FX専業トレーダーになるには|生活や手法、年収や税金を解説するブログ


あなたは、専業トレーダーになりたいですか。もしかしたら、「専業トレーダーの生活ってどんな感じ?」「専業トレーダーのメリットやデメリットは?」「専業トレーダーでやっていくには、どんなことに気をつければいい?」なんてことを、知りたいのかもしれません。

この記事では、十数年のトレードとの関わりの中で、専業トレーダーも経験しきた著者が、上記の疑問に答えるとともに、専業トレーダーのメリットやデメリット、そして注意点についても解説します。そして最後の章で、専業トレーダーとして成功するための、とっておきの秘訣もお教えしましょう。

この記事では、専業トレーダーになることをむやみに勧めるわけでもありませんし、また止めるものでもありません。客観的に事実を記載し、あなたの将来の判断材料になればと考えていますので、専業トレーダーを目指したいと思っているなら、ぜひ読んでみてください。

11.FX専業トレーダーの実際|どんな生活スタイル?


私が専業トレーダーをした際に、専業をやる前に思い描いていたことと、実際にやってみた時のギャップは、結構大きなものでした。やってから初めてわかることや、やる前は気にもとめていなかったことが気になったり、負担になったり。あなたが、専業トレーダーをやる前に、こうしたことを知っておけば、きっとプラスになるということを、この章で紹介します。

1-1.FX専業トレーダーの生活スタイル

私の場合、専業トレーダーなっても生活スタイルをあまり変えようとしませんでした。どちらかといえば、変えるべきではないと考えていました。

なぜなら、怠けようと思えば、幾らでも怠けられるからです。これはトレードというよりは、フリーランスで働いていた先輩などを見ていて得た教訓からでした。生活リズムを崩せば、体調も乱れやすくなり、その結果いい仕事ができません。専業トレードは楽なようで、自らの体調や心の状態が、正直に反映される世界です。

ですから、始めた当初は、会社員時代よりも、生活リズムや体調管理に気を配っていたことをよく憶えています。朝も6時には起床し、ニュース番組を見たり、相場の状況を確認したりしていました。とはいえ、会社員時代に比べると、満員電車に乗る時間を節約でき、嫌いな人間に会う必要もなかったので、物理的なストレスはほとんどなかったとも言えます。

お昼前になると、よく遊びでスキャルピングをしていました。チャート状況を読んで、取引時間と損切りの幅を決めて、昼飯代を稼ぐためにポジションを持つのです。資金も潤沢にありましたので、かなり大きなポジションを取っていたと思います。相場状況がいい時代だったこともありますが、8割がたこの試みは成功しました。数分で数万ということもよくありました。成功した時は、1時間程度外出してスキャルピングで稼いだお金で、フリーランスで自由にやっている仲間と豪華な昼食を食べに行くこともしばしばでした。

トレードを本格的に行うのは、16時頃からです。そこから流れに乗れるようなら、深夜までトレードを続けていました。専業生活が長くなるにつれて、とにかく稼げる時に稼いでおかなければという思いが強くなっていきました。気づいたら朝方だった、ということも増えていきました。

1-2.FX専業トレーダーの手法

このブログ内でも、様々な手法や考え方を紹介していますが、実は手法そのものは、どれを使ってもあまり大差がないと私は考えています。どちらかといえば、その規律を守れるかということの方が重要で、規律を守るにはメンタルが重要になってきます。

それに加えて、現在相場がどのような状況なのかという状況認識力も、もちろん大切です。つまり、あなたが使っている手法が、今の相場に合っているのかを判断する能力です。トレードは案外単純で、その2つに長ければ、長期的には利益を得られやすくなります。

けれど、このような答えだけでは、あなたは満足しないかもしれませんね。ですから、専業トレーダーとして失敗しないでやっていくための、有効なヒントをお教えしましょう。私の場合、会社員時代にもやっていたスイングトレードと、専業になって始めたデイトレード及びスキャルピングの口座を分けていました。そして、運用成績が悪ければ、その口座にはもうお金を入れないと決めていました。どちらの口座も違った考え方で運用していたので、これはそのまま分散投資のような効果を果たします。

幸い2つの口座共にプラスになっていましたが、もし失敗していたとしたら、さらに手法を増やし使う手法ごとに口座を作って運用していたと思います。そして運用成績が良いものだけを残し、悪いものはやめるということを繰り返すでしょう。こうした考え方が、結果的にあなたの資金を守ることにつながります。

1-3.FX専業トレーダーの生活費や年収

セミナーなどで、専業でトレードしている方と知り合いになることもありましたが、彼らの多くはそれほど豪華な生活は送っていませんでした。目を引くような高い服を着ているわけでもなく、かといって小汚いわけでもありません。私の知り合う人は、比較的年配の方が多かったのですが、トレードだけで生活していると、稼げる時は稼げるけれど、いつ稼げなくなる日が来るとも限らないという、不安が常に付きまといます。私自身もそうでした。ですから、衣類や日常の生活費などに、過剰にお金を使わないという習慣が出来上がっているのかもれません。

専業トレーダーの多くは、一言でいえば特に特徴のない普通の人のように見えるでしょう。けれど、稼いでいる人と思わしき人の発言の仕方はだいたい一致しています。物怖じすることなく、はっきりとものを言う人が多かったです。世間のしがらみがなく、金の心配のない人ばかりですから、過剰に人に気を使ったり、つまらない席にいつまでもいたりということはないです。そうした意味では、世間に頼らずに自分自身の力で生活している、力強い人たちだととも言えるでしょう。

FX専業トレーダーの年収には、会社員のように上限がありません。稼いでいる人、それほど稼いでいない人など様々です。とにかく自分が、FX専業トレーダーだと名乗れば、誰でもなれる身分です。何の保証もありません。また、その年にいくら稼げるのかもまちまちです。けれど、一つ言えるのは会社員時代の年収の3倍は稼いでいないと、割に合わない仕事だと感じます。その理由は、後の章で説明しましょう。

1-4.FX専業トレーダーは 自由か?

専業を経た私の意見を正直に書くと、専業トレーダーは物理的には自由だけれど、精神的には自由とは言えないということです。あなたがトレード技術を身につけ、確かな手法を持っていたとしても、いつ相場が暴落するかもしれないという不安が、常につきまといます。

それに飲まれてしまうと、トレード成績は一転してしまうかもしれません。常に冷静で、客観的な判断ができなければなりません。それには体調管理に気をつけ、大衆に迎合しない自分なりの意見を持ち続けなければならないでしょう。専業をすれば、日常的に恐怖と欲に常につきまとわれてしまうのですから。これまでの人生で、人の言いなりになり、付和雷同してきたような人には、トレード生活はかなり酷なものになると思います。

あなたが、まだ会社員をしているなら、その会社の中で人に流されず自分なりのものの考え方や仕事のやり方を実行し、それによって利益を生み出す。そのような体験が、専業になった時のトレーニングになります。トレード生活は、常にそんな緊張感の中で成り立っているものなのです。

2.FXで専業になるには?資金や手法について


1章を読んで、専業トレーダーは楽なことばかりではないということが、多少は理解できたのではないでしょうか。この章は、それでも専業トレーダーになりたいという人のために書きましょう。

2-1.FX専業トレーダーにはどれくらいの資金が必要?

FX専業トレーダーは、いくら資金持っていればいいでしょうか。それはあなたが、どのくらいの生活レベルを実現したいかによります。例えば、専業トレーダーと言っても、生活保護レベルのお金を稼いで暮らしている人もいれば、会社員時代の何倍の額を稼ぎ出している人もいます。

後者になれないなら、まだ専業になるべきではないというのが私の考えです。しかし、「どうしても会社に行って働けない」「心の病で人に会うのが怖いなど」の理由で、FX専業トレーダーを目指す人もいると思います。

一般的には、大きな額を稼ぐにはそれなりの資金が必要です。相場はどう動くかわかりません。うまくいっていた手法でもわずかな確率で、大きな損失を出してしまうこともあります。ですから、余剰資金も潤沢にないと厳しい世界です。

あなたは、資金管理などについては勉強されているでしょうか。専業になるなら、最低限、資金管理については勉強しておいてください。さもなくば、ギャンブル的なトレードで運良く勝ち続けたとしても、最終的は大きな損失を出してしまう可能性が大きいです。その時、無一文になり、再就職しようとしても、トレーダーという経歴は何の役にも立ちません。

あなたがどんな手法を使い、どんな考えでトレードをしているかわからないので、ざっくりとしたことしか言えませんが、資金管理のことなどを踏まえた上で、専業として最低限の生活をしていくには、最低500万円程度の資金は欲しいところです。その準備ができないようなら、専業をやるにしても、アルバイトなどと兼業して、いざという時に最低限の生活ができるようにしておくといいでしょう。

2-2.FXを専業でやるには何pips稼げればいい?

専業トレーダーの最大のメリットは、一日中相場に貼りついてトレードができるということです。一般的なサラリーマンが取引できない、平日の日中にトレードできます。

また、夜間に取引していて儲けが出ていても、会社に勤めていたら次の日のことを考えて、一旦ポジションを閉じたりしますが、専業トレーダーは次の日のことを考えずに取引できます(本当は専業でも自分の体調を考えルールを守って取引するべきですが)。

こうしたメリットを活かすために、専業トレーダーの主要なトレードスタイルはデイトレード(一日のうちに全て決済する手法)かスキャルピングが主体になってきます。逆にこのメリットを活かせないのなら、専業になる意味はあまりありません。

ですから、あなたが長期トレードやスイングなどのトレードスタイルが主体なら、会社員などの仕事をしながらトレードする方が、恐らく成功する可能性が高いのではないかと考えます。その理由は、別に稼ぎがある方が、心に余裕が生まれますから、よりトレードに適した精神状態になりやすいためです。また、日中にチャートなどを見ない(見れない)方が、心を乱されずにポジションを持ち続けることもできます。

デイトレやスキャルピング主体で専業を目指すなら、どんな調子が悪い時でも、相場状況がどうであれ、一日に10pips以上は稼げるという自信がないと専業になるのは厳しいです。なぜ10pipsかというと、どんな相場状況だろうと、一日中相場に貼りついていれば、10pips稼げるというチャンスが必ずあるからです。そのチャンスを、きちんと捉えられるかです。あなたが会社員なら、平日に有給などを使い、試しに最低の枚数でポジションを取り、一日のうちに10pips以上稼げるかやってみるといいでしょう。案外これが難しいのです。

2-3.FX専業の税金

現在は少し考え方が違ってきていますが、私が専業トレーダーでやりたいと考えた理由の一つに税金があります。会社員をやっていれば、あまりに高い税金が、バカバカしくなる気持ちはよくわかります。この税金がなければ、もっと裕福な生活ができるのに、なんて考えてしまいます。

しかし、FXなら専業であろうと、兼業であろうと、どれだけ稼ごうが、税率は20.315%です。自分が稼いだだけ単純明快に資産が残るということが、専業トレーダーのメリットでもあるのです。

3.FX専業は失敗した時のことも考えて!


私は専業トレーダーになることを止めもしなければ、勧めもしないということを先に書きました。あなたがまだ若いなら、経験を積むという意味でもやってみてもいいかもしれません。でも恐ろしいのは、最初に間違った成功の仕方をして、勘違いしてしまったが故に、5年後10年後に結局トレーダーを廃業してしまうというような事態です。

廃業するまでに、充分な資金を積み上げているならいいのですが、私が見てきた人たちの多くは負ける時は立て続け手に負け、メンタルが不安定になることにより、さらに負けトレードを続け、あっという間にこれまで積み上げてきた資金を失います。

ですから、私のオススメは何か小さな仕事でもいいから、トレードとともに続けることです。フリーランスやSOHOのようなものでもいいですし、何か簡単な事業を始めてみるということでもいいでしょう。恐らくその仕事が、メンタルの安定にもつながっていくはずです。

おわりに|FX専業トレーダーを本気で志すなら


あなたは、FXでお金を稼いで、そのお金を何に使いたいですか? 「生活費に使いたい」「豪華な生活がしたい」「ストレスのない生活がしたい」など、いろんな声が聞こえてきそうです。けれどそれを満たすだけの儲けが出たら、次は何にお金を使いたいでしょうか?

私から一つ提案というか、お願いがあります。もしあなたが専業トレーダーとして、大きな成功をして十分なお金を手に入れたら、何か人のためになることにお金を使ってみてほしいのです。人のためになることといっても、人それぞれだと思います。

ある人は、「日本を豊かにするために、事業を起こすのが、人のためになることだ」と考えるかもしれません、別の人は「かつての自らの経験から、ブラック企業を撲滅する活動をしたい」と考えるかもしれません。またある人は「孤児院を作ったり、貧しい国の子供たちの教育のために、お金を使いたい」と考えるかもしれません。なんでもいいのです。あなたがこれまで生きてきて、許せなかったこと、こうすれば世の中がもっとよくなるのにと感じること、そうしたことに関連付けて考えてみるといいでしょう。

もしあなたが専業トレーダーを本気で目指すなら、単に日々お金を稼ぐことを目的とするのではなく、上記で考えた「人のためになること」を実現するために、自分はトレードで成功する必要があると考えてみてください。あなたの成功次第で、多くの人の運命が決まると思ってトレードに取り組んでみてください。ここで多くは語りませんが、このような意識を持つことで、あなたの人生が豊かになるとともに、トレード成績の向上にもつながっていくはずです。