FX取引の利食いと損切りの基本ルールでチャートを使わないでも勝てる方法


前回は、FXで勝ち残るために大切な基本的な考え方を紹介しました。それを理解したうえで、この記事を読み進めてみてください。

「前回の記事:FXで勝つ人のルール|知らないといつか絶対に負けるシンプルな基本原理」

FXではエントリーポイントや利食いの目安として、チャートが多用されています。このチャートの分析に長けることは悪いことではありませんが、いくら分析だけがうまくできても、それだけで勝てるようにはならないでしょう。その理由を、この記事で解き明かしていきましょう。

1.FXが上手い人が無意識に使っている基本戦略


FXはゼロサムゲームですから、当然、勝っている人と負けている人がいます。でも、両者の違いはどこにあるのでしょうか。チャート分析が上手だとか、計算することに長けているとか、差異はいろいろあるでしょう。

けれど、他の要因が小さなものだといえるくらい、FXで勝つ人が実行している大切な基本戦略があります。中には無意識のうちにこの戦略を使い、利益を積み上げている人もいるでしょう。

1-1.チャートは使わないで勝てる?FXに勝つ方法

FXを取引しているなら、多くの人はチャートは、売買のための大切な道具だと考えているでしょう。私もそれには同意しますが、でもある基本戦略を知っていれば、極論すればチャートを使わなくてもFXで勝つことができます。

どんな戦略なのか気になりますよね。それは、あなたがしようとしている取引に、どれくらいのリスクとリワードがあるかを考えて、リワードがリスクよりも大きいときだけ取引を実施するということです。リスクというのは、FXでいえば、最大どれだけの損失が出るかということで、リワードというのは、どれだけの利益が期待できるかということです。

つまり、あなたがしようとしている取引にどれだけ損失が出る可能性があるか、また利益は損失を上前るくらい期待できるかということを考え、期待できる利益が損失を上回るときだけ取引するのです。

そんなの当たり前だと、あなたは感じたかもしれません。でも、これがきちんとできていれば、利益は残るはずです。

価格だけを見て、何らかの方法で上記の戦略を取れることができるなら、チャートを使わずに利益を積み上げることも可能でしょう。たとえば、ドル円において、105円を下回るといつも反発しているから、損切りを104.80円にして利益確定を106円にするなど、何らかの根拠を見つけられるなら、チャートなしでも勝つことは可能なのです。しかし、こうした手法であっても、以下で紹介することを実現できなければ、利益を残すことは困難でしょう。

1-2.チャート分析よりも大切なシンプルなルール

「どの手法がいいのか」とか、「チャート分析方法にはどのテクニカルを使えば一番なのか」などと、多くの人は言いますが、はっきり言うと、それらは何だっていいのです。自分に合うものを、使えばいいだけです。ただし、何でもいいけれど、一つだけ条件があります。それは、以下の条件に合うものでなければなりません。

損失1に対して、利益2以上が期待できるもの。

どういうことかというと、あなたが、ある取引でロングポジションを持ち、損切りのポイントを現在の価格の10pips下に置いたとします。そうすると、利益確定のポイントは、現在価格の20pipsより上にしなければいけないということです。

本当にあなたのしている取引で、20pips以上の利益が見込めそうでしょうか。そこまで到達するには、様々な抵抗があるのではないでしょうか。到達できる見込みがないなら、その取引をすべきでないか、損切りのポイントをもっとタイトにするべきです。

たとえば、上記と同じ取引で、10pips上までなら上がる見込みがあるとしましょう。そうであれば、損切のポイントは、5pips以下にしなければなりません。5pipsなんて、すぐ下がりそうだと考えるなら、その取引をしてはいけないのです。

2.FXで勝つための利食いと損切りとテクニカルや手法の考え方


1章で紹介したことをもとに、どうすればFXで勝てるのかを考えてみましょう。あなたがいくらテクニカルを勉強しても、チャートを何時間も眺めていても、勝てなかった理由の一つは、ここにあったと同意していただけるのではないかと思います。

2-1.FXで勝つには利食いと損切りのバランスを考えろ

FXでは勝率などを考える前に、利食いと損切りのバランスを考えましょう。それが実現できたうえでの勝率です。

リスクをどれくらいとるのかを決めるということは、取引する前に、どこで損切りをするのかを決めるということです。それは見込まれる利益から算出する場合もありますし、これ以上下がらないと考えて損切りの値を設定するケースもあります。どちらにせよ、損切りポイントを決めておかないと、1章で説明したような、「損失1に対して、利益2以上が期待できる」投資機会なのかさえわからなくなります。

多くの人は、「損失1に対して、利益2以上が期待できる」取引を、意識的あるいは無意識的にやろうとはしているのでしょう。でも、損失を確定したくない思いが強く、損切りの値を意図的にずらしたり、そもそも損切りをどこでやるのかを決めずに取引したりしています。しかし、こんなことをしていては自分がうまく取引できているかということさえ判別できません。

「損失1に対して、利益2以上が期待できる」以外は、成功した取引とは言えないからです。たとえ、わずかな利益が出たとしてもです。「損失1に対して、利益2以上が期待できる」取引ができたうえで、勝率などが関わってくるのです。

2-2.優れたテクニカル分析や手法とは何か?

上記に書いたことを前提に、優れたテクニカル分析や手法とは、どういうものかを考えてみましょう。テクニカル分析や手法は、どこをエントリーポイントにするか、あるいはどこで手じまいするかの目安になりますし、きちんと使えばあなたの売買を有利なものにしてくれます。

しかし、どんなにいいテクニカル分析や手法でも、「損失1に対して、利益2以上が期待できる」ことを実現するものでなくてはなりません。たとえば、手法の性質上、「損失1に対して利益が1.5程度しか期待できないものであるなら、最終的に利益を残していくことは困難になります。

なぜなら、どのような手法でもすべての取引で上手くいくわけではないからです。勝率が高いと考えられていた手法でも、ある時期は連続して負け続けることもあるでしょう。このような時期を経験してもなお、最終的に利益を残していける基準が、「損失1に対して、利益2以上が期待できる」ことなのです。

もちろん「損失1に対して、利益2以上が期待できる」ことを実現したとしても、損切りばかりにひっかかるようでは、それは優れたテクニカル分析や手法とはいえないということは言うまでもありません。「損失1に対して、利益2以上が期待できる」取引をして、利益2以上を確保できる機会が多ければ多いほど、優れたテクニカル分析や手法といえます。こうしたテクニカル分析や手法を使えば、投資機会を増やすごとに資産が増えていきます。

3.勝てるわけがないFXで勝つ方法


前回の記事で詳述しましたが、FXは参加者がいつどんな行動をとるか予測し得ないゲームです。たとえば、大口投資家が何ら合理性なく、大量の売り注文を出してくるなどです。このような行動は、誰にも予測できません。そして大口投資家のきまぐれな行動がきっかけで、今後の値動きの流れが決まってしまうこともあります。予測できないなら、FXで勝てるわけがないと考えるのは自然なことです。むしろ正常な感覚だと言っていいでしょう。

しかし、私たちは利益を得るために、そして資産を増やすためにFXをやっています。上記のような予測できない中でも、最終的な利益を残すための武器が、この記事で紹介した「損失1に対して、利益2以上が期待できる」取引を常にするということです。このような取引をして、利益を残していけるなら、不測の事態があっても、最終的に利益を確保できる可能性が高いからです。

次回は、前回と今回の記事を前提として、さらに利益を積み上げるための考え方をお伝えします。
次の記事「FXの攻め方と利食い|勝つ人がやっている安全に利益を最大化する方法」