかという、根本を知ったうえで使わないと、最終的には大きな損失を被る可能性さえあるのです。
この記事では、株やFXで様々なテクニカル指標を検証しながら使ってきた筆者が、テクニカル指標のそもそもの意味や種類、どんなときに有効なのかや、どんな考えで運用すればベストなのかを解説します。テクニカル指標を勉強するうえで、オススメの本なども紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.テクニカル指標とは?初心者にもわかりやすく種類を解説
ここでは、テクニカル指標とは、何なのかということについて解説します。一般的にはテクニカル指標を、神のごとく絶対的なものだと捉えがちですが、そもそも何なのかがわかればその誤解はとけるはずです。こうしたことを知ることで、テクニカル指標をどう使えばいいかがわかってくるでしょう。
1-1.テクニカル指標とは何?英語圏では?
そもそも、テクニカル指標とはいったい何でしょうか? なぜ、これを使えば勝てるといわれているのでしょう。テクニカル指標とは、主に価格の推移をグラフ化したチャートに現れるパータンを使って、将来の値動きを予測するテクニカル分析の指標となるものです。
つまり、相場の値動きを分析する際に、その根拠となるのがテクニカル指標です。英語ではTechnical indicatorsと表現します。MACDやRSIなど相場を分析するツールのことを、インジケーターと呼んでいるのを見たり聞いたりしたことはないでしょうか。indicator(インジケーター)は和訳すると指標という意味です。英語でのテクニカル指標は、その複数形でTechnical indicatorsとなるわけです。
カンタンに言えば、こういう値動きの後はこういう値動きになることが多いよねというのを、グラフなどで単純化したり見やすくしたものがテクニカル指標だといえます。
1-2.FXや株の分析にテクニカル指標は有効?
株やFXで、何の根拠もなく売買していては、利益をあげられないでしょう。かといって、何を根拠に売買すればいいのでしょうか。もちろん株などでは、会社の業績などをもとに売買する方法もあります。こうした分析のことを、ファンダメンタルズ分析といいますが、業績がいいからといって必ずしも株価が上がるわけでもなありません。なぜなら、株価は将来的な好業績も織り込んで値がつけられるのが常だからです。つまり、あなたが会社を分析して将来もっと業績が伸びる可能性が高いと考えても、多くの場合、将来的な期待までもを織り込んで、すでに株価は上がっているものなのです。
そこで、会社の業績などではなく、値動きそのものに法則性があるのではないかと考えて、生み出されたのがテクニカル指標です。一口にテクニカル指標と言っても、多くの人が様々な考えで作っており、無数にあります。もちろん、全く使い物にならないテクニカル指標もあります。
1-3.テクニカル指標の見方・読み方・使い方
上記で、「こういう値動きの後はこういう値動きになることが多いよねというのを、グラフなどで単純化したり見やすくしたりしたものがテクニカル指標」と書きましたが、この中の「こういう値動きになることが多いよね」というのがミソです。ここをきちんと理解していないと、テクニカル指標は恐ろしい凶器にもなり得ます。
つまり、どんなテクニカル指標でも、こうなる傾向が強いということを表しているだけで、絶対にこういう値動きになると保証されたものではないということです。言い換えると、そのテクニカル指標を作った人が、当時は価格がこう動くことが多かったと言っているだけなのです。こうした見方を持っていないと、テクニカル指標を盲信しすぎて、大きな損失を出してしまうことにもなりかねません。
とはいえ、あなたが取引している相場環境にテクニカル指標が適合していれば、心強い味方になってくれます。ただし、上記でも説明したように、絶対的なものではないので、上手く機能しなかったときの対処法を考えておく必要があります。
2.テクニカル指標一覧|株にもFXにも使える!!
この章では、テクニカル指標には、どんなものがあるのかを紹介します。細かなものを挙げると、キリがないので、ここでは一般的に有効と考えられている代表的なテクニカル指標3種類について解説します。
2-1.トレンド系のテクニカル指標(移動平均線、ボリンジャーバンドなど)
現在の相場のトレンドを見るためのテクニカル指標で、移動平均線やボリンジャーバンドなどが該当します。投資で稼ぐにはトレンドに乗ることが、最もポピュラーな方法です。そのトレンドを見極めるのに役に立つのが、トレンド系のテクニカル指標です。使い方としては、買いにトレンドが出ていれば買いで入り、売りにトレンドが出ていれば売りで入るのが基本です。つまり、トレンド系のテクニカル指標は順張りで資金を投入します。
順張り系のテクニカル指標について詳しく知りたければ、以下の記事を参考にしてみてください。
2-2.オシレーター系のテクニカル分析(RSI、MACDなど)
たとえ、トレンドが出ていてもいつかは終わりがきます。その反転ポイントを探るのがオシレーター系のテクニカル分析で、RSIやストキャスティクス、MACDなどが代表的なものです。使い方としては、逆張りになります。ただし、トレンドの転換点を見つけるのは極めて難しく、あなたが取引している相場に適合しているのか事前に確認しておくことをおすすめします。なお、MACDは基本はオシレーター系なのですが、トレンド把握にも使える万能系のテクニカル指標です。
逆張り系のテクニカル指標について詳しく知りたければ、以下の記事を参考にしてみてください。
2-3.ローソク足やフォーメーション系の分析
ローソク足の並びや値動きの形などをもとに、次の値動きを予測する手法です。ダブルボトムや逆三尊など、投資をする人たちには広く知られたものです。日本で有名なのは酒田五法です。値動きの形で判断する方法は、日本と欧米で、それそれ別々に発展したものですが、似通ったところもあり奥が深いです。
ローソク足で相場を分析する方法について詳しく知りたければ、以下の記事を参考にしてみてください。
3.テクニカル指標は組み合わせると強くなる?
テクニカル指標は単体でも使えるものですが、組み合わせるとさらに効果を発揮するケースも多いです。この章では、テクニカル指標のおすすめの組み合わせなどについて解説します。
3-1.テクニカル指標のおすすめの組み合わせ
テクニカル指標の組み合わせで、最も一般的なのは、トレンド系のテクニカル指標とオシレーター系のテクニカル指標の組み合わせです。オシレーター系のテクニカル指標は強いトレンドが出ていると、基本的に機能しません。そこでトレンド系のテクニカル指標を組み合わせます。すなわち、トレンド系のテクニカル指標で強いトレンドが出ていることを観測したら、オシレーター系のテクニカル指標は今は役に立たないと判断することができます。
また、ローソク足やフォーメーション系の分析は、、どのテクニカル指標とも組み合わせが容易です。どちらかといえば、メインで使うのではなく補助的に使うと結果が出やすいです。
3-2.テクニカル指標を組み合わせる際の注意点
テクニカル指標を組み合わせる際に、注意しておかなければならないことがあります。それは、同じ系統のテクニカル分析を、組み合わせないということです。
たとえば、トレンド系のテクニカル指標を使うのであれば、どれか一つに絞ってほしいのです。同じ系統のテクニカル分析を同時に使うと、その都度、自分の都合のいい方のテクニカル指標を採用してしまいがちだからです。人間は、無意識に自分が見たいものを見る傾向があります。ですから、組み合わせるにしても、同じ系統のテクニカルは使わないようにしましょう。
3-3.無駄なテクニカル指標は意味なし|表示もさせるな!
よくテクニカル指標を、無数に表示して取引している人がいます。テクニカル指標は、どんなに多く組み合わせても3つまでです(3つでも多いくらいです)。なぜなら、多く組み合わせすぎると、とっさの判断ができなくなるからです。相場のルールは単純にできるなら、単純にしたほうが結果が出ます。
また、使わないから表示させておくだけならいいんじゃないと思うかもしれません。これもよくありません。表示させておくだけでも、そのテクニカル指標を意識して、判断を誤ってしまうことが多いからです。無駄なものは減らすし、表示もさせないことが鉄則です。
4.テクニカル指標を知るおすすめの本
このブログでは、何度か紹介しましたが、テクニカル指標を体系的に知るうえで役に立ったのは、『シュワッガーのテクニカル分析』です。ただし、テクニカル指標を概観できるだけで、これだけで勝てるようになるかは疑問符がつきます。
『シュワッガーのテクニカル分析』をはじめ、短期の売買について有効だった本については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひクリックして記事を読んでみてください。