FX入門基礎講座|要点を簡潔に解説|おすすめの入門書(本)も教えます


この記事では、10年以上、FXの世界で生き残ってきた著者が、FXの基本からやり方、儲けるためには何を知ればいいのか、そして、おすすめの本などを無駄なく解説します。この記事が、つまづかずにFXの世界に飛び込む、きっかけになれば嬉しいです。

1.FX入門講座|そもそもFXとは何?始めるには?


ここでは、FXを全く知らない人が読んでいるということを想定して、そもそもFXとは何かという、基本の基本を解説します。そして、どうやって始めたらいいのか、ということについても紹介します。また、取引きするにあたって、最も大切なFXで取引を始める前に、気をつけることについてもお教えしましょう。

1-1.そもそもFXとは|基礎の基礎

そもそも、FXとは一体なんでしょう? なぜそれで、お金が儲かるのでしょうか。ここでは、そういった根本的なことから、お伝えしていきましょう。

FXとは、ごく単純化すれば、日本のお金を、海外のお金に換える取引をすることです。日本のお金を海外のお金に変えておいて、海外のお金の価値が日本のお金より上がれば儲かりますよね。一見複雑そうに見えるFXですが、複雑な概念をそぎ落とせば、単純なものです。

そして、FXでは、それぞれの国のお金がペアになっています。例えば、アメリカのドルと日本の円は、「ドル・円」という通貨ペアです。ユーロ圏の通貨であるユーロと円なら「ユーロ・円」、スイスのスイスフランと円なら「スイスフラン・円」と呼ばれます。「ドル・円」なら、そのレートはドルと円の相対的な価値を表しています。

外国の通貨どうしの、通貨ペアもあります。例えば、「ユーロ・ドル」「ポンド・ドル」「豪ドル・ドル」などなど、FX会社によって取引できる通貨ペアは違いますが、どの取引会社でも、様々な通貨ペアが取引できるようになっています。

でも、外国の通貨どうしの通貨ペアだと、日本のお金を海外のお金に換えていないじゃないかという声が聞こえてきそうですが、これはいったん日本のお金を海外のお金に換えて、外国の通貨どうしの通貨ペアを所有しているということになるので、やはり日本のお金を海外のお金に換えていることになるのです。

1-2.FXを始めるには何が必要なの?

では、FXの取引を始めるにあたり、何が必要になると思いますか? FXを始めるためには、FX会社で取引口座を作ることと、5万円程度の資金があれば誰でも始められます。現在は、ネット環境があれば、簡単にFXのための取引口座を作ることができます。

FX会社選びに迷う人が多いし、世の中のサイトでは、取引するFX会社がとても重要だと言われていますが、果たして本当でしょうか。確かに、短期売買を繰り返す場合は、FXにおける実質的な取引手数料である、スワップが低いFX会社で取引した方が有利ではあります。

私個人としては、もちろんスワップが低い方がいいのですが、取引ツールの使いやすさの方が重要で、取引ツールが使いづらくてストレスを感じるくらいなら、少しくらいスワップが高くてもあまり気になりません。また、各FX会社で、FXに関するニュースなども提供されるケースが多いですが、このニュースの質も各FX会社で違います。

取引ツールが使いやすいと感じるか、配信されるニュースが役立つかは、個人によって差があります。ですから、私のオススメは、幾つかのFX会社で口座を開き、実際に取引ツールなどを使ってみて、自分に合ったFX会社で取引することです。取引口座を作っても通常は、口座を維持するための手数料などはかかりませんし、気になる会社があれば、とりあえず口座を作ってみることが一番いい方法です。

私は幾つかの取引口座を、取引手法ごとに分けて使っています。その中で主に使っているFX会社は、以下になります。どの会社も、比較的スワップが低く、ツールも使いやすいFX会社だと感じています。参考にしてみてください。

SBIFX

OANDA Japan

GMOクリック証券

1-3.でもFXのやり方を知っただけではお金を失います

ここまで、この記事を読んでくれたあなたに、注意してほしいことがあります。取引口座も作ったし、通過ペアのことも理解したので、さあ取引開始だ! ということで本当にFXで儲けを出せるでしょうか? おそらく、これだけだとあなたは大切なお金を、FX取引で失ってしまうことになるでしょう。

FXでは、口座を作ることも通過ペアのことを知ることも、手軽にできてしまいます。FXの参入障壁は、とても低いと言えるでしょう。参入障壁が低いということは、多くの初心者が入りやすい環境にあるということです。でも、これらの初心者が、全員儲けられると思いますか? 答えはNOです。

FXの世界は、基本的に奪い合いです。今、何が起こっているかという状況を認識できなければ、生き残れませんし、当然儲けることもできません。このことについては、以下の記事の2章に、より詳しいことを書いていますので、深く知りたければ、ぜひご一読ください。

FXで勝てない仕組み|勝てなくなった原因と全く勝てない本当の理由

2.FX入門誌上セミナー|おすすめの厳選ブログ記事も紹介


FXが厳しい世界であることは、何となく理解していただけたと思います。けれど、FXを有利に始めるには、一体どうすればいいのでしょうか。それを解説する前に、私が投資を始めた頃のことついて、少しお話ししましょう。私はかつて投資における取引で、大きな考え違いをしていたのですが、この経験をここで話すことは、あなたが私と同じ失敗をしないために、きっと役に立つでしょう。

2-1.私が投資を始めた頃の失敗談

もう、10年以上前のことです。その頃勤めていた会社に、元証券新聞の記者をやっていた人がいました。彼が楽しそうに株の話しをしているのを見て、私も投資に興味を持ち始め、投資にまつわる様々な本を読み始めました。

例えば、「簡単に儲かる株式投資」「1年で資金を十倍にする投資術」といった類の本だったと思います。また、手軽に漫画で投資のことについて書かれたものも読みました。証券会社が主催するセミナーなどにも参加し、いろんな知識が身についてきました。

私は、どちらかといえば慎重な人間なのですが、これだけ勉強したのだから、株式投資で儲けられるに違いないと考えて、取引口座を開き、トレードを始めたのです。結果は惨敗でした。私は資金の半分を失い、撤退せざる得ない状況に、追い込まれてしまいました。

この結果は、私が取引面でも、メンタル面でも未熟だったということもあるでしょう。しかし、多くの初心者が、同じような経験をしています。結構勉強したのに、なぜ勝てなかったのでしょうか。その理由は大きく分けて2つあります。それを、以下で解説しましょう。

2-2.初心者が投資で陥る罠

さらに過去に、さかのぼりますが、私が高校の頃の友人に、車がとても好きな男がいました。まだ免許も持っていないのに、カー雑誌を買いあさったり、ドライビングテクニックのビデオを見たり、カーレースなども熱心に観戦したりしていました。

高校を卒業後、彼は早速免許を取りに教習所へ通い始めました。車について様々な知識を持つ彼は、免許なんて簡単に取れるものだと考えていたのだと思います。実際、彼の車の知識は、あるジャンルにおいては教官をも凌ぐものだったに違いありません。

しかし、教習所に通い出してから、彼は泣き言を言い始めました。縦列駐車がうまくできないとか、教習官との相性が悪いとか、俺は運転に向いていないのかもしれない、といったことです。結局彼は、一般的な人の3倍近くの期間をかけて、ようやく免許を取得しました。

投資や取引について、散々勉強したのに勝てなかったと聞くと、私はこの車好きの友人のことを思い出すのです。知識は、もちろん必要ですが、免許を取るのに不要な知識は必要ではなく、またビデオでいくらドライビングテクニックを学んでも、実際に運転することとはまるで違うわけです。投資も、これと全く同じなのです。つまり、投資も本や漫画やセミナーで知識を学ぶことと、実際に取引をすることでは、まるで違います。

投資というのは慣れていないと、少しでも損したくないなどの意識が働き、メンタルに負担がかかる行為です。そうしたメンタルへの負担で、冷静な判断ができなくなる人も多いです。勝ち方を知識として知っていても、その通りにできない人も数多くいます。

2-3.漫画やアプリはFX入門者の害にもなる理由

株式投資に失敗してから、数ヶ月後、私はある人から投資に関する本を紹介されました。その本の中に、チラシ学問という言葉があり、私はハッとしました。そうだ、私が一生懸命学んできた知識の多くは、このチラシ学問だったから勝てなかったんだということが、一気に理解できたのです。

チラシ学問とは、例えば、証券会社や取引業者は、自分の会社で取引してもらうために、一般人向けて、どうやって取引すれば勝てるかというような情報を発信していますよね。けれど、これらは、純粋に読んでいる人に儲けてもらおうとして発信しているわけではなく、活発に取引してもらおうという裏の意図があります。本の中では、こうした証券会社が自分のところで取引を活発にしてもらおうと出している情報なんて、チラシのようなもので、本当には役に立たないということで、チラシ学問と呼んでいたのです。

この本に書かれている時代は、随分古いのでチラシ学問が意味するところは、証券会社等が発行する取引の手引き書といったようなものを指していると考えられますが、今で言えば、漫画やアプリで手軽にFXを学べるといったツールが、これにあたるのかもしれません。手軽なものの全てが有用でないと言うつもりはありませんが、なぜこうしたツールが無料で提供されているのかという、裏の意味を読み取ることは、投資をやる上でも役に立つモノの見方です。

ところで、私がおすすめされて読んだ、上記の本が何だったか気になる方も多いでしょう。それは、第4章でご紹介しましょう。

2-4.これだけは読んでほしいおすすめのブログ記事

ここで、FX入門者にこれだけは読んでおいてほしい、おすすめブログ記事を紹介しましょう。どれも初心者が読んでおいて、損はないと考えます。

例えば、あなたがFXの取引をして、ロングポジション(買いのポジション)を持ったとします。そこで上手く価格が上がっていけば、儲けが出ますが、思惑とは反対に下がっていったとき、あなたはどうするでしょうか? 多くの初心者は、価格が元に戻るまで、待ち続けるという行動を選択します。

損をしたくないというのは、人間が自然に感じる本能のようなものです。けれど、そうした行動の癖がつくと、いつか必ずあなたを破滅に導くでしょう。そうならないためにも、まずは以下の記事を参考にしてみてください。あなたが相場の波を、上手にとはいかなくても、溺れずに泳ぐためには必須の技術になるでしょう。

損切りとは?本当の意味や株・FXでの目安やタイミング、ルール設定を解説

FXを、伸るか反るかのギャンブルのようなものだと捉えていては、長期的には必ずといっていいほど損をします。もし、FXで短期的に一発当ててやろうと考えているなら、あなたのお金なのですから止めはしませんが、その大勝負は一回だけにした方がいいでしょう。一回だけなら、概ね五分五分の確率で、大金持ちになれる可能性もゼロではないからです。けれど、長期的にそうした考え方で勝負し続けたとしたら、確実に破産することになるでしょう。

以下の記事では、FXを短期的なギャンブルではなく、長期的に稼ぎを得る商売のようなものにするには、どういう考え方が必要かということが書かれています。相場で何らかの失敗をしてからの方が、理解しやすいかもしれませんが、失敗せずにFXを始められるなら、それに越したことはありません。

FXで勝つコツ|勝ち方がわからない人に伝えたい稼ぐための本当のルール

FXで大金持ちになった人は、どんな方法で儲けたのでしょうか。ロシアの文豪のトルストイは、「幸福の形はいつも同じだが、不幸の形はそれぞれ違う」と言いました。FXも、これに当てはまります。すなわち、損をするのには非常に多くのパターンがありますが、成功するにはそれほど多くのパターンはないということです。

運良く大金を稼いた人も、緻密な計算をして利益を上げた人も、分類すれば同じパターンで資産を築いたということになります。下記の記事は、FXで成功した人を分析した結果、その成功パターンは3つしかないということが書かれています。

FX成功者の共通点はたった3パターン|成功率・成功例と手法を解説

3.FXチャート分析の仕組み基礎講座


ここまで、様々なFXで儲けるための知識を紹介しましたが、こんな声が聞こえてきそうです。なんとなく知識はわかったけれど、では実際に価格の上下を予想するにはどうすればいいのか、ということです。それを知るための手がかりがチャート分析です。ここではチャート分析の基礎や仕組みを紹介しましょう。

3-1.FXチャート分析の基礎

チャートとは、時間に沿って価格を示したグラフのことです。これを見ることで通貨ペアがどんな経緯をたどって、現在の価格になっているかを知ることができ、過去パターン見て、未来を予測していくといくのがチャート分析です。

日本で、多くの投資家に使われているチャートが、ローソク足チャートです。基本的にチャートはローソク足チャートを使えば事足りますが、もっとチャートについて学びたい人は以下の記事を参考にしてみてください。

勝つためのFX チャート分析無料講座|初心者でも見方がわかる!

3-2.FXチャート分析の仕組みとやり方

でも、なぜチャート分析が有効に機能するのでしょうか。それはどのような仕組みなのでしょう?
その答えは、多くの投資家がチャートを見て取引しているからにほかなりません。

どこでポジションを持つのかや損切りするかは、多くの場合チャートを目安になされます。そしてチャート上の多くの人が目安にするポイントで相場は大きく動きやすいのです。このような仕組みから、チャート分析が重要視されています。

では、実際にどのようにチャート分析をやればいいのでしょうか。それは、人類の歴史と同じです。よく歴史から学べということ言われていますよね。過去に起こった出来事の前後には、どのようなことが起こっていたのかを探り、それによって、こういう兆候があるときは、大きく歴史が動くというように。

チャート分析も、歴史は繰り返すという考えのもとで使われているものといえるでしょう。過去にこういう値動きがあったときは、次はこうなりやすいというように。そのパターンを知るための手がかりとなるのが、酒田五法やダウ理論です。これらは以下の記事で解説していますので、あなたがもしFXをしたいというなら、ぜひ身につけておいてください。

酒田五法とはローソク足に必須の知識|チャートパターンや勝率、本を解説

ダウ理論とは|6つの原則と使い方やFXでの取引手法を簡単にレクチャー

4.FX入門書|初心者に本当におすすめできる本


かつて私は、分子生物学を中心とした、書籍の編集に関わっていたことがあります。その時は、世界で活躍されている、多くの研究者のお話を聞く機会がありました。その中で、ある著名な方が、研究者どうしの雑談の中で、話していた内容が今でも印象に残っています。

彼は、優れた研究がどうやって生まれるのか、ということについて話していました。自分の専門分野を深く掘り下げることも、もちろん大切ですが、研究がブレイクスルーをするのは、他分野に目を向けたときだと言うのです。

多くの研究者は、自分の分野の研究ばかりに目を向けています。けれど、それだけでは皆と同じような研究しかできません。同じ分野の他の研究者たちも、同じように自分の分野の研究ばかり見ているからです。そんな状況の中で、自分だけ視野を広げて、他の分野の研究にも目を向け、その知見を自分の研究に取り入れることができれば、優れた研究につながりやすいというのです。

私はこの記事で、FX入門者に役に立つ本を紹介するとしたら、どの本にするかについて随分悩みました。あまり難しい本であれば、途中で読むのが嫌になるでしょうし、とは言っても、チラシ学問のような本をおすすめするわけにもいきません。

けれど私には、自分の友人がこれからFXを始めたいから、何か1冊おすすめの本を教えて欲しいと問われれば、迷わずおすすめしたい本があります。でもそれは、FXの本ではありません。FXの本ではないけれど、相場という世界の中で、どうやって生き残っていけばいいかということが、鮮明に描かれています。

ですから、小手先の手法そのものを学ぶ前に、ぜひ読んでほしい本です。おそらく読んでいるのといないのとでは、FXへの取り組み方が違ってくるでしょう。その本とは、立花義正さんの『あなたも株のプロになれる―成功した男の驚くべき売買記録 』です。

この本で解説されている手法そのものは、少々特殊で一般の人には真似しづらいものかもしれません。けれど、本に描かれている株や商品相場の世界は、本質的には、あなたがこれから飛び込もうとしているFXと、同じものだと考えて読んでほしいです。FX入門者のあなたが、これから、どう相場に向き合っていけばいいかが、きっとわかっていただけるでしょう。

立花さんの本については以下の記事で紹介しています。他にも優れた本を掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

FXおすすめ本11選|本気で投資で稼ぎたい初心者が最低限おさえるべき書籍

5.おわりに|FX入門者はまず生き残りを考える


いかがだったでしょうか。あなたがこの記事を読んで、やっぱりFXは難しそうだからやめておこうと感じたなら、それはそれで賢明な判断です。けれど、ぜひやってみたいと考えたなら、あなたにアドバイスしておきたいことがあります。

それは、儲けることよりも、生き残ることを考えろということです。特に初心者は、欲に目がくらみがちです。多くの場合、その欲が判断を誤らせ、結果FXの世界から退場するきっかけになります。すべての取引で、儲ける必要はないのです。そして、毎日取引する必要もありません。よくわからない時は、ポジションを取らず見ているだけでいい。長く生き残っていれば、必ず大きく稼げるチャンスがやってきます。