スリッページとは|意味や設定値、損をしないための対策とポイントを解説


スリッページとは、株やFXなどの金融商品を、注文した際に、提示されていた価格と実際に取引が成立した価格の差額のことです。 特にニュースなどの材料が出た際にスリッページは大きくなる傾向があり、スリッページをよく理解して取引することも投資では重要な要素です。

この記事では、大きなスリッページを含んだ多くの取引を経験してきた著者が、スリッページの意味や由来、なぜスリッページが起こるのかというメカニズムを解説。また、株やFXでのスリッページの最適な設定値やスリッページで損をしないための対策やポイントについて説明します。

1.スリッページとは|FXや株の用語解説


この価格で買ったはずなのに、成立した価格は大きく離れている。なぜこんなことになるんだと、FXや株をやっていたら必ず遭遇するスリッページ。この章では、まずスリッページについてよく知ってもらい、なぜスリッページが発生するのかについても解説します。

1-1.スリッページとは|意味や由来を解説

前述したように、スリッページとは、株やFXなどの取引において、注文した際の価格と実際に取引した際の価格のズレのことを指しています。例えば、FXの取引で、ドル円の価格が、110.500円であるときにロング(買った)としましょう。けれど、実際に買えた価格は、110.550円だったとすれば、50銭のスリッページが発生したということになります。

スリッページの言葉の由来は、Slip(スリップ)つまり「すべる」からきています。この価格で買いたかったのに、価格がすべって高値で買ってしまったというイメージですね。スリッページを英語で書くとSlippageで、直訳すれば「ズレ」という意味になります。

1-2.なぜスリッページが起こるのか?

スリッページが発生する最たる原因は、ごく簡単にいえばタイムラグによるものです。たとえば、株やFXの注文ボタンを押してから、株やFXの業者にそれが伝わるまでに、価格が動いているケースもままあるからです。そうなると、あなたが注文ボタンを押した時の価格で取引できないということになります。

また、大口の買いや売りが入ったその瞬間に、注文ボタンを押したとしたら、より大きなスリッページが発生する可能性もあります。また、相場が大きく動くようなニュースや指標が発表された直後は、多くの人が売り買いするため、スリッページも大きくなりがちです。

このように、スリッページを絶対に防ぐことは困難です。ただ、このスリッページをある程度、制御することは可能です。次章ではこれについて説明しましょう。

2.FXや株でのスリッページの設定値のおすすめは?


FXなどではスリッページの許容範囲を設定することもできます。だたし、これにもメリットとデメリットがあります。また、株式の場合はどうでしょう。この章では、スリッページで損をしないための考え方を解説します。

2-1.スリッページの幅0にする事も可能

FX会社では、スリッページの許容範囲を設定できるようにしているところが多いです。全くスリッページを発生させたくないなら、許容範囲をゼロにすれば全くスリッページは発生しません。けれど、これには落とし穴があります。

スリッページが発生しない代わりに、取引が成立しないということもあるからです。つまり、スリッページゼロにして注文を出しても、相場環境が整っていなかったり、FX会社などの取引業者がそれを許容できなかったりすると、その注文は成立ぜずに放置されてしまうということです。

もし、その注文が大きな損失を防ぐための損切りの注文だったとすれば、スリッページをゼロにしたことで、より大きな損失を招く恐れもあります。では、ゼロはやりすぎだとしても、スリッページの設定はどれくらいが適当なのでしょうか。次項で解説します。

2-2.FXのスリッページ設定はどれくらいのpips?

では、FXにおいては、どれくらのスリッページを許容して設定すればいいのでしょうか? それは相場環境や、取引期間にもよりますが、通常の状態であれば0.3pips程度に設定するのが、取引の不成立も防げる現実的な数値になるでしょう。

ただし、指標などの発表の前後であれば、この数値は取引が成立しないことの方が多いでしょう。ですから、相場が大きく動いている、あるいは動く可能性のあるときは、取引自体をしない方が賢明です。けれど、損切りなどでどうしても取引しなければならないときは、スリッページを設定せずに成り行きで売買することをおすすめします。こうした状況は将棋などでいえば、もはや手詰まりの状態なのです。あなたが、初心者ならまずは、そういう状態にならないためにはどうすればいいかを考えると、上達が早いと思います。

2-3.株でのスリッページの設定はいくつがベストか

では、株式の場合はどうでしょう? 株でスリッページが発生する一番の原因は、その銘柄の板が薄いことです。板が薄ければどうやってもスリッページが発生します。ですから、基本的に株でスリッページを設定するということはありません。

株でスリッページを発生させないコツは、売買金額の大きな流動性の高い銘柄を選ぶことです。また、ザラ場で板の厚さはどれくらいかを確認して、売買することでスリッページはある程度防ぐことが可能です。

3.おわりに|スリッページ対策のポイントとは


スリッページの大小は、より短期の売買になればなるほど、影響が大きくなります。スイングよりもデイトレでスリッページが発生した時の方が、不利になりますし、デイトレよりもスキャルピングでスリッページが発生した時の方が損失につながる可能性が高くなります。

この記事で説明したように、スリッページを完全になくすことは困難ですが、より長期の取引をすればスリッページの影響は小さくなるということは覚えておいて損はありません。

どうしてもスリッページを発生させたくない対策法のひとつに、逆指値注文を主体に使うということが挙げられます。けれど、逆指値注文は動きの速い相場であれば、まったく注文が成立しないこともあります。

どちらにせよ、スリッページ対策の基本は計画的に取引することです。あなたが注文を出すときに、上下どちらにいっても対応できるようにしておくのです。あなたが、本当に相場で稼ぎたければ、運によってはどうにもならないスリッページに神経をすり減らすよりも、どうやったら上手に取引できるかに意識を傾けたほうが時間の短縮になると考えます。

もちろん、スリッページなどの経費を極力抑えるのはいいことですが、そこにばかり視点を向けるのは木を見て森を見ずという状態になりやすいということが言いたいのです。木を見て森を見ずという状態で投資に手をだせば、スリッページ以上の損失を招きやすいのですから。