FXは損切りしないほうが有利?損切りするから負けると言われる本当の理由


損切りとは、FXの取引で思惑がはずれ、損失が出たときに、それ以上損失をふくらませないために、自らの意志で決済することです。FXでは、損切りは絶対に必要という人がいる一方で、損切りしない方がいいという人もいます。

一般的には、損切りは絶対に必要となりますが、なぜ損切りを否定する人がいるのでしょうか。それは、FXの巧みに仕掛けられたシステムにも関係しているので、絶対に損切りするのがいいとは言い切れないからです。

そこで、この記事ではなぜ、損切するから負けると言われているのか、その主張はあなたの利益に結び付くのかについて解説します。この記事を読めば、損切りするべきなのか、しない方がいいのかがわかると同時に、今後FXを取引するならどのような行動が必要かも理解できるでしょう。

1.FXで損切りしないとどうなる?


なぜ「損切りをしない方がいい」という人がいるのかを考える前に、そもそも損切りしないと、どんな不都合が生じるかについて解説します。損切りとは、例えるなら高所作業における命綱のようなものです。

命綱をつけなければ、そのぶん動きやすくなり作業効率が上がるなどのメリットもあるかもしれません。しかし、もし足を滑らせてしまうと、地面まで落下してしまうでしょう。損切りもこれと同じで、転落してしまうような大きな損失を招くリスクを制限するためのものです。

1-1.FXで最もしてはいけないのは大負け

FXで最も避けなければいけない状況は、大きな損失を出してしまい、次のチャンスにトレードできなくなることです。つまり、資金のすべてを賭けて大勝負して、その結果、大負けし、トレード不能になるほど資金を減らしてしまうことが最も避けるべき状況です。

FXはすべてのトレードで勝つことはできませんから、負けても生き残れるように取引していかなくてはなりません。負けても生き残れるところで決済する仕組みが損切りです。こうした視点から見ると、生き残るために損切りは必須のように見えます。

つまり、損切りを設定していないと、次にトレードできなくなるほどの損失を負ってしまう可能性を常に負ってしまうということです。損切りを設定していなければ、よほど精神的に訓練されていなければ、決済をためらい、どんどん損失をふくらませてしまうというのは一般的なパターンですし、普通の人間ならついついやってしまう行為です。そしてさらには、状況がよくなるまで塩漬け(ほうってほくこと)をして、どうしょうもないくらいの損失になって、相場から去っていくのが常です。

1-2.レバレッジをかけての損切りはさらに悲惨

さらに、大きなレバレッジをかけていて損切りしなければ、上記のような最悪の状況はもっと早く訪れることになるしょう。レバレッジをかけると儲けるスピードも速いかわりに、損失をこうむるスピードも速くなります。

つまり2倍のレバレッジをかけていれば、利益を増やすのも2倍のスピードになる代わりに、損失を重ねていくスピードも2倍になります。10倍のレバレッジなら、さらに10倍のスピードです。ですから、初心者が大きなレバレッジをかけていると、相場から学ぶ間もなく、あっという間に資金を失ってしまう可能性が高いです。

このようなレバレッジをかけている状況なら、より損切りが重要になるということはおわかりいただけるでしょう。損切りを設定していなければ、一瞬で次にトレードができなくなるほどの損失を出してしまう公算が高いからです。

さらに、レバレッジをかけていると、塩漬けのようなこともできません。レバレッジをかけて取引するということは、あなたがFX会社の口座に預けている資金を証拠金にして、お金を借りて取引している状況です。

ですから、証拠金で賄えないくらいの損失を被ると、FX会社は強制的にあなたのポジションを決済してしまいます。このような強制ロスカットを食らうと、資金はもうほとんどゼロに近い額になっているでしょう。でも、意外なことに、この強制ロスカットを食らうまでほったらかしてしまう人は案外多いです。多くの人は自分で認められないくらいの損失を被ると、思考停止してしまい何もできなくなってしまうからでしょう。

1-3.なぜ損切りしないほうがいいと言われるのか

上記のように、損切りは相場で生き残るために必要な技術の一つです。技術と言ったのは、洗練された損切りは、まさに技術と呼ぶにふさわしいからです。でも、なぜ一見メリットだらけの損切りをしないほうがいいと言われるのでしょうか?

実は、損切りはある条件では不利に働くこともありうるのです。その詳細は、2章で説明してきましょう。

2.実は絶対に損切りしないにも一理ある


あなたが、ある環境に身を置いているなら、損切りする(損切りを設定する)ことが不利に働くこともあります。ここでは、どのような環境で、あなたの損切りが不利に働くのかを解説していきましょう。

2-1.目安で損切りすればするほど大損する本当の理由

FXで損切りを設定するとして、あなたはどんな値で損切りを設定するでしょうか? 人によっては10パーセントマイナスになったら損切りなど、パーセンテージで損切りを設定するかもしれませんね。

でも、多くの人はチャート上の重要ポイントで、損切りを設定しているのではないでしょうか。たとえば、110.00円を切ったら損切りなど、きりのよい数値を目安にしたり、直近の安値を損切りの目安にしたりするなどです。

でも、このようなわかりやすいポイント(目安)に損切りを設定していると、その損切りポイントまで下げてやろうとする勢力が出てきます。なぜなら、そういうわかりやすい損切りポイントには、あなた以外にも損切りを設定している人が多いからです。

これらの設定されたわかりやすい損切りが一気に駆られると、相場を動かす推進力になります。でも、このように損切りを駆って無理やり相場を動かした場合、ファンダメンタル的には何ら根拠がない値動きなので、多くの場合、元の価格に戻ってきやすいのです。そのため、ポジションを駆られた挙句、価格は元に戻り、損切りさせられた多くの人は、「一体何のための損切りだったのか」と歯がゆい思いをするでしょう。

上記のような事態を避けるために、損切りをあえて設定しないという選択をする人が出てきても不思議はありません。しかし、意図された損切り狩りがいくら戻りやすいかと言って、必ず値が戻るわけでもありません。その小さな損切り狩りがきっかけになり、トレンドが巻き起こることもないわけではないのです。それが非常に難しいところで、悩ましいとこでもあるのです。

2-2.FX会社はあなたの味方ではない

あなたは、どんな口座でFXの取引をしているでしょうか? なぜそのFX会社を選びましたか? たまたま広告が目についたからとか、よく聞く会社名だったからとか、スプレッドが狭い取引口座だったからなど、さまざまな理由があるでしょう。

しかし、すべてのFX会社があなたの味方だとは限らないということは知っておいたほうがいいでしょう。こう言うと「どういうことだ?」とあなたは思うかもしれませんね。実は、FX会社の中には、あなたが損失を出してくれたほうが儲かる仕組みで運営しているものもあるからです。

その詳細は、以下の記事に譲りますが、あなたが損失を出したほうが儲かるFX会社は、顧客がやたら儲けだしてしまったら倒産してしまいます。だから、あなたのわからないように、スワップをいじったり、レートをずらたりしている可能性がないとは言えません。

FXが勝てないようにできている理由と回避方法|知らないと必ず負ける真実

2-3.敵が作った環境に身をおいても勝てない

FX会社側からは、あなたがどのレートで損切りを設定しているかは丸見えです。もちろん、あなた以外の顧客のポジションや損切り設定も、すべて把握できるでしょう。そんなときに、顧客の損切り設定が集中しているところまで意図的にレートを移動させ、一気に損失を確定させることができれば、FX会社は大儲けできるのです。

もちろん、中にはまっとうにやっているFX会社がないとはいえませんが、そんなFX会社でも経営が苦しかったり、新規顧客が獲得できず売り上げが増えなかったりすれば、なりふり構わずこのような行為を仕掛けてくる可能性は高いと考えられます。会社が倒産してまで、顧客に儲けさせようとは思わないでしょう。

このような環境の中に、身を置いていて本当に自分が利益を出せると、あなたは考えられるでしょうか?日本のFX会社の9割はこのような、あなたが損することで儲かる仕組みで運営しているFX会社ばかりです。

パチンコ店をイメージしてもらえば、わかりやすいかもしれません。あなたが損失を出すことで儲けているFX会社は、パチンコ店のような経営をしています。つまり、一部のパチンコ台は客寄せのために、ある一定の利益を顧客にもたらせるけれども、フロアにいる全員に儲けられるとそのパチンコ店はつぶれてしまいます。だから、店側の利益が出るように、各パチンコ台の設定を調整しなければいけません。その結果、パチンコ店に訪れた客のほとんどは、負けてしまうことになります。

3.まずは対等な環境でFXをしよう


投資というと、競馬やパチンコのような胴元に絶対的に有利な仕組みではなく、対等な環境が用意されていると普通の人は考えます。けれど、あなたが損失を出すことで儲けているFX会社で取引するなら、そこでは五分五分の環境で勝負できるとは思わないほうがいいかもしれません。あなたに儲けられては、FX会社は困ってしまうからです。

でも、がっかりしないでください。日本では数少ないですが、あなたが損失を出すことで儲ける仕組み以外の方式で運営しているFX会社もあるからです。こうした会社は、NDD方式という方式で運営されていて、あなたの注文を直接、インターバンク市場に流すので細工を施すことはできません、ですから、あなたの損失ではなく、手数料(スプレッド)で儲けています。

日本のFX会社では、ヒロセ通商がNDD方式で運営されているといわれています。

ヒロセ通商【LION FX】

海外のFX会社では、MT4なども用意されているOANDAの日本法人やXMをおすすめします。

OANDA Japan

XM TRADING

なお、NDD方式やあなたの損失で利益を得ているFX会社の仕組みについてより理解を深めたければ、以下の記事を参考にしてみてください。長期的にFXで利益をあげるには、まずFX会社選びが何より重要になってくるということがおわかりいただけるでしょう。

FXが勝てないようにできている理由と回避方法|知らないと必ず負ける真実