FX用語集|ナンピンやロットなど初心者にも簡単にわかる15の業界用語


この記事は、FXの基本的な用語が知りたいという方のために書かれています。どんなジャンルでも同じですが、その業界を知るには、まず言葉を知ることです。

ですから、あなたがFXの初心者でであったり、これからFXを始めたいと考えたりしているなら、この記事で紹介している用語をぜひ自分のものにしてください。基本的な用語さえ知らずに、FXの世界に飛び込むのは、ルールを知らずにサッカーの試合に出るようなものです。また、テクニカル分析や取引手法などの新たな知識を得たいときにも、基本的な言葉を知っていれば理解の助けになるでしょう。また、用語をよく知らずに取引している人や、曖昧に覚えている方にも、この記事は有用です。

1.FX業界基礎用語集|初心者にもわかりやすい用語解説


ここでは、厳選した15個の用語を体系的にまとめてみました。これらの用語を知ることで、FXの仕組みや取引の様子などが何となく見えてくると思います。また、私自身経験ですが、用語を誤解して覚えていたために、大きな儲けのチャンスを見逃してしまったことがあります。あなたが、私のような経験をしないように、FXで取引をする前にぜひ正しい知識を身につけてほしいです。

1-1.FX用語|「ロング(L)・ショート(S)」とは?

ロングとは、FXで使用される場合、「買う」ということを表しています。反対にショートは「売る」という意味です。

ロングは英語では、longですから頭文字を取り「L」と表記されることもあります。また、ショートを英語にすると「short」ですから「S」と書かれることも多いです。使用例を挙げると、「Lを持っている」「Sをした」などです。

1-2.FX用語|「ピプス(pips)」とは?

pipsとは、為替レートの単位のことです。Percentage in pointsを略してpipsと表記します。

1pipsは日本で言えば 1銭ですが、FXでは日本の円だけでなく、ドルやユーロなど世界中のあらゆる通貨を扱っています。異なる通貨のそれぞれの価値を比べやすくするには、統一の単位があったほうが便利ですよね。ですから異なる通貨の統一単位として、pipsが使われるようになりました。

FXの世界では、「10銭の利益を確定した」という代わりに、「10pipsの利益を確定した」という使い方をするのが一般的です。

参考までに、代表的な通貨が1pipsいくらになるのか以下に示します。

円の場合:1pip=1銭
ドルの場合:1pip=0.0001ドル
ポンドの場合:1pip=0.0001ポンド
NZ(ニュージーランド)ドルの場合:1pip=0.0001NZドル
豪(オーストラリア)ドルの場合:1pip=0.0001豪ドル
スイスフランの場合:1pip=0.0001スイスフラン

1-3.FX用語|「スリッページ」とは?

FXで取り扱っている各国の通貨の価値は、常に変わっています。この記事を読んでいる間も、刻一刻と。

例えば、あなたがパソコン画面などに表示されている現在の通貨の価格を見て、注文を出したとします。でも、あなたが注文を出した時、その注文をFX会社が処理している間にも、通貨の価値は変動しています。

ですから、注文を出した時の価格で売買できていないということが起こりえるのです。これをスリッページと呼びます。わかりやすく例を挙げると、ドル円が110.55円の値を示している時にロングの注文を出したけれれど、スリッページが発生して110.65円で買うことになってしまったといったケースです。つまり、注文が、スリップした(滑った)ということですね。

何か大きなニュースが出たり、指標が発表される時など、通貨の価値が大きく変動するときに、スリッページは発生しやすくなります。

1-4.FX用語|「スプレッド」とは?

ニュース番組などで、為替相場が語られるときに、「1ドル110円10銭から20銭」という言い方をされるのを、あなたも見たことがあるのではないでしょうか。1ドルは110円10銭なのか110円20銭なのか、はっきりして欲しいと感じるかもしれませんね。実は、この言い方こそが、スプレッドそのものなのです。

詳しく説明すると、FXでは全く同じタイミングでも、買う時に提示される値段と、売る時に提示される値段が違うのです。この買う時に提示される値段と、売る時に提示される値段の差のことをスプレッドと呼んでいます。

上記のニュースの例だと、買う時の値段が110円10銭で、売る時の値段が110円20銭ということですね。スプレッドをどれだけ大きくとられているかは、各FX業者で違います。また、大きな為替変動が予想されたり起こったりした時は、一般的にスプレッドも大きくなります。

なお、スプレッドについてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。スプレッドの計算方法や、スプレッドがあなたの取引に与える影響についても解説しています。

FXのスプレッドとは|為替と金融では意味が違う?計算も解説

1-5.FX用語|「ロット」とは?

ロット(Lot)とは、FXの取引単位のことを指します。つまり、どれくらいの量の通貨を買ったり、売ったりするかを示している単位です。FXでは1通貨単位の取引ではなく、まとまった数量の取引になり、例えば米ドル/円であれば、一般的には、1ロットあたり、1万通貨単位になります。

「1ロット買う、10ロット売る」という形で使用されますが、ロットの代わりに「枚」という言葉を使うこともよくあるので覚えておきましょう。例えば、「1枚買う、10枚売る」といった感じですね。枚もロットも、意味合いは変わりません。

1-6.FX用語|「 ポジションと決済」とは?

ポジションとは、FXにおいて自分が保有している外貨資産の状態のことです。わかりやすく言えば、どれくらいの量の通貨ペアを持っているかということです。保有している状態が買いであろうが売りであろうが、ポジションを持っていると表現します。

例えば、「5ロットの売りポジションを持っている」とか「10枚の買いポジションを建てる」などと使用します。また、上記で説明した、ロング(買い)、ショート(売り)という言葉と合わせて、「ロングポジション」「ショートポジション」という言い方をすることも多いです。

現在のポジションに利益が出ていたら、売ったり買ったりして利益を確定しますよね。また、ポジションに大きな損失が出ていたら、これ以上損を出したくないと考えて、売ったり買ったりして、損失を確定したくなるかもしれません。

このようにポジションを解消するために、売ったり買ったりすることを、決済と言います。一般的には、ポジションを持つことよりも、どこで決済するのか方が難しいとされています。

FXのポジションと決済に関する詳細な知識は、以下に譲ることにします。あなた以外の人が、どんなポジションを持っているのかを調べる方法についても紹介しています。

FXのポジションとは|期間や取り方、ネットで公開されている比率を解説

1-7.FX用語|「建玉」とは?

建玉(たてぎょく)とは、保有している通貨ペアのことです。意味合いとしては、上記の1-6で紹介したポジションと同じです。ポジションを和風に言い換えると、建玉になるという認識で問題ありません。

また、通貨ペアを買いで保有している状態を「買建玉」と言い、売りで保有している時は「売建玉」と言います。買建玉=ロングポジション、売建玉=ショートポジションということになります。

人によって、ポジションという言葉を使う人、建玉という言い方を好む人、様々です。どちらも同様の意味なので、迷わないようにしましょう。

1-8.FX用語|「両建て」とは?

両建てとは、売りと買いの両方のポジションを持つことを指します。例えば、ドル・円の通貨ペアおいて、1ロットのロングポジションがあるとします。これを決済せずに、同じドル・円の通貨ペアのショートポジションを保有すれば両建てしたということになります。

一般的に両建ては、あまり意味のない行為とされ、FX会社によっては禁止しているところもあります。しかし、数値上は意味がなくても、投資では心理的な負担がパフォーマンスに大きく影響することが多いです。この心理的な負担を軽減するという面で、両建てが大きな意味を持つこともあります。

また、両建てを使って売り買いのバランスをとることで、リスクを極力下げながら取引するという考え方もあります。両建てについて、さらに高度な知識を得たい方は、以下の記事を参照してください。あなたが初心者なら少し難しく感じるかもしれませんが、投資でもうけるための大きなヒントになるはずです。

両建てナンピン必勝法の真実|実践者が語るFXでの手法や外し方のテクニック

1-9.FX用語|「ナンピン」とは?

ナンピン(難平)とは、ポジションを持っている状態で損失が出た時、さらに買いあるいは売りの同じ方向のポジションを持つことを指します。

例えば、ドル・円の通貨ペアのロングポジションを保有している時、ドルの価値が下がり損失が出ている状態だとします。その時に、ロングポジションを決済しないで、新たに同じドル・円のロングポジションを買い増すことがナンピンです。

ロングポジションがマイナスになっている時に、新たに買い増すことで、平均取得金額を下げる効果があります。とはいえ、さらにドル円の価値が下がってきたとしたら、マイナスの額が積み上がっていきます。

ナンピンで助かることもありますが、使用のタイミングを誤れば、より大きな損失につながります。損失を決済して、負けを認められない初心者が、ナンピンをして大損する事例は多いです。ナンピンするなら、くれぐれも注意して行ってください。

1-10.FX用語 |「指値、逆指値」とは?

指値注文とは、売りや買いの取引価格を指定して注文を出すことです。指値注文を使えば、指定した価格より不利な価格で注文が成立することはない反面、レートがその価格にならない限り、注文は成立することはありませんので、相場の流れについていくという意味では、不利に働くこともあります。

指値注文は、価格がいくらになったときに、ポジションを決済するというふうに指定できる注文方法です。決済するときに限った注文方法になります。

1-11.FX用語 |「IFD、IFO、OCO」とは?

IFD(アイ・エフ・ディー)注文とは、指値でポジションを持ったと同時に、逆指値の決済価格も設定できる注文方法です。例えば、ドル円の通貨ペアが100円になったら買い、110円になったら決済という一連の流れを一度の注文で出すことができます。

OCO(オー・シー・オー)注文とは、異なる価格で2つの指値注文を同時に出しておき、どちらかの指値が成立すると同時に、もう一方の指値がキャンセルとなる注文方法です。例を挙げると、110円のロングポジションを持っていたとして、120円になったら売り、100円になったら売りというふうに2つの指値を同時に出せ、どちらかが成立したらもう一方の指値はキャンセルされます。

IFO(アイ・エフ・オー)注文とは、新規注文の際に、IFD注文とOCO注文を同時に出せる注文方法のことです。例えば、ドル円が120円になったら売りという注文をすると同時に、その120円のショートポジションが成立した際に、110円になったら決済するあるいは130円になったら決済するという注文が一度でできるということです。もちろん、この場合OCO注文と同様に、110円の決済あるいは130円の決済が成立した時点で、片方の注文はキャンセルされます。

1-12.FX用語 |「レバレッジ」とは?

レバレッジとはあなたがFXの口座に入金した資金を証拠金とすることで、もとの資金の何倍もの金額で取引できる仕組みのことです。例えば、あなたが10万円の資金しか持っていなくても、10倍のレバレッジを使えば、取引できる金額が100万円になります。

何倍までのレバレッジを使えるかは、各FX会社によって違いますが、通常1倍〜25倍までのレバレッジを自分で自由に設定できます。なお、2017年9月に金融庁より、FX取引に新たなレバレッジ規制を検討との告知がありました。けれど、2018年5月に金融庁は証拠金倍率(レバレッジ)を現行の25倍に据え置くことを発表しました。ですから、現在のところ日本国内ではFXで25倍までのレバレッジが使えます。

レバレッジについて、もっと詳しい知識が得たい方は、以下の記事を参考にしてみてください。レバレッジのデメリットや計算式、適当なレバレッジ比率について解説しています。

レバレッジとは|意味やレバレッジ効果の例、計算式などをわかりやすく解説

1-13.FX用語 |「スワップポイント」とは?

スワップポイントとは、利息みたいなもののことです。 FXでは、低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことで、その金利差にあたる利息のようなものを毎日を受けることができます。

このスワップポイントを狙って通貨ペアを長期保有して、儲けを出すことをスワップ取引と呼んでいます。ただし、高金利の通貨は、安定していないことも多く、スワップポイントを狙った取引をする際は、注意が必要です。

スワップポイントについて、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。スワップポイントで失敗しない考え方を解説しています。

スワップとは|FXのスワップポイントの計算や比較、金利で稼ぐ方法を解説

1-14.FX用語 |「チャート」とは?

過去の為替レートの動きを、価格・時間を軸としてグラフ化したものをチャートと呼びます。FXで、闇雲に取引しても勝てないのは想像に難くないでしょう。では、何を目印にして皆がFX取引をしているかというと、多くの人はこのチャートの動きを目印にしています。

チャートを使って値動きを視覚化することで、「過去にこういうパターンの値動きがあったから、今回も同じような値動きをするだろう」とか「直近にこの価格帯が天井となったから、今回も下げてくるだろう」などと、予想が立てやすくなります。チャートの知識は、FXで取引をするなら、ぜひ身につけたい知識と言えます。

チャートの基本である、ローソク足については、以下の記事で紹介しています。

ローソク足とは|一生使える見方・使い方や予測するためのパターンの読み方

1-15.FX用語 |「ロスカット」とは?

ロスカットとは、保有している通貨ペアの損失が大きくなりすぎ時に、FX会社が自動的に行う強制決済のことを指します。 ロスカットが実施されれば、取り返しがつかないくらいの大きな損失になるので、このような状況は絶対避けるべきです。

自分で損失を確定して、決済することを損切りと言いますが、損切りと同じような意味で、ロスカットという言葉を使っている記述もよく目にします。こうした場合、上記のロスカットという言葉と区別するために、FX会社による強制決済のことを、強制ロスカットと言ったりします。

強制ロスカットになってしまわないためには、損切りの技術を身につけることが何より大切です。損切りは痛みを伴う行為で、人によってはなかなかできないものです。しかし、損切りの本質を知ることで、あなたの投資に関する考え方が変わり、積極的に損切りができるようになるでしょう。損切りについての知識は、以下の記事が詳しいです。

損切りとは?本当の意味や株・FXでの目安やタイミング、ルール設定を解説

2.おわりに|FXの業界用語の本・辞典を買うべき?


いかがでしたでしょうか? この記事では、FXの取引をするうえで、重要な用語を厳選して紹介しました。他にも紹介したい用語はありますが、あまり詰め込みすぎても頭に入りません。このブログや他のサイトでもいいので、徐々にFXのコトバを覚えていきましょう。

ところで、FXの用語を覚えるために本や辞典を買いたいと、あなたは思っているかもしれません。もちろん購入して真剣に学ぶのはいいことですが、それよりもFXの良質な実践書などを購入した方があなたの身になるし、習得も速いのではないかと考えます。こうした本を読みながら、わからない単語が出てきたら、ネットなどを活用して、信頼できるサイトで逐一調べてみるというのが近道です。

上記のような良質な本は、以下の記事で紹介していますので、興味があれば読んでみてください。

FXおすすめ本11選|本気で投資で稼ぎたい初心者が最低限おさえるべき書籍