建玉とは|由来や意味、読み方や株式やFXの関連用語をわかりやすく解説
建玉(たてぎょく)とは、株やFXなどで、新規に買いや売りの取引をして、その保有している金融商品が未決済の状態のことを指します。
たとえば、株の場合、株を買って利益が出ていても、売らないと儲けが出ません。でも売らないで持っていれば株価が上昇してさらに儲けが出るかもしれません。この売らないで持っている状態を「建玉」という言葉で表しているということです。
そしてどれくらいの建玉を保有しているかは、1枚、2枚というように「枚」で表すのが一般的です。また、建玉の読み方は「たてぎょく」です。決して「たてだま」とは読まないようにしてください(私は昔そう呼んでいて恥をかいたことがあります(笑))。なぜそう読むのかは、この記事を読めばわかります。
FXや株を始めたばかりの初心者の方にとって、建玉という言葉は聞きなれないかもしれません。しかし、相場の本にはよく出てきますし、FX会社や証券会社では普通に使われている言葉です。
この記事では、建玉という言葉の由来や関連用語を紹介することで、今後一生、建玉関連の言葉に困らないようになってもらいます。ぜひ、少しの時間を割いてチェックしてみてください。その数分を使うことで、一生使える知識になるのです。
■目 次■
1.建玉の意味や由来やポジションとの違いを解説
この章では、建玉の詳しい意味や、この言葉の由来などを解説していきます。また、建玉は英語で言えばポジションですが、ポジションに関連した言葉を、建玉ではどう表しているのでしょうか? こうした基本となる言葉についても紹介していきます。
1-1.建玉とは何ですか|建玉とポジションの違いは?
建玉(たてぎょく)とは、はじめに説明したように、株などの金融商品を未決済のまま持ち続けている状態のことです。単に玉(ぎょく)ということもあります。英語にするとポジションとなり、建玉と意味は同じです。FXでは、ポジョンという言葉を使うことが多いです。株や商品取引では建玉という言葉を使うこともよくあります。
1-2.建玉の決済は、ポジションではどう表現する?
ここでは、建玉とポジションという言葉がそれぞれどう対応しているのかを紹介しましょう。
=ロングポジション
・売建玉(読み:うりたてぎょく)
=ショートポジション
使用例:10枚の売建玉
・ポジションの単位=ロット
使用例:1ロットのロングポジション
・建玉の場合は、
「建玉を立てる」
・ポジションの場合は、
「ポジションをとる」
=決済
・保有ポジションを売買して利益や損失を確定する
=ポジションクローズ
1-3.建玉という言葉の由来
芸者さんや遊女などを呼んで遊ぶための料金のことを、玉代(ぎょくだい)といいます。建玉の「玉(ぎょく)」はこの玉代が由来との説が一般的です。
現在、株やFXはかなりシステマチックになっていますが、芸者の世界の言葉を代用するなんて、どことなく賭博のような危険な匂いがしますよね(笑)。やはり見た目だけ着飾ってもFXや株式の相場とは、本質的に賭博のようなものなのかもしれません。けれど相場には賭博のようなイカサマはありません。自らの技術や経験、そして精神状況が素直にポートフェリオに反映される世界です。
2.FXや株をするならぜひ知っておきたい建玉の関連用語集
ここでは、建玉に関連した言葉を紹介します。せっかく建玉という言葉を覚えたのですから、関連付けて覚えておくと、記憶に残りやすくなくなります。この際ですから、ぜひチェックしてみましょう。
2-1.【FX/株式用語】建玉上限とは(建玉制限/建玉可能額)
建玉上限とは、FXや株式などの証拠金取引をした際(レバレッジをかけたり信用取引したりした場合)、建玉として保有できる上限額のことです。
建玉上限は大きく2つの意味を持っています。1つは、投資家が相場に入れている資金でどれくらいまで建玉を立てられるかという意。建玉可能額ともいいます。
もう1つの意味は、FX会社や証券会社が設定している上限額のことです。たとえば、いくら資金があっても、FX会社や証券会社がこの銘柄では、これ以上の建玉を立てられないと決めていれば、いくらお金を持っていても、それ以上建玉を立てられません。これは銘柄やFX会社、証券会社によって違うので、大きな建玉を立てる計画があるなら、あらかじめ確認しておく必要があります。また、建玉上限ではなく、建玉制限と記している場合もあります。
2-2.【FX/株式用語】建玉必要証拠金とは
建玉必要証拠金とは、建玉を立てるために、取引単位あたり最低限いくらの資金が必要かを指しています。また、保有している建玉を維持するために必要な金額のことも表します。
株式で信用取引を使えば手持ち資金の3倍程度の取引ができ、FXで、レバレッジを最大限まで使えば一般的には手持ち資金の25倍程度の取引ができます。海外のFX会社では100倍以上で取引できるFX会社もあります。
2-3.【FX/株式用語】建玉残高とは
買建玉や売建玉が、どれくらい市場にあるかというときに、建玉残高という言葉が使われます。つまり未決済のポジションがどれくらい市場あるかということです。FX会社や証券会社によっては、自分の会社で取引している人たちの建玉の割合を公開しています。
一般的には、売り建玉が多ければ、将来上がる可能性が高い。買建玉が多ければ、将来の下がる可能性が高いということになります。
2-4.【FX/株式用語】建玉整理とは
建玉整理とは、買建玉と売建玉を同じ枚数で相殺して決済する注文方法のこと。特別約定とも呼ばれます(約定とは取引成立という意味です)。市場で反対売買を行う必要がないため、売買スプレッド分のコスト負担や手数料が軽減されます。
主に買建玉と売建玉を同時に保有する、両建てという手法を使った時にお得になります。ただし、両建ては証券会社やFX会社ではあまり推奨されていない売買手法です。それでもあなたが、両建てという手法に興味があるなら、以下の記事が役に立つかもしれません。
2-5.【FX/株式用語】建玉の操作とは
主に上記で紹介した、両建てという手法を使ったときに、買建玉と売建玉の枚数の数や比率を調整していくことを建玉の操作といいます。一般的な買い一辺倒な取引では、使われない言葉ですね。
両建ては江戸時代の米相場で有利に取引するために、生み出された手法だと言われています。ですから、同じ時期に生まれたであろう建玉という言葉に関連した用語が多いのかもしれません。
3.決済するまでが建玉|言葉を知ってFXや株の取引を有利に
この記事をまとめると、決済するまでが建玉ということです。途中どれだけ含み益が増えようと決済しなければ利益になりません。だからこそ、決済が一番難しいということは覚えておいて損はないでしょう。
また、どんな業界でもそうですが、その業界のことを早く理解したければ、まずその業界の言葉を知ることです。言葉とは概念です。つまり言葉を知るということは、あなた自身が扱える概念が広がるということです。多くの概念を扱えるということは、多くの選択肢を持てるということにもつながっていきます。ぜひ、ここで紹介した知識を忘れずに、日々のトレードに役立ててください。
また、さらに多くのFX用語を確認したいときは、以下の記事を参考にしてみてください。知っていると思っていても誤解して言葉を覚えているということはよくあること。それが投資の機会損失につながることもあります。