FXで絶対に知るべき格言9個|プロも実践する相場の名言で勝ち方がわかる


投資には、長い歴史があります。その歴史のなかで、様々な格言や名言も生まれました。長く語り継がれている言葉には、相場に対する真実を語っているものが多いです。一つの格言や名言に出会うことで、相場に対するあなた自身の姿勢が変化したり、投資成績が上がったりすることも珍しいことでは。

この記事では、10年以上投資に関わってきた著者が、実際に取引をするうえで、役に立った格言・名言や今もトレードをする際に肝に銘じている格言・名言を紹介します。どの格言・名言もトレードをする際に、ディスプレイの脇に貼っておいてほしい言葉ばかりです。もし、あなたがそれぞれの名言・格言の本当の意味を理解し、実践できるならきっとトレード成績の向上に寄与することでしょう。

1.FXのロジックや勝ち方がわかる投資の名言


FXで「勝ち方がわからない」という初心者は、とても多いです。それもそのはず。初心者は、知識不足から誤った方法で利益を得ようとしたり、思い込みでトレードをしていることが多いからです

では、相場の勝ち方を知っている人は、どんな知識や考え方を持っているのでしょうか。名言を解説しながら、トレードの神髄をあなたにお伝えしましょう。

1-1.FXとは損を楽しむ大人の遊戯

最初の名言は、ロバート・J・ウィリアムズの「FXとは損を楽しむ大人の遊戯」です。ロバート・J・ウィリアムズは、1960年以来金融市場で活躍してきた、実績のある投資アナリスト。でも「損を楽しむ」なんて、意味がわかりませんよね。

この言葉を私なりに解釈すれば、損というのは小さな損切りのことです。実際にヘッジファンドなどで活躍しているトレーダーの中でも、特に成績の良いトップトレーダーには、ある共通点があります。1年を通して圧倒的に稼ぐトップトレーダーたちは、ほぼ例外なく、勝率が他のトレーダーよりも悪いそうです。一般的なトレーダーの勝率が80~60%くらいだとすれば、トップトレーダーたちの勝率はせいぜい40%くらいです。

なぜ稼いでいるはずの、トップトレーダーたちが、一般的なトレーダーよりも勝率が悪いのでしょうか? その答えは、損小利大にあります。つまり、トップトレーダーたちは、無数の小さな損切りを繰り返し、少ない大きな勝ちで、一般的なトレーダーの収益をいとも簡単に追い抜いていきます。

こうした背景を知れば、「損を楽しむ」という本当の意味もわかってくるのではないでしょうか。

1-2.「損が明らかな時には損切り」「利益が見込める時には利喰わない」が鉄則

希代の相場師、ジェシー・リバモアの名言、「「損が明らかな時には損切り」「利益が見込める時には利喰わない」が鉄則」。よく同じような意味の言葉が聞かれますが、本当に実践できる人は少ないです。日々、FXや株を取引きしている人には、常にディスプレイ横に貼っておいていただきたいくらいの名言です。

上記の「FXとは損を楽しむ大人の遊戯」とも共通していますが、これも損小利大の重要性を語った名言ですね。取引きが下手な人や大負けしてしまう人は、例外なくこの名言とは反対の行動をしています。

つまり、損を出たら元に戻るまで待ち続けます。その結果が、塩漬けや強制ロスカットです。こうなれば、小さな損失で済んでいたものが、とてつもなく大きな損失になってしまいます。そして、相場に対して未熟な人ほど利益が出たら、すぐに決済をしてしまうものです。でも、これは恥ずかしいことでも何でもなく、普通に生きてきた人なら誰でもやってしまう行動です。

人間は、損失に対しては非常に痛みを感じます。だから、損をしないためには、いくらでもリスクをとってしまうのです。そうした人間の心理が、損切りをためらわせるのです。そして、目の前の利益に対しては、早くしないと利益がなくなってしまうと感じて、利益を伸ばせる場面でも、すぐに利益確定してしまいます。

相場で稼ぐには、一般的な人間の心理を超越して取引していかなくてはなりません。その理想形を表したのが、リバモアの「「損が明らかな時には損切り」「利益が見込める時には利喰わない」が鉄則」という名言だということができるでしょう。

1-3.市場を支配しているのは数学ではなく人間の心理

ウォール街の投機王で「イングランド銀行を潰した男」と呼ばれるジョージ・ソロスの名言、「市場を支配しているのは数学ではなく人間の心理」も相場を知る者にとっては、本当に深い意味を持った言葉です。

FXや株を取引している人の多くは、チャートというグラフを見て取引していますが、チャートをつぶさに観察すれば、そこに人間の心理の動きが見て取れるはずです。例えば、高値圏で大きな下げが起こると、皆が我先に逃げようとします。そして、さらに大きな下げにつながっていきます。

けれど、ひとしきり混乱が収まると、また買い進める勢力も出てきます。その様を見れば、相場が単なる数字の連続だとは思えないはずです。数字の背後には、確実に人間の心理が垣間見えます。

相場における、こうした心理をつかめるようになれば、あなたは大衆の動きを逆手にとって、大きく利益を出すこともできます。けれど、それは言うは易し行うは難しです。なぜなら、欲に目が眩んだ人間は、必ず大衆と同じ動きをしてしまうからです。ちょうど大災害から逃れようとする人々のように。

2.プロのトレードの秘訣が理解できる格言


プロとして日々トレードをしている人たちは、どんな考えをもっているのでしょうか。あなたとの違いは、何でしょうか。その秘密は、彼らが語った名言・格言から読み解くことができます。

2-1.一回一回のトレード結果ではなく、正しい行動をしているかどうかに焦点を当てろ

アメリカの伝説的な投資集団である「タートルズ」のリーダー、リチャード・デニスの名言、「一回一回のトレード結果ではなく、正しい行動をしているかどうかに焦点を当てろ」です。

投資には、絶対はありません。どんなに有効な手法を使っていても、負けるときは負けます。なぜなら、相場の値動きは、基本的にランダムなものだからです。リチャードデニスは、そうしたランダムな一回一回の取引の結果に一喜一憂するのではなく、優位性のある手法を使って規律を持ってトレードできているかということだけに集中しろと説きます。

たとえ、勝率90パーセントの手法があっても、偶然が重なれば立て続けに損失が出てしまうこともあります。しかし、優位性のある手法であれば、長期的には利益が出るはずです。そのためには、たとえ負けが出た場合でも、次もトレードし続ける必要があります。一度に大きな資金を賭けるのは危険だと言われているのは、長期的にトレードを続けられなくなる可能性があるからです。

リチャードデニスの言葉は、こうしたことを端的に表していると言えるでしょう。

2-2.秘訣は、することがないときには何もしないこと

ウォーレン・バフェットの名前は、あなたも聞いたことがあるかもしれません。世界長者番付1位の投資家で、純資産は、9兆9800億円とも言われています。

そんなすごい投資家が、投資の秘訣は、「することがないときには何もしないこと」と言っているのです。これはビジネスなどにも言えることですが、一般の人は、儲けるには常に動き続けなければならないと錯覚しています。でも時期によっては、動かないことが一番いいこともあります。動いたことにより、何らかの仕事をした気分になりたいのでしょう。でも、それが損失を招く行動なら、動かなかった方が良かったと言わざるを得ません。

FXや株式で、常にポジションを取りたがる人がいます。ポジションを取らないと、儲けのチャンスを失ってしまうという焦りからでしょう。けれど、相場というものは、常に動きが読める値動きばかりではありません。基本的には、ランダムなものです。その中で、2〜3割程度読める値動きがあるというのが、本当のところでしょう。

ですから、チャンスでも何でもないところで、ポジションを取るなら、そればギャンブル以外の何ものでもなくなってしまいます。

休むも相場という言葉もあります。投資は、儲けるためにやるものです。ですから、調子が悪いとき、市場の動きがいまいち読めないときは、やることがないときだと言えます。ぜひ何もしないということも、あなたのトレードの選択肢の一つに加えてください。

2-3.最も重要なのは、とにかく資金管理

短期トレードで、大成功をおさめたアメリカのトレーダーのマーティ・シュワルツは、「最も重要なのは、とにかく資金管理。成功したトレーダーは、皆同じことを言うでしょう」という名言を残しています。あなたも、投資で成功するには、資金管理が何より重要だということは、耳にタコができるくらい聞いているかもしれませんね。

けれど、資金管理という言葉は理解できても、それを実践できる人は少ないです。だから、多くの人は株やFXで資産を築けず、退場していくのだとも言えます。

資金管理には、いろいろな考え方がありますが、一般的には2%ルールを守ればいいだけです。2%ルールとは、一回の取引において、資金の2%以上の損失を出してはならないということ。

上記でも書きましたが、どんなに優れた手法を使っていたとしても、様々な偶然が連続して損失を出し続けてしまうことはあります。そんな不運があっても、次もトレードするための資金を確保しながら、トレードすることが何より大切です。

また、損失が膨らめば膨らむほど、元の資金まで戻すことが困難になります。もし、あなたの使う手法に優位性があるなら、不運が重なったとしても2%ルールを守っていれば、長期的には資産は増えていくはずです。

3.凡人でも相場で生き残るための無難な処世術


成功したトレーダーの中には、天才的な人ももちろんいますが、多くの場合、失敗の中から学び、自らを変化させてきた人たちです。そして、天才ではないごく普通の人にこそ、知っておいてほしい言葉があります。

3-1.いつ起きるかを予想することは、何が起きるかを予想することより何倍も難しい

フィリップ・フィッシャーは、株で大成功した著名な投資家で、『フィッシャーの「超」成長株投資―普通株で普通でない利益を得るために』という名著を残しています。そんな彼が、「いつ起きるかを予想することは、何が起きるかを予想することより何倍も難しい」という名言を残しています。

これまでの経験から「こうなるはず!」という見通しは立てられても、それがいつ起こるのかがわからないという経験は、ある程度投資に慣れ親しんだ人なら、誰もが持っているのではないでしょうか。

あなたが確信の持てる見通しを持っているなら、時にはそれが実際に起こるまで待つ忍耐力が成功するには必要です。相場のすべての動きを、予測することはできません。でも、大きな流れをつかんでいるなら、最終的に相場はその方向にむかう可能性が高いといえます。しかし、初心者ほど小さな時間足の小さな波に翻弄されて、損失を重ねてしまうものです。

3-2.大当たりを狙った投資が、報われることはほとんどない

バリュー投資で成功し、投資の神様といわれるピーター・リンチは、「大当たりを狙った投資が、報われることはほとんどない」という名言を残しています。あなたにも、思い当たるふしがあるのではないでしょうか?

たとえば、大きな損失を出した後、損失を取り戻そうとして、大きな賭けをするときにも同じことが言えます。そうした、冷静さを欠いたトレードは、ほぼ失敗に終わると考えていいでしょう。

そして、大当たりを狙った投資は、上記で紹介した資金管理の面からみても、成功するトレーダーの行動とは言えません。そのとき、もしまぐれ当たりをしたら、悲劇です。なぜなら、間違った成功体験が、長期的な成功機会を奪ってしまうからです。

FXや株はギャンブルのように賭けることもできますが、きちんと資金管理をして冷静な経営者のように取引することもできます。けれど、多くの人は早く儲けたいという欲に駆られ、相場をギャンブルの場にしてしまいがちです。

3-3.私が人より優れている点は、間違いを認められるところです

最後に、前述したジョージ・ソロスの名言、「私が人より優れている点は、間違いを認められるところです。それが私の成功の秘密です」を紹介しましょう。人は、基本的に間違いを認めたくない生き物です。誰だって間違いを認めて、損切りをしたくないし、自分の判断は正しかったと思いたいものです。

けれど、相場はいつも勝たせてくれるほど、甘い場所ではありません。どんなに優れた投資家でも思惑が外れることはありますし、考えが間違っていたことを認めなければ、大きな損失を出してしまう場面がくるものです。そんなときに、素直に自分の間違いを認めて、必要な行動をとれることが、トレードで生き残るために最初に覚えなければならないことでしょう。

一般的な社会で生きていれば、このような相場に必要な感覚をなかなか体得できません。特に能力が高く努力で苦難を乗り越えてきた経験を持つ人には、負けを認めるのは耐え難いことのようです。だからこそ、相場においては意識的に、間違いを認めていかなければなりません。そうした行動が、のちの大きな利益につながっていきます。